肥満だと腰痛になると言われる理由
最近ちょっとお腹周りの脂肪が気になるようになってきたし、体重も増えてきていると思っていたら腰痛まででだして…と悩んでいませんか?
肥満(太りすぎ)と腰痛は結構関係が深く、腰痛で病院へ行ったときにお医者さんに「痩せなさい」と言われた事がある方もいると思います。
なのでなんとなく太っていると腰に悪そうという印象を持っている人もいるでしょう。
もちろん肥満=腰痛というような安易なものではありませんし、少しくらい太り気味でも腰痛で悩んでいない方は沢山いらっしゃるわけで、腰痛になる要因はほかにも多々あります。
なので痩せるだけで腰痛が改善するといった簡単なことではありませんが、全く関係ないかと言われるとそんな事はなくて、やはり肥満(太りすぎ)は腰痛を発症してしまう一つの要因です。
でもどうして肥満が腰痛と関係あると言われているのか?今回は肥満で腰痛が発症してしまう原因についてお伝えしていきます。
肥満が腰にかかる負担を増加させる
腰は上半身を支える要となる部分であり、体重が増えればそれだけ腰にかかる負担が増えることになります。
50kgの人の上半身を支える腰と100kgの人の上半身を支える腰とでは、どちらの腰の方が負担がかかりますか?という事ですね。
また腰というのはあらゆる動作で負担のかかりやすい部分です。
例えば、立ち上がる、座る、前かがみになるなどの動作で腰にかかる負担は、体重の約2.5倍だと言われています。
つまり体重が50kgの人なら立ち上がったり座ったりする時に腰にかかる負担は約125kgかかることになります。
これが体重100kgの人になれば、立ち上がったり座ったりする時に腰にかかる負担は約250kgかかることになるわけで、太ってしまっていると、それだけ腰に日常生活で負担をかけてしまい腰痛を発症しやすくなってしまうんです。
体の重心の位置が変わり姿勢が崩れる
体重が増加して、お腹周りなどに脂肪がついてくると、お腹はポッコリと前方にでるので、 そのお腹の脂肪の重みに引っ張られ、姿勢が前のめりになってしまいます。
お腹の重みによって「重心」が前に傾いてしまうため、そのまま前に倒れてしまわないよう、体は立ち上がって動く時に無意識に上半身を後方へと反らせてバランスをとろうとします。
このようなお腹が前につき出た姿勢ですね。
本来人の背骨は緩やかなS字カーブを描いており、腰の骨の部分はゆるやかに前方へカーブを作っています。
それが肥満でお腹を突き出し体を反らせることで、腰のカーブは強くなってしまい、もともと体重が増える事で上半身の重さで腰にかかる負担が大きくなる上、さらに背中を反らせることでより負担が加わってしまい腰痛を発症しやすくなってしまうんです。
運動量が減る
軽いものを動かすよりも、重たいものを動かすほうがエネルギーが必要になってきます。
なので同じ距離を歩いたとしても、体重の重たい方の方が余計にエネルギーを必要とし、心臓にかかる負担大きくなるため、肥満になることで体を動かすことが減ってしまいやすくなります。
筋肉は体を動かすことで伸び縮みし、それがポンプの働きをして血液を体全体に巡らせますが、体を動かすことが減るとそれだけ血液の巡りが悪くなってしまい、老廃物や疲労物質が流されないで蓄積することになり、それによって神経が刺激され腰痛を感じやすくなってしまいます。
腹圧を安定させられない
人の体は肋骨(あばら骨)の下は骨がなく内臓が収納されているだけで、背中側にある背骨だけで上半身を支える構造になっています。
つまり体の背面、背骨や腰で上半身を支えないといけないために、この部分には負担がかかりやすい構造になっているんです。
ですが上のイラストの赤丸の部分にある空洞の圧(腹圧)を腹横筋や骨盤底筋などを使い高めることで、その腹圧を支えにし、腰や背骨だけに上半身の負荷がかからないようにしています。
簡単に言うと腹圧を高めることで腰にかかる負担を減らすことができるんです。
ですが肥満でお腹が前にでてしまうと、この腹圧を高めることが難しくなっしまい腰にかかる負担が増えて腰痛がでやすくなってしまうんです。
まとめ
肥満になると必ず腰痛がでてしまうというわけではありませんが、上記のように腰にかかる負担が日常生活で常に増えてしまうために腰痛を発症しやすくなってしまいます。
そして、肥満である限り腰への負担が増えてしまうので腰痛が慢性化しやすいといった事も起こってきます。
改善方法は特別な方法はなく、やはり痩せることでしょうね。それが簡単にできれば腰痛に悩んでいないなんて言われるかもしれませんが、いくらその現実から目を背けても仕方ないですし。
痩せるための方法は今はいろいろ言われていますが、私が考えるにやはり食事の量や内容の見直し、体を動かす習慣、間食の有無が基本になると思います。
人によって、太りやすかったり痩せやすいなど個人差はありますが、突き詰めれば取り込んだエネルギーを上回るエネルギーを消費すれば痩せるわけです。
と、話がダイエットへとながれましたが、腰痛の予防や改善のために普段から肥満にならないよう心掛けてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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