猫背をなおそうとすると腰が痛いのはなぜ?
あなたは猫背を治そうと背すじを正すと腰が痛くなってしまうということに悩んでいませんか?
当店に来られる方で座った時や立ってる時なんかも背中が丸く、いわゆる猫背になっている方は珍しくありません。
ただその猫背の状態のままだと、いくら肩こりや腰痛に悩んで来店されていて肩や腰に施術をおこなっても、腰痛や肩こりはなかなか改善していきません。
というのも、猫背っていうのはそれほど肩や腰に負担をかけてる姿勢で、それが普段から習慣になっていると、いくら体をと整えてもまたすぐに腰や肩周辺の筋肉に負担がかかってしまい、硬くなり痛みやこりを生んでしまうからです。
なので当店では良い姿勢のとり方やポイントも施術と同時にお伝えして、それを普段の生活でも実践してもらいながら施術を重ねていくんですが、中には施術をおこなって間もない方で、良い姿勢をとることで腰に痛みを感じるといった方もいます。
これは立ったままの状態だけでなく、座って背すじを正したときに痛みを感じられる方もいます。
正直その方の痛みが強い弱いや、痺れるダルイといった症状の度合いはおいといて、体の状態から言うとかなりの重症ですね。
本来なら一番負担の少なくなる姿勢で痛みが出てしまうんですから。
でもどうして姿勢を正して猫背をなおそうとすると腰痛が出てしまうのか?
今回はその原因と対処法についてお伝えしていきます。
本当に良い姿勢?
ではなぜ猫背をなおそうとすると痛みが出てくるかっていうと、いくつか理由はありますが、そもそもあなたの猫背をなおすために背筋を伸ばした姿勢は本当に良い姿勢ですか?
これはよくよくいらしゃるんですが、ほかの記事でも書いてますが、背筋を伸ばすというのは決して胸を反らすことではありません。
胸を反らせてしまうと腰の背骨のカーブは大きく反ってしまい、それによって腰に痛みを出すことがあります。
例えばこれは良い姿勢のように思うかもしれませんが、胸を張ることで腰が反ってしまっています。
こんな形で。
これってどうですか?確かに猫背ではなくなりましたが本当に正しい姿勢ではないですよね。
つまり誤った姿勢(猫背)から違う誤った姿勢(胸を張り腰を反らした姿勢)に変わっただけで、誤った姿勢というのは体のどこかに過度に負担がかかってしまいます。
この場合なら、猫背になって首や肩の筋肉に負担がかかっていたのが、腰に負担がかかる姿勢になってしまっただけなんです。
本当に猫背をなおしたときに正しい姿勢がとれているのか?鏡などで横から映った自分の姿勢を一度確認してみてください。
対処法
このように胸を張ろうとして腰が反ってしまっている場合は、まず姿勢を正すというのは胸を張ることではないと認識してください。
そしてお尻の穴を引き締めるようにお尻を閉め、下腹に力を入れてお腹を縦に伸ばすイメージをもってみてください。
そうすると胸を張らなくても自然と背すじは伸びてきます。
重心の位置を間違っていませんか?
他にも重心の位置が悪かったりしても、その状態で背筋を伸ばそうとすると上の絵のように腰が反ってしまって痛いなんてこともあります。
特に重心の位置が本来よりも前にある場合なんかは。
一度立って確認してみてください。あなたは足の裏のどのあたりにたい体重をのせていますか?
足裏の真ん中やそれよりつま先の方にのせていませんか?反対にかかとの方にのせていませんか?
このような足の裏の場所に重心をのせてしまっていると、猫背をなおそうと姿勢を正したときに腰痛が出てしまうことがあります。
対処法
足裏の重心をかける位置は本来、すねの骨の下でくるぶしの下あたりなんです。
この部分に重心を持っていき、姿勢を正すことで腰痛が出にくくなります。
体が歪んでいる
中には上記のようなポイントを意識して良い姿勢をとっているのに、腰が痛くなるといった方も確かにいます。
そういう方っていうのは、よくよく言われる身体自体が大きく歪んでしまっている状態なんです。
体の歪み自体も、良い姿勢を意識して続けることだけで反対に良くなっていくことは多々あるんですが、もともとの歪みがひどいとそもそも良い姿勢をとるのがつらく続かないので、そんな時はまずその歪みを作っている原因を改善していくことで、猫背をなおす良い姿勢をとっても腰痛なくとれるようになります。
体の歪みやその原因は人によって当然が違うので、しっかりあなたの体をみせていただかないと、これが原因とは言い切れませんが、ここでは良く見る猫背をなおすと腰痛が出る人の歪みの原因について書いていきます。
その歪みの原因として多いのが大腰筋という筋肉が硬く縮んでしまっていることです。
大腰筋とは背骨からお腹側を通って足につく筋肉の事で、下のイラストの赤線の部分にある筋肉です。
この筋肉が硬くなってしまうと骨盤は前に傾きます。
猫背を改善して良い姿勢をとるためには、この前に傾いた骨盤をもとの位置に戻す必要があるんですが、大腰筋が硬く縮んでしまっている人は猫背をなくそうと骨盤をもとの位置に戻そうとすると、この固く縮んだ大腰筋が急激に伸ばされることになりその時に腰に痛みを出してしまいます。
猫背を治そうとすると腰に痛みが出るという方によくよくある原因の一つです。
対処法
なのでこの時はまず、ゆっくり大腰筋を体操なりストレッチなり整体なりで緩めて伸びるようにしていくことが大切ですね。
それと骨盤の前傾を助長させる太ももの筋肉も同時に緩めてあげるとなお効果的です。
そうしていくことで猫背を治そうとしても腰に痛みが出る事はなくなってきます。
ここでは大腰筋と太ももの筋肉のストレッチについてお伝えします。
●大腰筋のストレッチ
上向きに寝て、片足を胸の方へ曲げていきます。
そこからさらに両手で曲げた足の膝をもち肩の方に抱え込んでいきます。
この時反対の足は伸ばしたまま床から離さないようにしてください。
そうすると赤線で囲ったあたりが伸びてきますので、そこで15~20秒キープ。これを左右交互におこなってください。
●太もものストレッチ
方足を正座するように膝を曲げ、反対の足を伸ばして座ります。
両手は体の後ろについて、少しずつ両手をさらに後方に移動させながら体を後ろに倒していきます。
曲げている足の太もも表にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。これを左右おこなってください。
骨盤が後傾している
先ほどは骨盤が前傾していると、猫背を治そうと姿勢を正したときに腰痛が出やすいとお伝えしましたが、反対に骨盤が後ろに傾いてしまっている時も、姿勢を正そうとすると腰痛が出やすいんです。
というのも、骨盤が後傾している人が姿勢を正そうとすると、
このようにお腹を突き出して猫背を改善させようとされる人が多く、腰が反ることによって負担がかかりやすくなって腰痛が発生してしまいます。
対処法
この場合は、骨盤の後傾を改善する必要があり、そのためのポイントは骨盤を後ろに引っ張るお尻の筋肉と、太もも裏の筋肉を緩めてあげることです。
ここでは、お尻と太もも裏の筋肉のストレッチをお伝えします。
●お尻のストレッチ
椅子に座り、片足をまげて持ち上げ、反対の足と交差させて椅子の上にのせます。
そこから両手で曲げた足をもって自分の胸の方に近づけていきます。
お尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右おこなってください。
●太もも裏のストレッチ
片足を伸ばして、反対の足を胡坐をかくようにまげて座ります。
そこから腰を丸めないように注意し体を前に倒していってください。
足の裏にツッパリを感じたら15~20秒キープしてください。
まとめ
このように猫背を治そうとすると腰に痛みが出るといった時には、そもそも正しい姿勢ではなかったり、骨盤の歪みなどが存在していることが多いんです。
決してあなたの体が正しい姿勢に向かない体ではなく、正しい姿勢をとれない理由が存在するので、「自分には正しい姿勢が合わないんだ…」とあきらめないでください。
まずは猫背をなおすと腰痛が出る場合は上記を参考に、姿勢を正してみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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