歩きすぎた後の腰痛がなかなかとれない理由
いつもより歩きすぎた後に腰が痛くなった。
久しぶりに運動した後からだんだん腰痛が出てきた。
旅行先であちこち観光して帰ってきたあたりから腰に痛みが出てきた。
こういった歩きすぎた後に腰痛がでる事って結構あると思います。
で、やっぱり久しぶりに動きすぎて腰の筋肉の疲労で痛みが出ているのかなとマッサージにいって腰をもんでもらったり、電気を腰に当ててみたり湿布を貼ってみたり、腰に鍼をうってもらったけどそれでもすっきりしない…
まぁ、マッサージが疲労をとるのに本当にいいのか?
激安と謳っているお店なら、そもそもそれをおこなう方が働いて1週間や1ヶ月の方できちんとした知識もないなど、そういった問題もありますがそれはいったんおいといて。
どうして歩きすぎた後、腰痛がなかなか取れないのか?今回はその理由についてお伝えしていきます。
歩き方の問題
やはり歩きすぎた後に腰痛がなかなかとれない原因に歩き方があります。
歩き方が悪いと、一歩一歩腰にダメージを与え続けているようなもので、それが長時間続いてしまうことで腰周りの筋肉は疲労して硬くなり、簡単には腰痛がとれなくなってしまいます。
ここでは歩きすぎた後に腰痛を起こしやすい歩き方についてお伝えしていきます。
●姿勢が悪い
姿勢が悪いと腰痛になるといったことは最近ではちょくちょく言われていますが、これは歩くときも同じで、崩れた姿勢で歩くことで腰には大きな負担がかかり腰痛になってしまいます。
よく見かける歩くときの姿勢が、背中を丸めて猫背になって歩いている人です。
猫背で歩くと本来背骨のもつS字カーブが崩れて、腰椎(腰の骨)の前弯のカーブが減少してしまいます。
本来であればこの腰椎の滑らかな前弯のカーブがクッションのような働きを担い、上半身の重たさを分散し腰だけにかからないようにしてくれたり、歩いた時の床からの衝撃を和らげてくれているんですが、その腰椎のカーブが減少・消失することで腰にかかる負担が大きくなり、その状態で歩きすぎてしまうと腰痛を引き起こしてしまいます。
また他にもたまに見かけるのが、腰が反ってしまった状態で歩いている人です。
この姿勢も腰椎のカーブが増強してしまい、クッションの働きが低下してしまうため、歩いた後に腰痛を起こしやすくなります。
●歩くときに膝が曲がっている
慣れないヒールをはいていたり、年配の人に見ることの多い歩き方ですが、膝を曲げたままで歩く歩き方も腰痛を起こしやすくなります。
膝を曲げて歩くことで大腰筋などの体幹の筋肉をあまり使えず、足の筋肉を酷使してしまうため、この歩き方で長時間歩きすぎると、足の筋肉が必要以上に疲労して硬くなり、骨盤を引っ張りだして骨盤の歪みを作り出してしまうめ、腰にも負担がかかりやすくなり、歩きすぎた後に腰痛を起こしてしまいます。
●がに股や内股で歩いている
男性に多いがに股や女性によく見かける内股で歩きすぎることも腰痛を起こす原因となります。
がに股というのは太ももの骨が外に捻じれて股関節にも捻じれが生じます。
反対に内股は太ももの骨が内に捻じれてこれも股関節に捻じれが生じます。
すると骨盤はその捻じれた股関節に合わせて関節が外れないように前や後ろに傾いてバランスをとるため、結果上記でお伝えしたように腰椎のカーブが崩れ、腰に負担がかかりやすくなって歩きすぎた後に腰痛を起こしてしまいます。
●サンダルなどかかとのない靴で歩いている
歩き方ではないかもしれませんが、サンダルなどかかとのない靴を履いて歩くことも腰痛の原因となります。
サンダルなどは脱げないように足を上げずに引きずるような歩き方になるため、足の筋肉を酷使し、これによって足の筋肉が疲労を起こすと骨盤を歪めて腰の負担を増やしてしまいやすくなるためです。
●重たい荷物を持って歩く
これも歩き方ではないですが、歩くときに重たい荷物(鞄)を持って長時間歩きすぎることで腰痛を起こしやすくなります。
荷物を持つときには、荷物を持っても体が崩れないように背中の筋肉や背骨に沿った筋肉が必要以上に働きます。
これらの筋肉が長時間歩きすぎることによって疲労すると、腰に付くところで痛みを出したり今まで支えてくれていた筋肉の代わりに腰周りの筋肉を固めて体を支えるようになるため、歩きすぎた後に痛みを起こしてしまいます。
特に方側の腕ばかりで荷物を持ち続けたり、同じ肩にばかり荷物をかけ続けることで、片側の筋肉ばかりが疲労しやすくなるため姿勢も崩れますます歩きすぎた後に腰痛を起こしやすくなります。
歩きすぎた後に腰痛を起こさないための歩き方
ここからは歩きすぎた後に腰痛を起こしにくくするためのポイントをお伝えしていきます。
●歩き出す前に立った時に耳・肩・腰・くるぶしのラインが一直線になるように姿勢を正す。
●正した姿勢を維持する為にも、お腹に少し力を入れてお尻の穴を閉める様にする 。
●がに股や内股にならないためにも足を前に出すときに、膝の向きが正面を向くようにする。
●ちょこちょこと歩幅が狭いと足の筋肉ばかり使ってしまうため、ある程度歩幅を大きくする。
●歩幅を大きくするためにも、足を上に上げるよりも、後ろの足でしっかりと地面をけるように意識し、この時膝が曲がったままにならないように伸ばす。
●腕を前にふると猫背になりやすいため、軽く肘を曲げて肘を後ろに引くように腕を振る
●足の付け根が股関節ではなく、お臍の少し下から生えているようなイメージを持つ。
●肩が丸まって前にでないように胸を開く。
腰だけが腰痛の理由じゃない!?
上記のような歩き方は腰にかかる負担が大きくなるため腰痛を起こしやすくなりますが、歩きすぎた後に腰痛が出たからといって腰のケアばかりしてもなかなか良くならないことがあります。
なぜ歩きすぎたあとの腰痛がなかなか治らないかと言うと、そんな時は腰の疲労だけで腰痛が出ているんじゃないんです。
腰の筋肉自体も疲労しているのはしているでしょうが、なかなか腰痛が欲張らない時に目を向けてみてほしいのが足やお尻の筋肉なんです。
歩くという動作は腰だけではなく、足やお尻の筋肉も非常によく使うために疲労し硬くなってしまいます。
そしてその足やお尻の筋肉が疲労し硬く縮んでうことで、腰痛を出している方も多いんです。
なぜお尻や足が腰痛の原因になるのか?
どうして腰痛なのに足やお尻?って思われるかもしれませんが、これらの部分は歩くという動作や腰と非常に関係が深いんです。
ここからは歩きすぎた後の腰痛と関係の深い、お尻や足の筋肉についてお伝えしていきます。
ふくらはぎが固くなると腰の負担が増える
まず足ですが、足の中でも特にふくらはぎ、ここが固くなってしまうと足首の動きが悪くなってしまいます。
ほんとに単純なんですが、一度足首を動かさずに歩いたりしてもらうと、いかに腰に衝撃が響くがわかると思います。
本来は地面からの衝撃をある程度ふくらはぎがクッションとなって吸収してくれるんですが、足首の動きが悪くなるとその衝撃を吸収できず、それが腰にかかってしまいます。
また、歩く時に使う筋肉も変わり、これが腰の場合ふくらはぎが柔らかければ腰回りの筋肉を5使うとすれば、
ふくらはぎが硬くなるとしっかり地面をけれなくなり、足を前に出すために腰の奥の筋肉を使ったり、ふらつかないようにバランスをとるために腰回りを固めたり、10働かなければならなくなって、その多く働くことになった分が腰痛になるんです。(5とか10という数字は適当です)
「でも、私の足首そこまで硬くなっていないけど…」って方も多いはずですが、ふくらはぎが硬くて腰に負担がかかるのは何も歩いている時だけではなく立っているだけでもそうなんです。
つまり生活で何かの動作をするときにふくらはぎが硬いとクッションが効かない状態なのでその分腰にわずかに負担が増える。
これが積み重ねられる事によって腰の筋肉の疲労が抜けずに痛みが長引いてしまっています。
またふくらはぎは第二の心臓と呼ばれるくらい血液の流れにも大きく関わっています。
そのため、歩きすぎて足の筋肉が疲労して硬くなってしまうと、血液の流れを促す働きができなくなってしまうため、腰を含めた体の血液の流れが悪くなり、それによって疲労物質が腰に滞り腰痛を出したり、自然治癒力が低下して腰痛がいつまでたっても治りにく状態になります。
骨盤を支えるお尻の筋肉
また、お尻の筋肉は骨盤を通して腰を支えています。
お尻の筋肉が疲労し固くなることで、骨盤を支えられなくなり、腰が丸まったり反ってしまいます。
上の写真のようにです。
上記でもお伝えしましたが、姿勢は腰痛に大きく影響を与え、腰を丸めて動いてもらったり、反らして動いてもらうとわかりやすいんですが結構腰周辺がしんどいと思います。
このようにお尻の筋肉が歩きすぎて疲労すると姿勢が悪くなりやすくなるため、腰痛がなかなか治りにくくなります。
またお尻の筋肉は、上半身の重たさを腰だけにかからないようにクッションのように分散したり、地面からの衝撃を腰にかからないように吸収してくれるサスペンションのような働きを担っています。
これが歩きすぎでお尻の筋肉が疲労し硬くなると、それらの働きができなくなるため、腰にかかる負担が大きくなり腰痛を起こしてしまったり、腰痛がなかなか治りにくくなる要因になります。
これは腰痛だけに限らず、なんだかいつまでたっても疲れが抜けきれないって時も、ふくらはぎやお尻の筋肉がが硬くなってしまっているのが原因もことが多々あります。
お尻やふくらはぎの筋肉のケアする方法
なので歩きすぎた後、腰痛になった時は腰だけケアしてあげるんじゃなくてふくらはぎやお尻もおこなってあげてください。
それによって、いつもより歩きすぎた後や、運動の後に痛くなったなかなか治らない腰痛や抜けきらない疲労が回復していきますので。
ここでは足とお尻のケアする方法としてストレッチをお伝えします。
ふくらはぎのストレッチ
●片足を伸ばして、反対の膝を曲げて座り、伸ばした足の足首を90度立てます。
そこから身体を前に倒していきふくらはぎにツッパリを感じたところで15~20秒キープしてください。
お尻のストレッチ
●床に座り両膝を曲げて、両手を体の後ろに置きます。
両手で身体を支えながら、片足を反対の足の太ももから膝あたりの位置にのせます。この状態で15~20秒キープします。
膝の角度を狭くするほどお尻の筋肉が伸びるので無理をしすぎないよう調整してください。
どちらのストレッチもポイントは腰が丸まらないように気を付けることです。
歩きすぎた後に腰痛がなかなか治らないという方は参考にしてください。
背中の筋肉が歩きすぎた後の腰痛の原因の時もある
他にも上記で少しお伝えしましたが、背中の筋肉も歩きすぎた後に腰痛がなかなか治らない原因になっている時があります。
重たい荷物を持ったりするときには背中の筋肉も酷使され、そのまま長時間歩くことで段々と疲労し硬く緊張し痛みを起こし始めます。
背中の筋肉は腰から腕にまで続いているため、疲労が溜まって硬くなれば腰に付く部分で痛みを出し続けたり、背中の筋肉が歩きすぎによって硬くなれば、普段から背中が丸まった姿勢になりやすくなるため、腰痛が治りにくくなってしまうんです。
なので歩きすぎた後、特に荷物を長時間持っていた時には、腰やお尻、足と共にケアを行ってください。ここではケアの方法としてストレッチをお伝えします。
背中のストレッチ
●片手を頭の上に挙げて肘を曲げて背中にまわし、反対の手で背中にまわした腕の肘を持ちます。
そのままの姿勢で体を肘を持った腕の方へ倒して、背中を伸ばしていき、そのまま15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
体を横に倒す時には背中が丸まったりしないように、背すじを伸ばしたまま、真横に倒してください。
まとめ
歩きすぎた後になかなか腰痛が治らないと悩んでいる人もいると思いますが、その腰痛の原因となるのがやはり歩き方です。
姿勢が悪かったり、がに股や内股で歩いていたり、膝を曲げていたり、重たい荷物を持っていたり、こういった歩き方は腰痛が起こりやすくなるため、気を付けてください。
また腰痛がある場合、どうしても痛みのある腰に目がいってしまいますが、歩きすぎた後の腰痛は腰だけが原因で起こっていません。
なので腰のケアだけすることが、腰痛がなかなか改善しない理由でもあるます。
そして歩いた後の腰痛の原因になるのがお尻や足の筋肉、時には背中の筋肉で、この部分を腰と一緒にケアしてあげることで、腰痛が改善しやすくなります。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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