頸椎症、頸椎ヘルニアは
湿布で治る?治らない?
首や腕が痛くて病院に行って診察してもらうと、頚椎椎間板ヘルニアと言われ、湿布をもらって貼っているけれど全然症状がよくなっていかない…と悩んでいませんか?
頚椎症や頸椎ヘルニアで肩や腕まで痛みがあるという方の中には、湿布を貼っている人もいるでしょう。病院でも、薬と一緒に出されることが多いですし。
ですがそれでなかなか痛みや痺れが治らないなんて人も多いでしょう。この湿布、本当に頚椎症や頸椎ヘルニアを治すために効果があるのか?今回はそのことについてお伝えしていきます。
頚椎症・頸椎ヘルニアに湿布ってどうなの?
結論から言うと、湿布だけでは頸椎症や頸椎ヘルニアは治りません。
なんとなくイメージできそうですが、湿布を貼ったところで変形して神経を圧迫している骨が元に戻ったり、突出して神経を圧迫している椎間板が元に戻りませんよね。
つまりいくら湿布を貼っていたとしても、飛び出した椎間板や変形した骨は変化しないため、湿布を貼り続けても痛みや痺れなどの症状が変わらない人もいるんです。
当然、湿布には抗炎症作用や痛み止めの作用があるので全く効能がないということはありませんし、貼ることで痛みが軽減されている方もいるでしょう。
湿布は頸椎症や頸椎ヘルニアを治すためのものではない
確かに痛みは抑えてくれる効能はありますが、それでも湿布は頸椎症や頸椎ヘルニアを治すためのものではありません。
というのも、痛みがなくなる=治ったではないからです。
これは痛み止めの薬と同じことが言えますが、痛み止めの薬は痛みを止めるためのものなので、痛みは一時おさまるかもしれませんが薬が切れてきたらまた痛みを発症しますよね?
だって痛みの原因の部分は何も変化していないわけであって、その部分から発せられる痛みというサインを抑えてくれるだけなんですから。
だからといって湿布が無駄だと言うつもりもありません。頚椎症や頸椎ヘルニアの痛みは耐え難いものがあるでしょうし、それが一時でも減るのであれば頼りたくなる気持ちもわかります。
痛み自体が体にとっては強いストレスとなるため、そのストレスで症状がさらに悪化するという悪循環に陥るのを、一時的とはいえ痛みを抑えられるのであれば、ストレスによる悪化を抑えて自然治癒力を高め元の痛みの改善にも役立ちます。
まぁ、当店に来られる頸椎症や頸椎ヘルニアの方の多くは薬を飲んでも痛みが続いているので、経口摂取に比べ皮膚から浸透させる湿布は効果が低く、変化がないと言う方も多いですが、使用してみて痛みが減ると言うのであれば使用してください。
湿布を貼ることのリスク
少しでも痛みが減るのなら頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの時に湿布を使用して頂いていいと思いますが、痛みが変わらないのに貼る、また貼り続けるのはちょっと待ってください。
確かに湿布は他の薬などに比べればはるかに副作用は少ないですが、全くないものではありませんし、少なからずのリスクは存在します。
ここでは頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの時に湿布を貼ることのリスクについてお伝えしていきます。
1、内臓への負担
湿布には痛に止めの成分が含まれており、経口摂取するものよりはその量は少ないといっても、10枚貼れば薬を一日分摂取したのと同じだとも言われています。
つまり痛み止めの薬がそうであるように、湿布にも胃や腎臓といった臓器への負担は軽微ながらあると言うことです。
そのため痛みが軽減するのならいいですが、痛みは変わらないけれど気休めで貼ったりや、いつまでも貼り続けていいものではありません。
2、アレルギー反応
湿布に含まれるケトプロフェンなどの鎮痛成分には、「光線過敏症」という副作用があり、湿布薬を貼ったまま紫外線を浴びると、貼った場所に発疹、腫れ、かゆみ、水ぶくれなどの症状が表れることがあります。
これは最初は問題なくても、繰り返し貼り続けるこでアレルギー反応が出始めることもあります。
そのためやはりまったく頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの痛みが変わらないのに、なんとなくで貼り続けることはおすすめできません。
3、何かしているという安心感
私自身の考えではこれが結構厄介だと思うのが、湿布を貼ることで頸椎症や頸椎ヘルニアを治療している気持ちになってしまうことです。
その証拠に「何か治療などはされていたんですか?」という質問に対して「毎日湿布を貼っているんですが…」と話される方がいるくらいです。
先ほど書いたように、あくまで湿布は痛みという信号を抑えるものであって、それだけで頸椎症や頸椎ヘルニアを治すものではありません。
湿布を貼ることで治療している気になってしまって、その他の改善のための行動が減ってしまっては根本の原因は何も解決されず、元も子もありません。
湿布の利用方法
ここまでお伝えして知って頂きたいのは、湿布は頸椎症や頸椎ヘルニアを治すためのものではなく、湿布を利用し痛みを軽減させるとともに、改善させるための他の行動を一緒に行ってほしいということです。
例えば湿布を貼り痛みを抑えて軽くストレッチや体操を行って首や肩周辺の筋肉に柔軟性をつけてあげる。
日常生活の首に負担がかかる癖や習慣、姿勢を見直す。
時には整体院や治療院といったところで専門家の施術を受ける必要があるかもしれません。
このように、湿布は頚椎症や頸椎ヘルニアの改善のための行動を促すために使っていただけるのが有意義な使い方だと考えています。
頚椎症・頚椎ヘルニアの原因とは?
それじゃあ頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアを改善するためにはどうしたらいいのか?なんですが、これはその人その人で原因や症状も違うため一概には言えません。
ただ私が今まで多くの頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアを見せていただいた経験上、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアに悩む人で頚椎(首の骨)のカーブが減少してしまっている人が非常に多いということです。
本来頚椎には前弯のカーブが備わっていて、このカーブがクッションの役割を担い、頚椎に直接頭の重たさが加わらないように分散してくれています。
これが頚椎の前弯が減少もしくは消失してしまうことで、頚椎にかかる負担が大きくなり、骨が変形しやすくなったり、椎間板が潰れたり、首や肩の筋肉が緊張し硬くなることで頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの症状が起こってしまいます。
なのでこの減少してしまった頚椎のカーブを取り戻していくことが頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの改善のためには重要となります。
そのために普段の姿勢を改善したり、頚椎のカーブにかかわる腰椎や骨盤を整えたり、首の骨を引っ張る筋肉を柔軟にするために軽い運動で血液を巡らせたり、といったことが必要になるんです。
もちろん痛みや痺れなど症状の度合いによって、取り組むべきことは変わってくるため、できればやはり専門知識のある方と、二人三脚で改善に取り組むことが望ましいと考えています。
まとめ
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアに悩む人の中には、湿布を貼り続けているのに、全然良くなっていかない…と、悩む人も少なくないでしょう。
これは確かに湿布には抗炎症作用や痛み止めの成分があるため、痛みが軽減することはあっても、根本の原因に対しては何も作用していないためです。
もちろん痛みが湿布を貼ることで少しでも減少するのであれば貼っていただくほうがいいと思いますが、気休めやいつまでも貼り続けるのはあまりお勧めできません。
湿布といってもやはりわずかながら副作用があるので、まったく効果がないのに貼り続けていいのもではないと考えられるからです。
湿布の効果的な使い方としては、湿布を使用し痛みを軽減させながら同時に頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの根本的な原因に対して改善の行動をとることだと考えています。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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