ヒールは腰痛にいいのか悪いのか?
腰痛持ちだけどヒールを履くとやっぱり腰に良くないのかな…と悩んでいませんか?
私は男性なのでヒールをはく機会はないんですが、時々当店に来られたお客様に「ヒールをはくのってやっぱり良くないんですか?」といったことを聞かれます。
そこでは当然そのお客様の身体の状態に合わせてお話させてもらうんですが、まぁほとんどの方に「そうですね」といった事をお話します。
例えばインターネットでも「腰痛 ヒール」なんて検索すればほとんどヒールが腰痛に良いといった事が書いてあるサイトを見る事はないでしょう。
あっても、ヒールをはいても腰痛にならないための対策みたいなものぐらいだと思います。
じゃあやっぱりヒールは腰に良くないんだ…という結論になりそうですが、ちょっと待ってください。
実はそうとも言い切れないんです。
ここでは少しそのあたりについて深い話をさせていただきます。
どうしてヒールは腰に良くないと言われるのか?
そもそもヒールが腰に良くないといわれるのは、いくつかの理由があるんですが、その中でも腰とかかわりの深い理由についてお話します。
反り腰になりやすい
まずはヒールを履くと体が前に傾いてしまうからです。
これはヒールをはけば踵が上がるために次第に人の身体は前に傾いてしまいます。
そうするとそのままでは前に倒れてしまうので体をまっすぐに保とうと体を反らし始めるんです。
で、反らしやすいのが腰のあたりになるので腰を反らしてしまうんです。
反り腰とか言われる状態ですね。
当然本来よりも反りかえった腰は常に負担が腰の筋肉にかかってしまうために痛みが出やすくなります。
膝が曲がりやすい
次に膝が曲がりやすいからです。
これはつま先立ちの状態でバランスをとるために重心の位置を低くしたり、変えようとしてそのために膝を曲げてしまいます。
で、膝が曲がると膝の関節は不安定になりそれを補うために太ももの表や裏の筋肉、ふくらはぎの筋肉を使って膝の関節を安定させようとするためにそういった筋肉にかかかる負担が大きくなります。
そうやって負担がかかった足の筋肉は次第に硬くなっていってしまいます。
足の筋肉は腰のクッションのような働きもしていて、その筋肉が硬くなるということは、腰のクッションの性能が落ちるために腰にかかる負担が大きくなるということです。
こういった理由でヒールを履くと腰痛が出やすいと言われています。
ハイヒールで腰痛予防ができる!?
言われてるんですが、最近では特に美容なんかの面でハイヒールをはくと体型が崩れないとか、おなかが引っ込むとか、足が引き締まるとか言われることがあります。
これもね、体の構造から言うと決して間違っていないんです。
ハイヒールを履いた状態できちんと正しい位置に重心を持っていき、お腹やお尻に力を入れることで先ほど書いたように腰を反ったり膝を曲げたりしなければ、姿勢を良くしたり体型を整える筋肉を鍛える事が出来るんです。
そしてその姿勢を良くしたり体型を整える筋肉ってのは腰痛予防に関係する筋肉で、ハイヒールを履いてもその履き方によっては腰痛になるどころか、腰痛予防の筋肉を鍛える事ができるということなんです。
ようは薬みたいなもので、使い方を間違えれば腰痛になるし、使い方さえ気を付ければ腰痛が出にくい体になるための道具になるんです。
ハイヒールは必ずしも腰に悪いことはない
なので、ヒールを履くのは良くないかっていえば本当は必ずしもそうとは言えないということです。
ここで重要になってくるのはあなたの身体の状態です。
すでに腰痛が出てたりする場合はやはりその腰をかばって膝が曲がったり背中を丸めたりしてしまうので、腰痛は悪化しやすいのでおススメはできません。
また腰痛はまだ出ていなくても体の状態が腰痛がいつ出てもおかしくないって時にはヒールがきっかけで腰痛になることだってあります。
そうではなくあなたが整体や運動などで体を整えて歪みを減らした状態なら、ヒールを履くことで腰痛が出にくい体を作ることができるので、こんな時はヒールを履くこともありだと思います。
しかしこんな時でも、一度は専門家に歩き方などを指導してもらうほうがいいですね。
自己流で先ほど書いたように腰が反ったり膝が曲がってしまうとだんだん腰に負担が蓄積していってしまいますので。
ハイヒールで歩く時の注意点
ここでは使い方によっては腰痛をだしたり、反対に腰痛を予防することもできる、ハイヒールを履いて歩く時の注意点についてお伝えしていきます。
●重心はくるぶしの下
先ほどお伝えしたように、ハイヒールを履くとどうしても重心が前にいってしまいがちになります。
そうすると腰は反ってしまい腰痛が出やすくなるので、重心は最も姿勢を正しやすいくるぶしの下に置くようにしてください。
●膝、踵、ふくらはぎをくっつける
足が開いてしまうと骨盤をゆがめてしまったり、腰痛予防の筋肉を使えなくなってしまいます。
イメージとしては太ももで1枚の紙を挟むように立っていただくと、正しい筋肉を使うことができます。
●ひざは正面を向ける
膝が内側や外側を向いてしまうと、足がねじれて骨盤が歪んでしまい腰痛が出やすくなります。
なので膝は正面を向けるようにしてください。
●膝を曲げない
バランスをとるために膝は曲がりやすくなりますが、膝を曲げると背すじが丸まって腰に負担がかかりやすくなるので、一歩一歩膝を伸ばして歩くように意識してください。
●背すじを伸ばす
背中が丸まると腰にかかる負担が増えてしまうので、お腹やお尻に力を力を入れて、背すじは伸ばすようにしてください。
まとめ
ヒール一般的には腰に悪いと言われがちですが、実際はその履き方で腰痛にもなるし、腰痛予防にもなります。
一概に腰に悪いものだと言えないんですが、きちんと扱うためにはそれなりの知識と慣れが必要です。
なので上でお伝えした、ヒールを履いている人が腰に負担をかけやすいポイントや、ヒールを履くうえでの注意点を参考にして頂き、良い面を引き出せるように努めていってください。
実際に正しくヒールを履きこなせている方は腰痛なしで、スタイルをキープすることにも役立たせておられますいので。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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