長時間同じ姿勢でも
腰痛を発症しない対策方法
デスクワークで毎日座りっぱなしでいる、工場で作業していていつも立ったままその場から動くことがほとんどない、など仕事などで同じ体勢でいることが多くて腰が痛い…と悩んでいませんか?
腰痛で悩まれている方は聞いたことがあるかもしれませんが、体を動かさずに同じ体勢でいることは腰にとってすごく負担のかかることなんです。
筋肉は伸び縮みすることでそれがポンプの働きをして血液を巡らせます。
同じ体勢でいるとこのポンプの働きがされないので、血液の巡りが悪くなり、酸素やエネルギーがまわってこなくて、疲労物質などの老廃物などが流されていかないためです。
良い姿勢だと腰痛が発症しにくいといわれますが、確かに丸まった猫背のような姿勢よりは腰痛は発症しにくくなるものの、同じ体勢を続けているといくら姿勢が良くても、同じ部分に負荷がかかることになり腰痛を発症しやすくなります。
なのでできるだけ体を動かすことが腰痛を予防したり治すためには必要なんですが、そうはいっても仕事中などはなかなか歩きまわることも難しいと思いますので、今回はその場でできる腰痛に関係の深い筋肉の運動をお伝えしていきます。
腰痛に関係の深い腸腰筋
運動の方法の前に、同じ体勢でいることで出てくる腰痛とかかわりの深い筋肉についてお伝えしていきます。
その筋肉が、名前は耳にしたことがあるかもしれませんが「腸腰筋」と言う筋肉です。
腸腰筋は第12胸椎から第5腰椎体という腰から胸の下の背骨に付いていて、そこから骨盤の前を通り太ももの骨の内側に付いている大腰筋と、骨盤の内側から太ももの骨の内側に付いている腸骨筋の二つの筋肉からつくられる筋肉です。
この腸腰筋は姿勢を維持するために働いてくれて、長時間立ちっぱなしや座りっぱなしだとだんだん緊張し硬くなってしまいます。
そして硬くなれば腰の背骨から始まる筋肉でなるために腰の部分で痛みを出してしまったり、姿勢も崩れやすくなってしまうために猫背や反り腰になって腰痛を発症しやすくなってしまいます。
姿勢が良ければ立ちっぱなしや座りっぱなしでも腰痛が出ないのか?
また、立っている時の姿勢や座っている時の姿勢が悪いと腰痛になりやすいと言われることがあります。
実際に、姿勢が悪いと腰にかかる負担が大きくなるので腰痛が出やすくなってしまいます。
それなら立ちっぱなしや座りっぱなしの時も姿勢さえ正していれば腰痛がでないかと言うとそんなことはありません。
というのも、座りっぱなしや立ちっぱなしで動くことがなければ、段々腸腰筋は緊張し硬くなってしまいます。
そして腸腰筋が硬くなると、背骨を前側(お腹側)に引っ張ろうとする力が働き続けるため、その状態で姿勢を正すには広背筋などの腰の筋肉が働き、お腹側に引っ張る力に対し反対方向に抵抗し続ける必要が出てきてしまい、広背筋などの腰の筋肉に負荷をかけ続けなければならなからです。
簡単に言えば、いくら良い姿勢で立っていたり座っていても、全く動くことがなければ腸腰筋は硬くなり、腸腰筋が硬くなってしまうと姿勢を正すこと自体が腰に負担をかけることになり腰痛がでてしまうんです。
腸腰筋の運動
上記のように、姿勢を正すことは確かに大切です。大切ですが、腰痛を出さないためには腸腰筋が硬くなってしまわないようにすることも必要なんです。
ここからは仕事の合間でもおこないやすい、その場でできる腸腰筋の運動をお伝えしていきます。
まず、膝を伸ばした状態で直立します。その際に軽く肘を曲げて腕を前にだし、手の平を下に向け両手を同じ高さに構えてください。
膝を曲げて、手のひらの高さまで脚を引き上げます。この時、膝裏の角度は90度以下に、足の裏は床と平行になるようにしてください。
さらに反対の脚は真っすぐにしておくことが大切です。
これを左右交互で合わせて20回おこなってください。
足を上げる時に、真っすぐではなく、外に開いてしまったり、内に捻じれてしまうと効果が落ちてしまうので注意してください。
その他の腰痛予防の運動
ここからは、腸腰筋の運動とともに一緒におこなっていただくことで腰痛予防の効果が上がるストレッチをお伝えしていきます。
イスに座っておこなうために、立ち仕事の方は難しいかもしれませんが、休憩時間などにおこなうようにしてみてください。
お尻のストレッチ
お尻の筋肉は骨盤を支えるために働いてくれており、硬くなることで骨盤が歪みやすくなって姿勢が崩れ腰痛を発症しやすくなります。
イスに座り、片足を写真のようにもう片方の膝の上におきます。この時、外くるぶしがヒザの上に乗る位置にします。
背中がなるべく丸まらないように軽く胸を張り、上半身を前に倒しお尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。これを左右交互におこなってください。
脊柱起立筋
背骨に沿ってついていて、姿勢を維持するために働く筋肉で、硬くなることで腰に痛みを発症させます。
イスに浅く座り、肩幅より広く足を広げ両手を頭の後ろで組みます。
そこから背中を丸めるように体を曲げていきます。頭が膝を超えるところまで曲げてください。
腕の重みで体を曲げてもらうとしっかり筋肉が伸びやすくなります。
この状態で15~20秒キープしてください。
まとめ
座りっぱなしや立ちっぱなしで動くことが減ってしまうと、腸腰筋という筋肉が硬くなりやすく、腸腰筋が硬くなることで腰痛を発症してしまいます。
腰痛を発症させないためには姿勢を正すことも大切ですが、腸腰筋が固まってしまう前に動かして柔軟性を保っておくことも大切です。
腸腰筋が硬くなってしまうと、姿勢を正そうとすることさえも腰に負担をかけることになってしまいますので。
なので腰痛を予防したり治すためにも上記の運動を参考に、腸腰筋を時々動かすようにしてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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