車の運転をする腰痛の方必見!
その原因と対策
仕事などで車の運転をすることが多いけど、時間とともにだんだん腰が痛くなってくる…なんてことで悩んでいませんか?
車に長時間乗ることが多い方の中には、腰痛で悩んでいる人も多いでしょう。
それなら車に乗らないにこしたことはありませんが、仕事や買い物、おむかえ、必要で乗ってきたものなのにそうそう生活を変えることなんて難しいですよね。
なので今回は、車を運転していると腰痛になりやすくなる原因とその対処方法についてお伝えしていきます。
なぜ車の運転で腰痛が発生するのか?
長時間運転をしていると腰が痛くなったという経験はドライバーの多くの方が経験したことがあると思います。
それが毎日続けばそりゃあ腰痛が出ても仕方ないとなんとなく感じているはずです。でも運転していて腰が痛くなるのはなぜなのか?
結論からいうと、運転するときの体勢というのは腰にものすごく負担をかけるからです。
というのは、立っている時の腰にかかる負担を100だとしたとき、座っていると腰にかかる負担は140にもなります。
これは股関節が曲がり、腹筋がゆるむために上半身の重さや動きを支えるための負担が、背中や腰の筋肉にのしかかるからです。
さらに座って前傾姿勢になると腰への負担は180を超えるとも言われています。
車を運転するときの体勢ってどうですか?多くの場合シートはお尻の方が下がっているためにまさに座って軽く前傾姿勢をとったような体勢になりますよね?
それだけの負担が腰にかかるために、時間が長ければ長いほど腰痛を発症しやすくなるんです。
足を伸ばした状態が腰に負担をかける
車を運転するときは足を前に投げ出した状態になりますよね。
このとき、ふくらはぎや太もも後面の筋肉が硬くなってしまっていると、膝を伸ばせば伸ばすほど足の筋肉が骨盤を引っ張り、骨盤を後ろに傾けます。
骨盤が後ろに傾くと、それにつながる背骨は丸まってしまい、背中から腰が丸まった状態になってしまうことで、本来腰椎(腰の骨)にある前弯のカーブが減少し、上半身の重たさをうまく分散できなくなって腰にかかる負担が大きくなってしまうんです。
対策
なので対策としては、一見リラックスできるように思えても座席の位置をあまり後ろにせずに、軽く膝を曲げて座れる位置にもってくるようにしてください。
後は普段から腰だけでなく、一緒に足の筋肉の柔軟性を失わないようにケアすることが大切になってきます。ここではケアの方法としてストレッチ方法をお伝えします。
●片足を伸ばして反対の足をあぐらをかくように曲げて座り、伸ばしている足の膝が曲がらないように体を前に倒してください。足の後面にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
体を前に倒す時に腰を丸めないよう、骨盤から体を前に倒すように意識してください。
背もたれを後ろに倒しすぎると腰が丸まる
こちらも背もたれを後ろに倒した方がリラックスして余分な力が抜けるように感じている人もいると思いますが、背もたれを後ろに倒すことによって骨盤が後ろに傾きやすくなり背中が丸まりやすくなります。
そうなると上記でお伝えしたように腰椎のカーブが減少することで、腰に必要以上の負担がかかってしまい腰痛を起しやすくなります。
ほかにも体の重心の位置も、背もたれを後ろに倒すことで後方にきてしまうため、さらに腰に負荷がかかりやすくなる原因にもなります。
対策
背もたれはあまり後ろに倒さないようにしてください。ただし、90度の直角が腰に負担が一番少ないのか?というとそうでなく、95度ほどのわずかに背もたれ後ろに傾けた状態が一番腰に負担がかかりにくいという調査結果があります。
なので直角よりも背もたれをわずかに後ろに傾けるようにしてください。
あとは背もたれとお尻の距離が開くほど骨盤は後ろに傾きやすくなってしまい、体の重心の位置も後ろに下がってしまうので、しっかり深く座ることで車の運転中の腰にかかる負担を減らすことができます。
長時間の同じ姿勢が腰に負担をかける
これは何も車の運転に限ったことではありませんが、同じ体勢を長時間続けると、筋肉は伸び縮みしないために血流が悪くなり新しい酸素やエネルギーを運べず、反対に老廃物や疲労物質は溜まり柔軟性をなくしてしまい痛みをだしてしまいます。
また長時間同じ姿勢が続くことことで、同じ部分ばかりに負担がかかるために、ただでさえ車の運転は腰に負担がかかりやすい体勢なのに、余計に腰痛を発症しやすくなる原因となります。
対策
なのでよくよく言われるように、やはり定期的に休憩をとり、車から降りて身体を動かすことは腰痛予防のために大切なことです。
休憩の際も車内でいるのではなくて、外に出て歩いたり身体を動かすように心がけてください。
これは第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉を伸び縮みさせることで、血液が全身に巡りやすくなり腰痛予防になるからです。
また、どうしても車から降りられない場合も、信号などで止まった時にゆっくり腰回りを動かすようにしてください。(早く動かそうとすると、固まった筋肉がいきなり伸ばされぎっくり腰のような急性腰痛になることがあるので気を付けてください)
もちろん車の運転によって長時間座りっぱなしで硬くなってしまった腰周りの筋肉をケアしてあげることも腰痛を出さないためには大切です。
ここでは車の運転で座りっぱなしになり硬くなった腰周りの筋肉のケアの方法としてストレッチをお伝えします。
●うつ伏せで寝転がり、両手を伸ばして上半身を起していき、ゆっくり体を反らしていってください。そのままの体勢で30秒ほどキープしてください。
もし体を反らしていくと腰に痛みが出る場合には、腕を伸ばすのでなく、肘を90度まげて体を反らす強さを弱めてください。
●あぐらをかくように床に座って膝を90度に曲げて足の裏を付けます。
そして、両手で足先を持って体を前に倒してください。
この時ポイントはできるだけ背中を丸めるように意識してください。
もう一つ膝の角度を90度に維持するようにしてください。膝を曲げすぎて体を前に倒すと、起立筋ではなく太もも内の内転筋を伸ばすポーズになってしまいますので。背中にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。
背中の疲労も腰痛の原因になる
運転を頻繁にされる方で腰痛に悩まれている方の中には、腰の筋肉だけに痛みの原因があるのではなく、腰までつながる背中の筋肉によって腰に痛みを出されている方もみかけます。
これは運転では腕を常に浮かした状態になり、その腕を支えるために背中の筋肉が常に働くことになるからです。
そして背中の筋肉が疲労して硬くなってしまうことで、腰の部分につくところで痛みを出したり、体を支える働きが低下して背中が丸まってしまうことで、上記でお伝えしたように腰椎のカーブが消失し腰に負担がかかりやすくなります。
対策
腰だけでなく普段から背中のケアもおこなうようにしてください。ここではストレッチをお伝えします。
両手をあげます。片方の手で広背筋を伸ばす側のもう片方の手首を掴み、斜め上へ引き上げてください。この時に上半身も横へ倒してください。
ポイントは腰を伸ばそうとするのではなく、わきのあたりを伸ばそうとイメージすることです。
背中にツッパリ感が出てきたらその場で20~30秒キープ
左右同じようにおこなってください。
背もたれに身体をあすけすぎない
背もたれを利用せずに身体を前に傾けていると腰に大きな負担がかかるので、シートに深く腰掛けるようにお伝えしましたが、背もたれにすべて身体を預けてしまうと腹筋や背すじの筋肉が使えずに腰にかかる負担が増えてしまいます。
対策
完璧に背もたれに身体を預けてしまわずに、軽くお腹と背すじには力が入っているようにし、さらにお尻の穴を閉めるように心がけてみてください。
このようにお腹や背中、お尻に力を入れることで、腹圧と呼ばれるお腹の圧が高まります。
体の構造的に腰の部分には骨は背中側の背骨しかなく、この背骨だけで上半身を支えないといけないために、腰には負担がかかりやすい構造になっています。
それを腹圧を高めることで、この腹圧がお腹側から上半身を支えてくれ、お腹側にも支えができることで、車の運転中に腰にかかる負担が軽減します。
ただし、あまり力んでしまっても筋肉が緊張状態になって血液の巡りが悪くなり疲労しやすくなるため腰痛の原因になるので、一番腰に負担がかからない身体の使い方を車に乗るたびに試していってください。
お腹の筋肉を緩めてあげる
車の運転で長時間シートに座り足を曲げて状態が続くことで、腸腰筋と呼ばれる腰からお腹の奥を通り、足につく筋肉が段々と固まってしまいます。(下の写真が腸腰筋です)
この筋肉が硬くなってしまうことで、車から降りようとしたときに、固まったこの大腰筋が急に引っ張られることで腰の部分で痛みを出したり、体を伸ばしにくくなります。
また腸腰筋は姿勢にも大きく関連しているため、緊張したままだと普段の生活でも姿勢が崩れてしまい、腰にかかる負担が大きくなって腰痛を起しやすくなります。
ほかにもお腹にある外腹斜筋と呼ばれる腹筋も長時間の車に運転によって柔軟性を失っていき働きが低下してしまい、腹斜筋の働きが低下することで姿勢が崩れやすくなってしまいます。
対策
そのため、大腰筋や外腹斜筋などのお腹の筋肉も普段からケアをおこない柔軟性を保ってあげることが、車を運転するときに腰痛の対策になりなります。ここではケアの方法としてストレッチをお伝えしていきます。
●両足を前後に開いて立ち、後ろの足の膝を床につけ前後の膝を90度前後に曲げます。後ろ足の太もも裏に同じ側の手を当てます。
太もも裏に当てた手で体を押すようにお尻を前に突き出し、股関節の付け根にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●上向きで寝て両手を少し開き、片足を曲げて伸ばしている足の反対側に大きく体をひねって曲げた足を倒していきます。この時目線は曲げて倒した足とは反対に向くようにしてください。
その状態で15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
目の疲労が腰痛の原因になる
車を運転しているときは常に目を酷使するため、目が疲れてしまいますが、これが腰痛の原因になることがあります。
一見すると目と腰とは関係ないように思うかもしれませんが、目の動きは首の筋肉と連動して働いているため、目を酷使することで首の筋肉が疲労して硬くなります。
すると、首の筋肉が硬くなり働きが低下してしまうことで重たい頭を支えきれず、首の前弯のカーブが減少し始めます。
頚椎(首の骨)と腰椎(腰の骨)は同じ一つの背骨で、互いに影響しあっているため、頚椎のカーブが減少することでそのバランスをとるために、腰椎のカーブも崩れだしてしまい、結果的に腰にかかる負担が増加して腰痛を起してしまうんです。
対策
なので対策としては、目を疲労させないことになるんですが、とはいっても目をつむって運転なんて当然できないですし、ある程度車の運転で目を酷使してしまうことは仕方ありません。
なので車の運転の途中で休憩をとったときに、優しく目のマッサージをおこなって血液を巡らせてあげたり、普段の生活からしっかり睡眠時間を確保して目を休ませてあげることが大切になります。
お尻の筋肉の疲労が腰の負担を大きくする
車の運転中は当然座りっぱなしになるため、お尻の筋肉が常に圧迫された状態となるため、お尻の筋肉の血液の巡りが悪くなり、段々と柔軟性を失っていきます。これは座っているとお尻が痛くなった…なんて経験をお持ちの人もいるでしょう。
そしてお尻の筋肉が上半身の重たさが腰だけにかからないように腰のクッションの役割を担ってくれていたり、歩いたりするときにも地面からの反発力を腰にかからないように分散するサスペンションのような働きを担っているため、疲労して柔軟性がなくなることで、腰に負荷がかかりやすくなり腰痛の原因になったり、長引かせる要因となります。
対策
このようにお尻の筋肉が疲労して硬くなったままだと、腰の負担が大きくなり腰痛の原因となるため、車の運転の休憩の時や、そのあとでケアをおこなうことが大切です。
ここではお尻の筋肉のケアの方法としてストレッチをお伝えしていきっます。
●椅子に腰掛け片足を曲げて、上の写真のように足を組んで椅子の上に足を乗せます。両手で曲げた足を自分の胸の方に引き寄せてください。
お尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
●椅子に軽く腰掛け、片足を曲げて上の写真のように反対の足に乗せます。片手で曲げた足の膝を下に押して、反対の手で足首を上に引っ張ってください。
そこから体をゆっくり前に倒してお尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
運転の緊張によるストレスが腰痛をだす
車を運転をしている時には常に人が飛び出してこないか?カーブで自転車を巻き込まないか?前の車との車間距離はどうか?割り込んでくる車はいないか?など緊張の中おこなわれるモノです。
この緊張というのはいうなれば体にとってはストレスであり、ストレスは腰に悪いということを耳にしたことのある人も多いでしょう。
実際にストレスは自律神経を乱すことで血液の流れを悪くして、腰痛を起す原因となります。
対策
これに対しての対策というのは正直難しいです。なんせ緊張感なしで運転をおこなってよいはずもなく、ある程度の緊張というのは仕方ありません。
なので緊張によって血液の巡りが悪くなったモノを、上記のストレッチなどで改善したり、普段からほかに悩み事などを極力ため込まないように心がけてみてください。
まとめ
車を運転されている方の腰痛の原因と対策についてお伝えしてきましたが、背もたれやシートの位置などなんとなく知っている感じているというものも多かったと思います。
あとはこれを知っているで終わらせるのか、実際に行動に起こすのか差があなたが腰痛と縁を切れるかどうかの差になってかえって来るんだと思います。
そして車の運転自体はどうしてもそもそも腰に負担んかかりやすいモノであるために、運転している時の対策だけでなく、普段からのケアが大切になって来ますので。
特に腰だけでなく、お尻の筋肉や足、背中の筋肉、お腹の筋肉、こういった部分を一緒にケアをしてあげることが、車の運転で腰痛を出さないための対策になります。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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