腰椎ヘルニアの時に風呂は良い?悪い?
腰からお尻、足にかけて痛みやしびれを感じるようになって、病院で検査してもらうと「腰椎椎間板ヘルニアですね」と言われたけれど、腰椎椎間板ヘルニアの時にはお風呂に入ってもいいのかな?と、悩んでいませんか?
腰椎椎間板ヘルニアの時ってお風呂ってどうなんですか?といった質問は当店でもたまに聞かれることがあります。
温めたほうがいいような気もするけれど、でも痛みが増しそうな気もするし…どうなのかな?と疑問に思われている方も多いはずです。
そこで今回は、腰椎椎間板ヘルニアとお風呂の関係についてお伝えしていきます。
腰椎椎間板ヘルニアの時にお風呂は痛みの緩和につながる
腰椎椎間板ヘルニアの時にお風呂に入ることは、基本的には症状の緩和に効果的であると考えています。
そもそも腰椎椎間板ヘルニアの椎間板が飛び出している部分をピンポイントで温められたとして、それで椎間板がより潰れて飛び出たり、反対に引っ込んだりといった変化は起こりません。
それでもお風呂に入ることで腰椎椎間板ヘルニアの症状が緩和すると考えているのは、筋肉の血行が良くなるためです。
腰椎椎間板ヘルニアの痛みや痺れといった症状は、筋肉の状態と大きく関係していて、筋肉が緊張したり硬くなってしまうことで腰椎椎間板ヘルニアの症状は悪化しやすくなります。
筋肉の血行が良くなるということは、酸素がいきわたり、栄養成分が患部にも巡るため老廃物や痛みが取り除かれるので、お風呂に入って患部温めることは効果的であるといえます。
他にもお風呂に入り湯船につかることでリラックス効果を得られることも痛みの緩和に大きく関係します。
腰椎椎間板ヘルニアの人は普段から痛みや痺れ自体がストレスとなってしまい、交感神経が優位になって自然治癒力が低下してしまっていることが少なくなりません。
これがお風呂に入り湯船につかってリラックス出来れば、ストレスを軽減することができ、副交感神経の働きが高まり自然治癒力が高まると考えられます。(ただし痛みがひどく湯船に入ること自体がストレスになったり、お風呂に入ると痛みが悪化する場合はそういった効果は得られませんが)
中にはお風呂に入ると悪化する人もいる
基本的にはお風呂に入ることは、腰椎椎間板ヘルニアの症状を緩和するのに効果的だと書きましたが、中にはお風呂に入ることで症状が悪化してしまう人もいます。
ここからは、お風呂に入ることで腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまう要因についてお伝えします。
炎症がある
腰椎椎間板ヘルニアの症状がある方で、特に痛みがかなり強く出ている人の中には痛みのある患部が炎症を起こしている時があります。
炎症は強ければ強く起こるほど痛みが増してしまう傾向があり、患部に炎症があり熱を持っている部分に熱を加えることで、さらに炎症が強くなり、腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうことがあるんです。
なので、あまりにも痛みが強い時には炎症を起こしている可能性があるので、お風呂は避けるほうがいいでしょう。
ウイルスなど病気によって痛みが出ている時
インフルエンザの時に体のあちこちが痛くなることがあるように、ウイルスなどの病気によって腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化して出てしまうことがあります。
こんな時も、体を温めることで症状が悪化してしまうことがあります。
風呂に入る体勢
腰椎椎間板ヘルニアというのは、そもそも簡単に言えば腰に負担がかかることで発症しており、腰に負担がかかる動作などは症状を悪化させてしまいます。
自宅でお風呂に入る時というのは、どうしても膝や股関節を曲げて湯船に座ったり、腰を丸めてみたりといった窮屈な姿勢が多くなると思います。
そのような体勢というのは腰にかかる負担が大きくなるために、腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうことがあります。
ですので、あまり同じ体勢を続けないように気を付けていただき、湯舟では正座をしていただくと腰にかかる負担が軽減できます。
長時間の入浴
長時間の入浴によって体を温めすぎてしまうと、先ほどお伝えしたように患部に熱が加わりすぎて症状が悪化してしまったり、温まった部分はその後、体の調節機能によって冷やそうと働くので、次の日などに痛みが増してしまうことがあります。
また、長時間入浴をするということは、窮屈な姿勢を長時間続けてしまうことで腰に負担をかけ続けることにもなるので、症状が悪化してしまうことがあります。
お風呂が良いか悪いかの判断方法は?
お風呂に入ることで良い影響があるのか悪影響なのかの判断方法は?というと、これは正直一度お風呂に入ってもらって、そのあとに腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化しないかを見てもらうのが一番ですね。
お風呂に入ることで症状が楽になったり、症状が変化しないのであれば時間や体勢に気を付けて入ってもらっていいですし、悪化するのであれば湯舟は避けて、できるだけ患部を温めないように短時間で体を洗ってもらえればと考えています。
当然これは日によっても多少違いはあるでしょうし、最初はお風呂に入ると腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化していた人でも、経過とともにお風呂で温める方が楽になるといったこともあります。
お風呂に入るときに注意すべきこと
ここからは腰椎椎間板ヘルニアの方がお風呂に入るときの注意すべきことについてお伝えしていきます。
長時間の入浴は避ける
先ほどお伝えしたように、長時間の入浴は炎症が強くなるリスクを伴うため避けるようにしてください。
椅子に座らないようにする
お風呂の時に使用する椅子は低いものが非常に多いため、そのような椅子に座ることで腰に負担がかかり腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうことがあります。
なのでシャワーなどを浴びる時には、立ったままで背筋を伸ばし浴びるようにしてください。
どうしても座りたい時には、浴槽のへりに腰かけるのも一つの方法ですが、滑り落ちないよう気を付けてくださいね。
湯船は肩周りまでつかる
お風呂で湯船につかる際には、出来れば肩までつかることを心がけてください。
これは腰の症状であっても体はつながっているため、肩周りの筋肉や肩甲骨の動きなどの影響を少なからず受けます。
なので肩周りの筋肉も入浴によって緊張が緩和すれば、腰椎椎間板の改善にプラスに働きます。
お風呂に入浴した後はしっかり水分補給をする
お風呂に入浴した後にはしっかりと水分補給をすることを心がけてください。
これは腰椎椎間板ヘルニアの方はただでさえ神経症状によって、筋痙攣が起こりやすく足がつってしまうこともよく耳にします。
これが入浴することで汗で体内から水分は失われてしまい、電解質のバランスが崩れてしまうことでさらに夜中に足をつったりなど、筋痙攣を起こしやすくなってしまうからです。
出来ればミネラルウォーターやミネラルの入ったお茶やスポーツドリンクなどをお風呂上りにコップ1杯摂取することがおすすめです。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアの時には、お風呂って入って良いのか避けるべきなのか悩むことがあると思いますが、基本的には入ることでプラスに働くことが多いです。
これは筋肉の血流が良くなることで、緊張が緩和されたり、酸素や栄養素が巡ったり、老廃物が流れるためです。
他にもお風呂に入り浴槽に入ることはリラックス効果が高く、副交感神経を優位に働かせ、自然治癒力を高める作用も望めます。
ですが中にはお風呂に入ることで、腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまう方もいるので、まずは上記でお伝えした入浴の時間や、椅子に座らないなどの注意点を参考に、一度お風呂に入っていただき、そのあとの症状を観察してみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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