飲食業の厨房で働く方の
腰痛の原因と改善方法
飲食業の厨房で仕事をされている方には腰痛の方がかなり多いです。
立ちっぱなしですし、時には重たい荷物を運ぶこともあるでしょうし、長時間軽い前傾姿勢で仕事をこなさなくてはいけませんし。
ただ、同じ腰痛であっても、厨房での作業も料理のジャンルによって異なるでしょうし、利き腕や利き足など体の使い方も違うので原因も様々です。
今回は一般的によくあてはまるであろう、飲食業で起こる腰痛の4つの原因と対策をいくつかお伝えしていきますので、腰痛もちの方は参考にしてみてください。
前傾姿勢による骨盤後傾
飲食業の厨房で作業されていると、どうしても調理の時は軽い前傾姿勢で下を見て作業することで、頭は本来の位置よりも前にいってしまっているはずです。
なかなか背筋を伸ばして真正面を見て作業するなんてことはできないでしょうし。
そのように頭の位置が本来よりも前にある状態が続くと、人の体はバランスをとるために骨盤が後ろに傾むきやすくなってしまいます。
そうして骨盤が後傾すると、骨盤に続く背骨も段々それに合わせて丸まってしまいます。
そうなれば、本来の腰の骨の前弯のカーブが失われることで、腰に負担がかかりやすくなり、腰痛が発生しやすくなってしまいます。
立ちっぱなしによる足の疲労
常に立ちっぱなしになることで足の筋肉も疲労してしまい、そして筋肉が固くなると、足の筋肉は骨盤についているために骨盤を引っ張り出し骨盤のゆがみを作ってしまいます。
またふくらはぎの筋肉は腰のクッションの様な働きをしてくれているんですが、立つことが多くふくらはぎの筋肉が固くなることでも腰に負担がかかりやすくなり腰痛を起こしてしまいます。
同じ側ばかりに重心が乗っている
長時間の立ち仕事だとどうしても利き足や軸足など、体の片側に重心をかけ続けてしまいがちです。
また、フライパンや鍋も同じ腕でもって調理するでしょうから、どうしても体の同じ部分ばかりに負担がかかり、腰もそれに伴い同じ側の筋肉に負担が蓄積しやすくなります。
腕や背中の疲労
調理の際は当然腕も多用するはずです。
そうするとだんだん腕が疲労し始め、それを支える背中の筋肉まで疲労が広がっていきます。
そうすると腰の筋肉がいつも以上に上半身を支えるために働き、本来以上の仕事をこなさなくてはいけなくなりどんどん疲労し腰痛の原因となってしまいます。
厨房で働く時の腰痛対策
上記の様な要因が飲食業の厨房で働く方には当てはまり、腰痛が発生してしまいます。
とはいっても、腕を使わないわけにもいかないですし、下を向かないわけにもいかないでしょう、なかなか座って作業と言うのも難しいでしょう。
ここでは腕を使わないようにするなどの無茶なことは言わずに、ケアを含め、厨房で働く方の腰痛対策をご紹介していきます。
●足の筋肉のケアをおこなう
どうしても厨房での仕事は長時間、立ったままおこなうことになるはずです。
そうすると足の筋肉は疲労し、その疲労をほおっておくと足の筋肉が骨盤を引っ張り出して歪みを作ったり、腰に負担がかかりやすくなってしまうので、足のケアをおこなうようにしてください。
ここでは足のストレッチをお伝えします。
片足を伸ばして、反対の膝を曲げて座ります。
そこから体を前に倒していき、足の裏にツッパリを感じたところで15~20秒キープしてください。
その後、つま先を外と内に倒し、同じようにおこなってください。計3方向でおこなうことになります。
●腕の筋肉のケアをおこなう
腕もかなり使用して疲労がたまりやすく、腕に疲労がたまったままだとそれが背中、腰へと波及していくので、腕の筋肉のケアもおこなってください。
ここでは腕のストレッチ方法をお伝えします。
片手を肘を伸ばして前に突き出し、手のひらを正面に向け、反対の手で手首を自分のほうへゆっくり曲げてください。
腕にツッパリを感じたらその状態で15~20秒キープしてください。
この一方向だけでなく手のひらの方向を色々な向きに変えておこなっていただくとさらに効果的です。
●背中の筋肉のケアをおこなう
特にフライパンや鍋などを持つ方の側の背中の筋肉は疲労がたまりやすくほおっておくと、背中の筋肉は腰までつながっているものもあり、腰の部分で痛みを出したり、
背中が疲労して体を支えられなくなってきた分を腰がかばって腰の負担が増えたり、
片側の背中の筋肉が極端に疲労し固くなると、体は背中の大きな筋肉に引っ張られて軽く傾いてしまうこともあります。
ここでは背中のストレッチをお伝えします。
両手をあげます。片方の手で広背筋を伸ばす側のもう片方の手首を掴み、斜め上へ引き上げてください。この時に上半身も横へ倒してください。
ポイントは腰を伸ばそうとするのではなく、わきのあたりを伸ばそうとイメージすることです。
背中にツッパリ感が出てきたらその場で20~30秒キープ
左右同じようにおこなってください。
●お腹を少しへっこめる
お腹の力が抜けていると腹圧が弱まり、荷物を運ぶ時や、厨房で作業するときに腰に負担がかかりやすくなってしまいます。
なので軽く下腹にを引っ込めるように力を入れることに慣れていただくと、腰にかかる負担を軽減できます。
●お尻を引き締める
こちらも厨房での作業の時に軽くお尻を引き締めるようにしてもらうと、骨盤も安定し、腰にかかる負担を軽減することができます。
●できるだけ足を使う
下を向いたり、盛り付けの際に前傾姿勢になるのは仕方のないことだと思いますので、できるだけ体だけ前に屈めないで、膝も一緒に曲げたり、モノをもちあげる時もしっかり膝を曲げて足の力も一緒に使ってもちあげてもらうようにすることで、腰にかかる負担を減らすことができます。
最初にお伝えしたように、飲食業で厨房で作業する方も、その作業内容によってはこれだけでは足りなかったり、腰を痛める要因が違っていることもあります。
ですが、多くの方に当てはまる腰痛の要因について書いてますので、飲食業の厨房で働いていて腰痛に悩まされているというときには、まずは参考にして実践していってみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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