椎間板ヘルニアの手術後に
痛みが再発する理由を考察
腰椎椎間板ヘルニアを治すための選択肢の一つに手術という方法があります。
病院で診断されて手術を進められていたり、考えている方もいるでしょう。
そんな時に耳に入ってくるのが「手術をしたのに痛みが治らなかった」「また腰痛が再発した」という話だと思います。
せっかく手術までしたのに思うような結果に結びつかないかもしれなければやっぱり手術はやめておこうかな…でも痛みを何とかしたいし…と、悩むこともあるでしょう。
実際に当店に来られる方の中にも、手術をしたけどその後また腰痛などが出てきたという方は何人もいらっしゃいます。
なので今回はそんな手術をしようか悩んでいる、又は手術した後に痛みが再発した方の気づきのヒントになるよう、腰椎椎間板ヘルニア後に痛みが再発する理由を考察してきます。
痛みの原因が椎間板ヘルニアではなかった
椎間板ヘルニアとは「身体で椎間板が飛び出てしまっている」事を示す言葉であって、痛みの理由ではありません。
たしかに、椎間板が飛び出さすと後ろを通る神経を圧迫し、それが原因で痛みを出していることもあります。
ですが、聞いたことあるかもしれませんが、腰痛や痛みのない方でも検査をすれば3割の人には椎間板の突出があると言われています。
この方たちは病院で検査をすれば椎間板ヘルニアと言われる状態ですが、痛みはないわけで、
このようにかならずしも椎間板ヘルニアと診断されたからと言ってそれが痛みの原因とは限らないんです。
当然、椎間板ヘルニアが痛みの原因でないならいくら手術をしても痛みが、治らなくてもおかしくないですし、
手術後は安静にして身体を休めたり、手術で傷つけた身体を回復させるために血液巡ったり、そういったことで痛みがいったんひいても、時間とともにまた戻ることも考えられます。
それじゃあなぜ椎間板ヘルニアがホントの痛みの原因でないなら、腰が痛かったり足からお尻にかけて痺れるような痛みがあったのか?と言うと、多いのは筋肉の問題です。
例えば太い神経って骨の間だけを通るものでなくて、いくつかの筋肉が神経の通り道を作ったりもしているんですが、その部分の筋肉が硬くなれば通り道は狭くなり太い神経を押さえだします。
そうすれば椎間板が飛び出したときのような症状が出ます。
また、太い神経でなくても小さな神経って体のあちこちに張り巡らされていますが、当然筋肉にも通っています。
筋肉が硬くなると、それらの筋肉の中を通る神経も圧迫され、それがお尻や足で起これば、椎間板ヘルニアでなくても痺れた様な痛みをお尻や足で発生させます。(もう少し詳しい説明はこちらをクリック)
腰椎椎間板ヘルニアが前と違う部分で発生
痛みが椎間板ヘルニアで出ていて手術で改善したとしても、以前と違う場所でまた椎間板が飛び出てしまったらどうですか?
この場合も当然以前と似たような症状が発生しますよね。
実際に今まで見せていただいてきたお客さんの中にも一度、椎間板の手術をして、その1年たたない間に前回の上の部分でヘルニアが起こりもう一度手術をした方もいました。
どうしてこういう事が起こってくるのか?と言うと、腰椎椎間板ヘルニアは簡単に言えば事故やケガを除けば、日常生活で腰に負担が積み重なって発生します。
手術でいくら椎間板が飛び出た部分を取り除いても、その椎間板が飛び出た原因の日常生活で腰に負担がかかる部分が改善できていなければ、また手術した以外の椎間板に同じように負担がかかり飛び出てもおかしくありません。
この腰に負担がかかる原因はいろいろあるのでここですべてあげることはできませんが、
例えば毎日デスクワークで腰を丸めて座っていたり、運動を含め身体を動かすことが少なかったり、身体が歪んでいて姿勢が悪かったり等々ですね。
手術後、腰椎椎間板ヘルニアではないが腰痛が発生した
椎間板ヘルニアの手術後に、ヘルニアではないけれど、強い腰痛が発生することもあります。(手術で腰を強化するわけではないので)
腰痛が発生すること自体はよくあることですが、
腰椎椎間板ヘルニアを発生されたことのある方は先ほどの理由に近いですが、腰に負担のかかりやすい生活を続けられていたわけです。
腰椎椎間板ヘルニアでなくても腰痛を発生させる可能性は高いと言えます。
手術後、身体を動かすことが減って筋力が落ちた
椎間板の手術後は入院したり安静にする期間がありますよね。
特に若い方より歳をとるごとに、入院期間や安静にする期間は長くなる傾向にあります。
歳をとるとそれでなくとも筋肉は落ちやすくなっていて、そこに入院や安静によって筋肉が落ちてしまえば、ちょっと動きすぎただけで腰が痛くなったり、
正しい姿勢で身体を支えられなくなり、それで腰に負担がかかり腰痛になったり、
モノを持つときも、それに耐えきれず腰痛が出てしまったりすることは十分考えられます。
また筋肉が落ちる事で、手術以前は歩いたり身体を動かす機会があったのが、動くのがしんどくなり普段から身体を動かすことが減れば、それも腰痛の原因となってしまいます。
手術がいいとか悪いとかじゃなくて…
腰椎椎間板ヘルニアの手術をしたのに、腰痛などの痛みが再発する原因として多いのは、上にあげた様な事が考えられます。
手術を否定するつもりはありません。ですが、手術をしても痛みが再発することはあることも確かです。
筋肉の問題で痛みが出ているのであれば、手術よりも整体などで身体を整えていけば改善すると考えられますし、
筋肉が弱って痛みを出しているのであれば、ジムへ行ったり体操などを続ける事で良くなることも考えられます。
どの選択が必ずしも正解というものはありません。
それこそ、その人その人によって変わってくるものでしょう。
だからこそ思うのが、「自分で納得のいく選択」をすることだと思います。
こんなとき、「悔いの残らない選択」なんて比喩されることがありますが、私が思うにどんな結果であれ悔いは残るものだと考えています。
たとえ痛みがとれたとしても、手術しなくても他の方法があったんじゃないか?整体で痛みはなくなったけど手術でヘルニアを切ったほうが再発しにくかったんじゃないかな?運動で痛くなくなったけど他の方法ならもっと早く良くなってたんじゃないか?
といった具合に選んだ選択に対して心残りは出てくるものです。その時は良くても後々思う事もあるでしょう。
そうではなく、どんな結果であれ、たとえそれが自分の願っていた結果でなかったとしても、自分で選んだ事だからと納得できる選択をすることが大切だと考えています。
そうやって納得できれば、たとえ思うような結果(今の場合、腰椎椎間板ヘルニアの痛みが治らなかったり、再発してしまったり)が得られなかったとしても、そのあとまた気持ちを切り替え立ち上がれる事ができるものだと考えています。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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