頭の位置を正しくするために必要なこと
頭の位置が悪いと首・肩こりの原因になるって言われるから、意識しているけれどなかなか気を抜くと元に戻ってしまう…と、悩んでいませんか?
最近では時々テレビや雑誌などでも言われることがあるので、肩こりの方で頭の位置を気にされている方はいると思います。
そして一般的によく言われるのが、頭が前に出ないようにといったことです。
これは本来の頭の位置であれば背骨の上に頭が乗っかっているため余計な力がなくても頭は支えられるんですが、単純に頭の位置が前に出てしまっていると、その前に出た頭を落とさないように首や肩の筋肉に力が入ってしまい、それが肩こりの原因になるからです。
上のイラストを見てもらっても、左の人より頭の位置が後ろの右の人のほうが、首が楽そうでしょ。
ただ頭の位置を正した方がいいのはわかっていても、なかなか思うように正しい位置で頭を留めることができない…なんて方も少なくないでしょう。
そこで今回は頭の位置を正しい位置にするために必要なことについてお伝えしていきます。
どうして頭の位置がずれると肩こりがでる?
上記で少し触れましたが、もう少し詳しく頭の位置と肩こりの関係についてお伝えしていきます。
そもそもどうして頭の位置がずれてしまうと肩がこってしまうのか?なんですが、ポイントは先ほどお伝えした頭を落とさないようにすることと、頚椎(首の骨)のカーブです。
頭の位置で首や肩にかかる負担が変わることをもう少し簡単お伝えすると、
上の2つの写真を比べてもらって、どちらの方が荷物を楽に支えることができそうですか?
もちろん荷物が体の真上にある下の写真の方ですよね。
頭の位置が悪く前に出てしまっている状態というのは、上の写真のように荷物を斜め前で支えているような状態で、こうなると腕の筋肉が相当頑張って働かないといけないように、頭の位置もずれてしまうと首や肩の筋肉が同じように頭を落とさないよう、相当働かないといけないんです。
これが下の写真のように腕を上に真っすぐ伸ばした状態の上に荷物があれば、筋肉だけでなく骨や靭帯もの持つを落とさないための支えとして働くことができるため、腕の筋肉にかかる負担が少なくなります。首や肩の筋肉もこれと同じで負担が減るため、肩こりを起こしにくくなります。
さらに頭がきちんと背骨の上にある時には、頚椎は前弯の滑らかなカーブを描いています。
このカーブが頭の重たさを首や肩の筋肉だけにかからないよう、吸収・分散しれくれるクッションのように働いてくれるんですが、頭の位置が悪くなり頚椎のカーブが減少すると、クッションの役割を担えなくなるため首や肩の筋肉にかかる負担が増えてしまいます。
これが肩こりの時には頭の位置を正そうと言われる理由です。
一般的に言われる姿勢の正し方
一般的に言われる頭の位置の正方で多いのが、「顎を引きましょう」や「目線を上げましょう」だったり、ちょっと変わったのなら「頭に糸がつながっていて上から引っ張られているように」なんてのもあります。
確かにこれらで頭の位置が正しいところにもって来られる方もいますが、みんながみんなうまくはいきません。
これは頭は宙に浮いているのではなく、足から腰、背中とつながっているため、頭以外の部分の影響を大きくうけるためです。
それなのに、頭の土台となる体をほったらかしにして、頭の位置だけをどうにかしようとするから、思うように位置を正せないんです。
大切なのは骨盤と重心
上記のように頭の位置は、頭以外の部分の影響を大きく受けるため、頭以外の部分がきちんと頭を正常な位置で支えられる状態である必要がるんです。
簡単に言えば、頭から下の姿勢が良くなければ頭を正しい位置で支えることができないということです。
もちろん頭の位置を正すことで全体の姿勢が良くなることもありますが、多くの場合頭の位置だけを正そうとすると、首や肩に変な力が入って余計肩こりや首コリが起こったり、持続ができません。
なので一般的に言われる方法でなかなか頭の位置を正せない人は、頭だけを意識するのでなく、体全体の姿勢を正すほうがうまくいきやすいです。
そして姿勢を正すために特に大切なのが、骨盤の歪みと重心の位置です。
正しい重心をかける場所
簡単に言えば平坦な地面に対して頭の位置が正しい場所というのは、床に対して体が直角に立っていて、その直角に立っている体の上に頭がのっかている状態です。(実際は人の体は背骨も真っすぐではありませんが、理解しやすくするために)
つまり重心の位置がずれてしまっていて、平坦な床に対して直角に立てていない時点で頭の位置を正すのは困難なんです。
これほど重心の位置というのは頭の位置に大きな影響を与えます。
そして地面と接する足裏の重心をかける位置は、土踏まずのやや後ろで、すねの骨の下あたりです。
これが足裏の真ん中やかかとよりに重心をかけてしまっていると、頭の位置を正すのが難しくなってしまいます。
姿勢の土台となる骨盤
そしてもう一つの骨盤は、頭を乗っけている背骨とつながっているため、まさに頭の位置を正すための土台となる部分です。
土台が歪んだり傾いてしまっていては、その上につながる背骨や頭の位置を正すことが難しくなってしまいます。
特に骨盤の歪みは開いたり閉じたりといったことより前後の傾きが大きく関わってきます。
例えば骨盤が前に傾いてしまうと、その上につながる背骨は腰の骨が大きく反ってしまい、バランスをとるために背中は丸まり頭の位置は前に行ってしまいます。
反対に骨盤が後ろに傾いてしまうと、腰から背中は丸まってしまい、これもバランスをとるために頭は前にいってしまいます。
つまり骨盤が前後に傾いた状態だと、顎を引こうが目線を上げようが、頭の位置がそもそも骨盤の傾きに対してバランスをとるために前にある状態なので効果が薄いんです。
なのでそれよりもまずは頭の位置を前に出してしまっている、骨盤を整えることが先決となってきます。
当然ストレッチや体操などのケアも首や肩だけではなく、骨盤が歪んでいる場合はその歪みの原因となる足の筋肉やお尻の筋肉といった、一見頭の位置に関係なさそうな場所のケアも必要となってきます。
たまに、肩こりなのに肩や首以外のストレッチや体操が進められる本やネットの記事がありますが、それはこういった理由です。
胸を開く
上記でお伝えしたように。重心をしっかりと脛(すね)の骨の下に持っていき、骨盤をしっかりと立ててた状態で、さらに頭の位置を正しやすくするために、胸を開いてあげることが大切になります。
これは一般的に巻き肩と言われるように、肩が前に出てしまった状態だと、その肩に引っ張られて頭も前に出やすくなってしまうためです。
ただでさえ、肩が前に出ると肩甲骨が外側に引っ張られてゆがんだ状態になるため、肩甲骨につく肩から首につながる筋肉が緊張して肩こりを起こしやすいのに、頭まで前に出てしまうとさらに肩こりを発生させやすくなります。
なので肩こりを改善するために頭の位置を正そうと考えているのであれば、肩の位置も正してあげるほうが効果的です。
そのために肩甲骨を少し寄せて胸を開けるように意識をもってください。
まとめ
肩こりや首コリの原因にもなる頭の位置。気にされている方もいるでしょう。
そんなとき、一般的なアドバイスで正せるのであればそれに越したことはありませんが、なかなかうまくいかない方も中にはいらっしゃいます。
これは頭が宙に浮いているのではく、足から腰、背骨とつながっているため、頭から下の体がきちんと頭を正しい位置にもってこられる状態でなければいけないからです。
そして頭の位置を正すためには簡単に言うと全身の姿勢を正す必要があり、その時のポイントとなるのが重心の位置と骨盤の歪みです。
頭の位置は大切です。大切だからこそ、その頭の位置を正すためにまずは重心の位置をただし、土台となる骨盤を整えるようにしてください。
そうでなければ、頭の位置だけ正そうとしても、筋肉で無理やり頭を引っ張る形になるため、結局肩こりも改善しにくいままになってしまいますので。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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