お腹の硬さが腰椎ヘルニアの原因になる
腰椎椎間板ヘルニアと病院で診断されて、牽引したり腰に電気を当ててもらっているけれど全然良くならない…と悩んでいませんか?
腰椎椎間板ヘルニアと言われると、何となく腰の骨や腰周りの筋肉を治療しなければいけないんじゃないのかな、と思われる方も多いでしょう。
確かに腰周りやお尻の筋肉なんかも大切なんですが、実はお腹の奥にある筋肉も腰椎椎間板ヘルニアの症状に大きく影響を与え、そのためにお腹が硬くなってしまっていると、腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化したり治らないことがあるんです。
今回は、一見すると関係ないように思える、お腹の硬さが腰椎椎間板ヘルニアの症状に影響を与える原因についてお伝えしていきます。
腰椎を安定させる腸腰筋
早速どんな筋肉が腰椎椎間板ヘルニアの症状と関係しているか?なんですが、「腸腰筋」呼ばれる腰椎(腰骨)の両横から大腿骨小転子(太ももの骨の付け根)までを繋いでいる筋肉が、腰椎椎間板ヘルニアの症状と大きく関係しています。
上の写真の赤線の部分にある筋肉が腸腰筋です。
この筋肉の作用は大腿骨の屈曲、簡単に言うと太ももを上にあげることです。そしてそれ以外にも腰椎の安定性を高めるように働いてもくれます。
この腰椎の安定性を高める働きが、腰椎椎間板ヘルニアの症状に影響を与えます。
腸腰筋は腰椎の安定性を高めるために、腰椎を下方に牽引することで椎間板を圧縮します。
言葉で書いてもわかりにくいと思うので、下の写真を見てもらうと、
腸腰筋が働くということは、腸腰筋は緑の矢印の方向に収縮しよう(縮まろう)とします。
そして腸腰筋が収縮する事で背骨にも上下から圧縮するような力がかかり、これによって腰椎の安定性が高まります。
ですがこの時に圧縮されるのは決して腰椎の骨だけでなく、その腰椎と腰椎の間にある椎間板にも力が加わり、椎間板は圧縮されてつぶされてしまうんです。
腰椎椎間板ヘルニアは簡単に言うと、椎間板がつぶれて飛び出ることが原因ですよね?それが腸腰筋が縮まろうとすると、そのつぶれた椎間板に余計潰れる圧がかかってしまうというわけです。
なので腸腰筋が固くなっている状態というのは、すなわち筋肉が短縮位となってしまっている状態のことで、常に椎間板へのストレスを増大させた状態を引き起こすのです。
腸腰筋の緊張は腰を反らせる
またお腹の奥にある腸腰筋は骨盤を起こす働きも行います。
この働きが腸腰筋の緊張によって強く作用すると、骨盤は前に傾いてしまい、腰椎の前湾が強まり、簡単に言うと腰が反ってしまうんです。(よく言われる反り腰の状態です)
するとこれによっても腰椎の椎間板には、潰れるような圧がかかってしまいます。
(上の写真の赤線の方向に圧がかかって、青の矢印の方向に椎間板がつぶされてしまいます)
お腹が硬くなると腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させる
上記のようにお腹の奥にある腸腰筋が硬くなってしまうと、椎間板に大きな負担がかかってしまいます。
病院で腰椎椎間板ヘルニアと診断された人でも症状が軽かったり重かったり、自分自身でも腰椎ヘルにの症状が楽な日や辛い日があると思います。
これは腰椎椎間板ヘルニアであっても、上記のように腸腰筋が硬くなってしまっていると椎間板に圧縮される力が加わり、そうなれば症状が悪化しやすい傾向にあり、
反対に言えば、腸腰筋を含め筋肉の状態を整えてあげる事で、腰椎椎間板ヘルニアであっても常時椎間板への圧迫ストレスを軽減することができ、症状が軽減するということです。(もちろん腸腰筋以外にもいろいろな要因があります)
まとめ
お腹が硬くなってしまっていると、腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまう原因になることがあります。
これは腸腰筋という筋肉が硬くなることで、椎間板を圧縮させてしまったり、骨盤が前に傾き腰が反りかえってしまうためです。
なので、どうしても腰椎椎間板ヘルニアと言われると腰周辺ばかりが気になると思いますが、お腹の筋肉を緩めてあげる事で症状が緩和することがあるので、一度自分自身でもお腹の硬さを確かめてみてください。
もし硬くなっている時には腸腰筋を緩めてあげる事で腰椎椎間板の症状が軽くなることがありますので。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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