姿勢が良いのに腰痛がでるのはどうして?
私って周りからは「姿勢が良いね」ってよく言われるんだけれども、よく腰が痛くなってしまう…これってどうしてなの?と、疑問に思っていませんか?
姿勢と腰痛はとても関係が深く、最近は姿勢の悪さが腰痛の原因になるという事をちょくちょく言われるようになってきましたね。
ただこういった姿勢と腰痛の事を聞いたり目にしたことがある人の中で、「姿勢が悪いと腰が痛くなるって言うけど、私って姿勢がいいって周りから言われるのにどうして腰が痛いんだろう?」と、こんな風に思われている方もいると思います。
姿勢は悪くないのにどうして腰痛が出てしまうのか?そこで今回は姿勢が良いと言われるのに腰痛に悩まされるのはなぜかについて考察していきます。
姿勢だけが腰痛の原因ではない
姿勢は大切と書いておきながらいきなりあれなんですが、姿勢もあくまで腰痛の原因の中の一つであって、姿勢だけで腰痛が出るかどうかが決まるわけではありません。
そのため、他に腰痛を起こしてしまうようなことをしてしまっていると、いくら姿勢が良くても腰痛になってしまうことがあります。
それじゃあ姿勢以外でどんな原因があるのか?姿勢が良いのに腰痛が出てしまう原因になりやすいのが、
●体を動かすことが少ない
普段から体を動かすことが少ない人は腰痛になりやすい傾向にあります。
筋肉には体を動かすだけでなく、血液を巡らせるためのポンプのような働きも担っているんですが、体を動かすことが少ないとそのポンプの役割を果たせないため、血液の巡りが滞り疲労物質などの老廃物が溜まってしまい痛みを起こしやすくなります。
そして血液の巡りが悪くなることで自然治癒力も低下してしまうため、日常生活で傷ついた組織が治りきらず、微少の傷が積み重なることで腰痛を起こしやすくもなります。
また、同じ体勢でいることが多いといくら良い姿勢でも、同じ部分に負担が集中するために腰痛がでやすくなってしまいます。
●睡眠時間がすくない
いくら姿勢が良くても、一日中重力化の下で体を動かし生活をしていると、腰を含め体はそれなりのダメージを受けてしまいます。
本来であればそういったダメージは自然治癒力によって回復していくんですが、その自然治癒力を高める睡眠時間んが少ないと、体にたまった疲労が抜け切れずに蓄積された状態で次に日に持ち越すことになります。
これが続くことで段々と筋肉などの働きは低下していき、腰痛になりやすくなっていきます。
●暴飲暴食をしてしまうことが多い
普段から姿勢が良くて腰にかかる負担が少なかったとしても、食べ過ぎによって胃に負担がかかるとその周囲にある腰の筋肉は硬直しやすくなるため、腰痛を起こしやすくなります。
また暴飲暴食によって、体に取り入れた食材を消化・吸収するために内臓に血液が集中してしまうと、腰周りの筋肉の血流は悪くなってしまうため、働きが低下してしまったり、硬くなって筋肉の中を通る神経を圧迫してしまうことでも腰痛を起こしてしまいます。
●座ることが多い
座る姿勢というのはいくら姿勢が良くても、真っすぐに立っている時に比べると、40%も腰にかかる負担が大きくなると言われています。
つまり日常生活で座ることが多くなってしまうと、それだけ立ってうろうろと行動している人よりも腰痛をおこしやすくなってしまうと言うことです。
最近ではデスクワークを長時間行うなんて人も多いと思いますが、このように一日の中で座る時間が多くなることが姿勢が良くても腰痛を引き起こす原因になるんです。
●日常生活で同じ動きを繰り返してる
これはいくら良い姿勢であっても同じ部分ばかり使うことで、一定の筋肉にばかり負担がかかり腰痛を発症してしまいます。
このほかにも色々ありますが、多くの方がついついやってしまって当てはまる事の多いものをあげていますので、一度見自分に当てはまっていないか直してみてください。
実はよい姿勢ではなかった
そして上記の様な腰痛の原因と同じくらい、姿勢が良いと言われているのに腰痛のある方に当てはまるのが、そもそもあなたの姿勢は本当に姿勢が良くなかったということです。
ちょっと厳しいことを書くと、そのあなたの姿勢を良いとほめてくれる方はたぶん一般の体のことについては素人の方ですよね。
これは体のことに限ったことではありませんが、やはりその道のプロが良いというものと、一般の方が良いと見えるものとでは差があるということです。
例えば今回のように姿勢が良いのに腰痛がでてしまうといった場合に多いのがこんな姿勢の方で、
えっ!?すごく良い姿勢じゃないの?
こう思われるかもしれませんね。
というのは一派的な良い姿勢のイメージというのは、背中が伸びて丸まっていなくて胸を張っている状態を指しているからです。あなたもそう思っていませんか?
ただすいません、私も昔はそれが良い姿勢だと信じていましたが、こうやって患者さんの体を診させていただくのに勉強し知識をつけた結果、これを良い姿勢だとは思わなくなりました。
実際に良い姿勢は、
上の絵と見比べてくださいね。微妙に違うでしょ?特に腰の部分。
上の絵の場合、胸をグッと張るために腰を反らしてバランスをとっているんです。
これは耳にしたことがあるかもしれませんが腰椎の前弯のカーブが強まった「反り腰」の状態です。
腰椎のカーブは上半身の重たさを腰だけにかからないように分散させてくれるために必要なモノなんですが、その前弯のカーブが強くなってしまうと反対に負担を分散させにくくなってしまうため、腰周りに負荷が集中してしまいます。
つまり良い姿勢に見えていても腰が反っているぶん、普段から日常的に腰には大きな負担がかかってしまっているんです。
さらにこれは実際に良い姿勢をとれないとわからないんですが、良い姿勢って変なところに力が入ってなくて力みが少ないんです。
ただ、上の絵のような状態を保とうとすると、腰や背中周りに常に力が入っていて力んでいる状態になってしまうんです。
なので筋肉の使い過ぎや、力んでいるために日常生活の動きが特に腰回りが小さくなって、あまり動かないことで筋肉が伸び縮せずに血液が滞ってしまうことで腰痛がでてしまうんです。
こういった方は当店に来られるお客様の中にもいて、本人は良い姿勢だと思ってその姿勢を続けるためにめちゃめちゃ頑張っておられます。
なので余計その頑張りを無駄にしてほしくないので、ホントに良い姿勢をとるためのポイントをお伝えし、そちらを頑張ってもらうように説明させていただきます。
あなたもきっと良いと思う姿勢をとるために頑張っているんだと思いますが、だからこそその頑張りの方向を変えてほんと良い姿勢をとるために頑張ってください。
反り腰のチェックポイント
それじゃあ実際に自分自身が本当に良い姿勢なのか?反り腰になっているのかどうかを見分けるポイントをお伝えします。
姿勢が良いと言われるのに腰痛がある人は一度自分でチェックしてください。
●背中を壁にぴったりとつけたときに腰と壁との間に手のひらが2まい入るくらい大きな隙間ができる。
●上向きに寝て同じように腰と床に手のひらが2まい入るくらいの隙間ができる。
●真っすぐ立ったときに、肩の位置よりも目に耳が出ている。
●痩せているのにお腹がぽっこりと出ている。
これらに当てはまる方は、良い姿勢ではなく実際は反り腰である可能性があります。
反り腰の改善方法
ここからは自分でできる姿勢が良いと言われるのに腰痛になってしまう、反り腰の改善方法をいくつかお伝えしていきます。
上のチェックポイントに当てはまった方は参考にして頂き、毎日継続しておこなってください。
●重心の位置を正す
反り腰の方は重心の位置が本来の位置より前にかけてしまっている方が多いです。
そうなると、体は骨盤を前に傾け腰を反らしバランスをとって安定させようとするんで反り腰になりやすくなってしまいます。
本当に重心をかけるべき位置はすねの骨の下で、
上のイラストの赤丸あたりに重心をかけるようにしてください。
今までと違う筋肉を使うようになるために最初はしんどく感じると思いますが、これも習慣にすることで違和感なくおこなえるようになります。
●下腹を少しへっこめるようにする
下腹あたりに力が入っていないと腹圧が弱ってしまうため、お腹側に支えがなく骨盤は前に傾きやすくなってしまいます。
なので下腹に少し普段から力を入れるようにすることで、腰の背骨が本来のカーブを取り戻します。
●お尻をしめるようにする
姿勢をよくするためには背骨の土台となる骨盤を安定させる必要があります。
なのでお尻を軽く閉めるようにしてもらうと骨盤が安定しやすくなり、背骨が本来のカーブを描きやすくなります。
●背中の筋肉のストレッチ
反り腰の方は背中の筋肉が固く縮んでしまっています。なのでその筋肉を緩めてあげることで背すじをただしやすくなります。
●両膝を曲げて、両手で曲げた両足を胸の方に抱え込んで腰を丸めて伸ばしていきます。その状態で15~20秒キープ。
●腸腰筋のストレッチ
腸腰筋と言われる腰の背骨と骨盤からお腹を通って足につく筋肉があります。
この筋肉が固く縮まった状態だと骨盤を前に傾けてしまい反り腰になってしまいます。
●上向きで寝て、伸ばしたい側と反対の足を胸のほうへ曲げていきます。
反対の足はできるだけ膝を伸ばし床につけるようにして、赤線で囲った部分を伸ばすイメージでおこなってみてください。
ツッパリをお腹の奥に感じたところで15~20秒キープ。左右交互にしてください。
●太もものストレッチ
太もも表の筋肉も足から骨盤につながっていて、反り腰の方はこの筋肉が固くなることで骨盤を前に引っ張り傾けて、それによって腰が反ったままになってしまっています。
●片足を曲げて反対の足を伸ばし、両手を体の後ろにおいて床に座ります。
太ももの表にツッパリを感じたらその状態で15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●大腿筋膜張筋のストレッチ
太もも外側にある筋肉で、反り腰の方は普段から立つときなどにこの筋肉を多用して姿勢を維持しています。
この大腿筋膜張筋は足から骨盤についており、多用することで固くなり骨盤を引っ張り反り腰を定着させてしまっています。
●立ち上がって、伸ばしたい側の足を反対の足の後ろへ交差させます。
その状態から腰をゆっくり伸ばしたい側に移動させていきます。
太もも外側にツッパリ感を感じたらその状態で15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
まとめ
姿勢が良いと言われるに腰痛がある方の痛みの原因について色々お伝えしてきましたが、腰痛予防に姿勢は大切ですがそれだけが腰痛の原因ではありません。
姿勢が良いのに腰痛が出てしまう…と悩んでいる人は、まずは姿勢以外で日常生活で腰痛を出してしまうような習慣がないか見直してみてください。
そしていくら周りから「姿勢が良い」と言われても、そう言ってくれる人は体については、それほど知識のある方ではないかもしれません。
パッと見は姿勢が良く見えても、上記のように腰が反ってしまっている方は多々多々いらっしゃるので、一度自分も反り腰になっていないかチェックしてみてください。
反り腰だった場合はお伝えした改善方法を継続して頂くことで、本当に姿勢が良くなり腰痛が今までより軽減していくはずですので参考にしてみてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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