ランニング初心者の腰痛その原因と対策
今まであまり運動もおこなってこなかったランニング初心者だけど、段々腰が痛くなってきてランニングを続けるのが辛い…と悩んでいませんか?
ここ数年はランニングブームというか、フルマラソンもあちこちで開催されるようになり、今まで全然ランニングをしたことなかったけれど最近始めたという初心者の方も少なくないでしょう。
そしてランニングをおこなっていて辛いのがやはりケガや体の痛みですよね。
ランニングで傷めることが多いのはやはり膝や足首、太ももなどの足ですが、それに負けないくらい悩まれている人が多いのが腰痛なんです。
特にランニングを始めたばかりという初心者の方で、いきなり気合を入れて長時間走ったらそれから腰が痛くて痛くてといった悩みは結構耳にすることがあります。
そこで今回は、ランニング初心者の方が腰痛になった時に多い原因と対策についてお伝えしていきます。
1、フォームが悪くて腰に負担がかかる
やはりランニング初心者の方が腰痛を発症させる原因として多いのは、ランニングの際のフォームが悪いことです。
本来適度なランニングは全身の筋肉を働かせ、血液の巡りを良くするため腰痛改善にも効果があるんですが、フォームが悪いと反対に腰に負担が集中してしまい腰痛を発症させる原因となります。
フォームの悪いところも人によって異なってくるんですが、ここではよく見かける誤ったランニングフォームをお伝えしていきます。
●胸を反らしている
ランニングをされている方で見かけることがあるのが、胸を反らせてランニングをおこなっている人です。
本人は猫背にならないように姿勢を正しているつもりかもしれませんが、胸を反らすことで腰は反り返ってしまい、腰骨のカーブが強くなることで腰に負担がかかりやすくなってしまいます。
●猫背になって骨盤が後ろに傾いている
ランニング初心者の方の中には体を支えるための筋肉が発達しておらず、
背中を丸めて猫背の姿勢でランニングをおこなっている人を見かけます。
猫背の姿勢で走ることはやはり腰に負担がかかりやすく、腰痛を発症させる原因となります。
これは骨盤が後ろに傾いてしまい、腰骨のカーブが無くなってしまうことで、本来腰骨のカーブがあることでクッション代わりになって衝撃を吸収してくれていたものが、カーブが無くなり衝撃が腰にかかりやすくなってしまうからです。
●腰の位置が下がっている
もう一つランニング初心者の方によく見るフォームが、腰の位置(体の重心の位置)が下がってしまっているフォームです。
これは必要以上に膝を曲げたまま走っていたり、後ろ足でけりだすときに膝が曲がったままで伸ばしていないことが原因とります。
膝を必要以上に曲げると、腰が後ろに傾いてしまい、腰と膝に大きく負担がかかるため、腰痛を発症させる原因となります。
対策
対策はやはりランニングの際のフォームを正してあげることです。
とはいっても、どのようにしたら正しいフォームでランニングをおこなえるかわからない…という人もいらっしゃるでしょうから、まずは下のポイントを意識してください。
●お腹とお尻に軽く力を入れて姿勢を正す
●後ろ足で地面を蹴って前に進むときは、膝を曲げたまま足首だけを使わずに、膝を伸ばして前に進むようにする
●膝と膝の間が離れすぎたり、ぶつからないように気を付ける。
●つま先が外や内を向きすぎないようにする
●上半身が前に突っ込みすぎないようにする
●顎を引いて目線を下げすぎないようにする
●肘は90度前後に曲げ、手は軽く曲げておき、腕を前に振らづに後ろに引く
2、合わないシューズを履いている
自分にあるランニングシューズを見つけることは、思っている以上に難しいことです。
サイズが大きすぎたり小さすぎたりと、靴擦れやマメができてしまい、それをかばうことで知らず知らずフォームが崩れて腰痛を発症してしまうことがあります。
またシューズのクッション性も自分に合っていないと長時間ランニングをおこなった際に、足底に痛みや疲れを感じやすく、それをかばうことでもランニングフォームが崩れることがあります。
私自身も、スポーツショップではぴったりだと感じても、実際に履いて走ってみるとしっくりこないということは多々ありました。
初心者の方はまだまだ実際にシュージュを購入して走った経験が少なく、なんとなくで購入してしまったり、スポーツショップなどに行くと店員の方がアドバイスをしてくれますが、初心者なのでそこまでシューズにこだわらないと近くのお店やネットで購入された際に、シューズが自分に合わないということが起こりやすいです。
対策
ランニングに適したシューズのサイズは、自分の足の長さから1~1.5cm大きいものと言われています。
さらにシューズは長さだけでなく横幅も大切で、足で最も横幅の広い親指の付け根のあたりがフィットするシューズを選んでください。
最近ではクッション性能の高いものや通気性に特化したもの、軽量されたものなど様々なランニングシューズがあり、用途によって違ったり、横幅もメーカーによって異なるため、できるなら知識を持った店員さんのいるスポーツショップで質問しながら選ぶのがおすすめですね。
3、いきなり思いっきりランニングをおこなう
初心者の方の中には、ウォーミングアップなしにランニングの際にいきなり思いっきり走り出すという人も少なくないでしょう。
しかし体が温まっていなくて硬くなった筋肉がある状態は、体がまだランニングをおこなう準備ができていない状態だともいえます。
そんな状態でいきなり体に負荷をかけることで、腰痛を発症させてしまう原因となることがあります。
対策
毎日の生活の限られた時間の中でランニングをおこなわなくてはならないのはわかりますが、ケガをしたり腰痛を発症させてしまっては元も子もありません。
まずはゆっくりから少しずつペースを上げて歩いていき、体温が少し上がってきたところで体操をおこない、その後にランニングを始めるようにしてみてください。
あと、ウォーミングアップの際にはストレッチで筋肉を伸ばしすぎないようにしてください。
4、ケア不足で筋肉の柔軟性が低下
これは初心者だけに限りませんが、ランニングの後や普段の生活でケアを怠っており筋肉の疲労が抜け切れないと、段々筋肉は硬くなって柔軟性を失っていきます。
特に太ももの筋肉やふくらはぎの筋肉、腸腰筋と呼ばれる腰から足につく筋肉など抗重力筋と呼ばれる筋肉の柔軟性が低下すると、腰椎を支える力が低下してしまったり、骨盤の動きがスムーズにいかなかったりして腰への負担が大きくなり、腰痛を発症する原因となることがあります。
対策
ここではとくにランニングの際に腰痛と関わりの深い、抗重力筋のストレッチを幾つかお伝えいていきます。
●ふくらはぎの筋肉のストレッチ
片足を伸ばし足首を軽く反らし、反対の足を胡坐をかくように膝を曲げて座り、その体勢から体を前に倒していきます。
ふくらはぎにツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
その際に伸ばした足の膝が曲がらないように、また背中を丸めないで腰から体を前に倒していくように注意してください。
●太ももの筋肉のストレッチ
床に座り、片足を伸ばして反対の足を正座をするように膝を曲げます。
その状態から体を少しずつ後ろに倒していき、太もも全面にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
●お尻の筋肉のストレッチ
床に座り両手を後ろにつき、片膝を曲げて反対の足を上の写真のように組みます。
後ろについた手の位置を少しずつ自分の体に近づけていき、お尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
できるだけ背すじを伸ばしたままで、腰を丸めないように注意してください。
●腸腰筋のストレッチ
上向きに寝て、片足を曲げます。その曲げた足を両手で胸の方に近づけていきます。この時反対の伸ばしている足の膝を曲げたり床から浮かないように注意してください。
すると赤丸の部分が伸びてくるので、その状態で15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
まとめ
ランニングをしていると傷めることがあるのが、膝や足首、太ももなどの足だけでなく腰部の部分です。
とくにランニング初心者の方はいきなり筋肉を酷使することになり、腰にかかる負担が多いため腰痛を発症しやすいんです。
その腰痛の原因となることが多いのがランニングのフォームや抗重力筋の柔軟性の低下、ウォーミングアップや体のケア不足です。
もしランニングを初めて腰痛が出てしまい悩んでいるという場合は、上記の対策を参考に腰にかかる負担を少しでも減らせるように参考にしてみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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