座ろうとする時の腰痛の原因と治し方
「電車で空いている席を見つけて腰かけようとすると腰が痛い」「立っているのはそうでもないけれど椅子に座ろうとするたびに腰が痛い」と悩んでいませんか?
腰痛持ちの方の中には立ってたり座ってしまうとそれほど腰は痛くないけれど、座ろうと腰をかがめた時に毎回腰痛が出てしまう…と悩んでいる人もいます。
歩いたり立っていたりするのはある程度大丈夫なのに、どうして座ろうとする時に腰に痛み出てしまうのか?今回はそんな座るときに腰が痛い原因や自分でできるケアの方法についてお伝えしていきます。
座ろうとする時に腰にはすごい負荷がかかる
そもそもなんですが、歩いたり立っていたりするのに対して椅子などに腰掛けようとする動作って、腰にそんなに悪影響なことでないと考えられている方は多いと思います。
ですが実は椅子や床などに座ろうとする動作っていうのはものすごく腰に負担のかかる動作なんです。
だいたいまっすぐ立っている時に腰にかかる負荷が1だとした時に、腰を前にかがめる動作は1,5倍の負荷がかかり、椅子に座って前かがみになる姿勢では1,8倍の負荷腰にかかると言われています。
ここで一度座ろうとする時の体の動かし方をイメージしてもらいたいんですが、多くの方体を前にかがめ腰を落としていき、途中で椅子に座て前かがみになるくらい腰を前にかがめますよね。さらにこの時お尻を椅子につくまでは浮かした状態で体が倒れないようにキープしているわけです。
まっすぐ立っているのに対して、座ろうとする時にはものすごい負荷が腰にかかってしまうことがなんとなくわかると思います。
つまりそれだけ腰を含め体が健康な状態でなければ、椅子に座るという動作を難なくこなすことは難しいことであるということです。
座ろうとする時に腰が痛い原因は?
座ろうとする時に腰が痛い原因も言い出せばいろいろあります。それこそ病院へ行けば坐骨神経痛、骨粗鬆症、年齢、腰椎椎間板ヘルニア等々いろいろ言われることがあると思いますが、実際にはそれらが座ろうとしたときの腰痛の真の原因になることは非常に稀です。
多くの場合は、座ろうとする時に腰が痛くなる他の原因があって、さらに腰椎ヘルニアや坐骨神経痛も合併しているといった表現が正しいと考えています。(もしヘルニアが痛みの原因であれば、椎間板が飛び出たところを手術して切らない限り痛みがなくならないわけですし、年齢で痛いのであれば治る見込みがないと言うことですよね。ですが年配の方でもヘルニアの手術をしていなくても座ろうとする時の腰の痛みが改善した人は沢山いらっしゃり、あなたの周りにもそんな方はいらっしゃるはずです)
ここではよくよく見られる、座ろうとすると腰が痛くなる3つの原因についてお伝えしていきます。
①股関節の動きが悪い
椅子に座ろうとするときには本来骨盤は前に傾き、股関節が屈曲(曲がって)して背骨のカーブを保ったままでお尻を椅子近づけていきます。
これが股関節が硬くなって動きが悪くなってしまっている人では、骨盤が前に傾かず股関節が硬くて屈曲されないので、その代用として腰の背骨がグッと丸まります。
そして腰の背骨が丸まってしまうことで、腰には大きな負担がかかることになるため痛みを出してしまいます。
②腰周辺の筋肉が硬くなってしまっている
腰の筋肉が柔軟な時には、上記のように腰の背骨が丸まって腰の筋肉が伸ばされても痛みを出すことはありませんが、硬くなってしまっていると腰の背骨が丸まり腰の筋肉が急に伸ばされてしまうと痛みを発症させます。
また、座るために腰を椅子や床に降ろしていく時の姿勢って空気椅子をするようなすごく中途半端な態勢をになります。
なのでそんな中途半端な状態でも転倒しないように、筋肉が体を支えてくれるわけですが、その体を支える筋肉が硬くなってしまっていると本来の力を発揮できずに、負荷に耐えられずに痛みを発症してしまいます
③体の使い方が悪い
腰の背骨のカーブを保ったまま腰を椅子に近づけていくよりも、腰を丸めてしまうほうが腰の筋肉や椎間板には大きな負荷がかかってしまいます。
座ろうとすると腰が痛い方は、無意識の間に足で踏ん張って体を支え膝を曲げて座ろうとするのではなく、腰から丸めてお尻を椅子に近づけていくような座り方をされていることがり、そのような体の使い方をされているために痛みを発症いていることがあります。
治すため自分でできるケアの方法
座ろうとする時の腰痛を治そうと思ったとき、病院で薬をもらって飲んでいるだけや様子を見ているだけではなかなか治っていかないことがあります。
これは薬を飲むのはあくまでも痛みに対しての対処方法でしかなく、様子を見ることで自然治癒力によって筋肉の状態が良くなることもありますが、ただでさえ今までの日常生活の結果で腰痛が出ているわけで、再発する可能性も少なくありません。
そのため、座ろうとする時の腰痛を治すためには、上記の原因を改善していくことが近道であると考えられます。
ここからは座ろうとする時の腰痛を治すために、自分で行えるケアの方法や体の使い方についてお伝えしていきます。
股関節の動きをよくする
股関節の動きが悪いことで骨盤が前に傾かず腰にかかる負担が大きくなっているので、股関節の動きをよくすることで腰にかかる負担を少なくすることができます。
股わりのように足を左右に広げていくストレッチや、床に座り足の裏を合わせて両膝を床に近づけていくような股関節のストレッチもいいんですが、ここでは立ったまま行える股関節の動きをよくするための運動をお伝えします。
足を左右に大きく開き、四股を踏むようにゆっくり膝を曲げて体を落としていきます。
スクワットのように下まで体を落とす必要はなく、最初は腰に痛みが出ない程度に軽く膝をまげ、慣れてくればハーフスクワットのように、膝を90度程曲げるところを目安にしてください。
膝を曲げるときにつま先と膝の向きがそろっていないと膝を痛める恐れがあるので注意してください。
また、体を下に落としていくときは背中を丸めずに背筋を伸ばしたままをキープして落としてください。
これを最初は10回位から、慣れれば回数を増やしてください。
腰周辺の筋肉の柔軟性を高める
腰周辺の筋肉が硬くなってしまっていると、座ろうとする時に筋肉が急に伸ばされることで痛みを発症してしまいます。なので柔軟性を高めることで痛みを発症しにくくなり、また柔軟になることで血液の巡りが良くなり筋肉が本来の力を発揮でき体をしっかり支えることができます。
腰周辺と言ってもお尻や太もも前の筋肉も関係しますが、ここでは直接痛みに関係する腰の筋肉のストレッチをお伝えしていきます。
椅子に浅く腰掛け、両足を肩幅よりやや広く開きます。
両手を頭の後ろで組み、体を前にゆっくり傾けていきます。
この時に、徐々に腰や背中の力を抜き、頭と腕の重みで前屈していくのがポイントですね。
そして膝より頭が下に来た位置で背中にツッパリを感じたところで20秒キープしてください。
お腹とお尻に力を入れる
座ろうとした時に腰痛が出る方は、体の使い方が誤っており背中が丸まって痛みを発症してしまっている方が多いです。
なので椅子に座るときには背中を丸めず、腰の背骨のカーブを保ったまま椅子に腰かけていくように意識してみてください。
この時、膝をしっかり曲げることも大切ですが、お腹を軽く引っ込めるようにし、お尻の穴を閉めるように力を入れることで背骨のカーブを保ったまま腰を落としやすくなります。
普段の日常生活で体を動かすことを意識する
これはプラスαで私の経験なんですが、座ろうとした時に腰痛が出る方は日常生活で同じ姿勢が続いたり、体を動かすことが少なく筋肉が硬くなったり弱くなっている方が結構多く思います。
ですので、普段の日常生活から運動習慣であったり、同じ姿勢を長時間続けないように時々体を動かすことを心がけてみてください。
まとめ
立ってたり歩いているのは大丈夫だけど、座ろうとした時に腰が痛くなるといった腰痛に悩まされている人は少なくありません。
そもそも立っているよりも、座ろうとした時の姿勢というのは腰に瞬間的にものすごい負荷がかかるため、その負荷に耐えれるくらい体の状態が良い必要があるんです。
そして座ろうとする時の腰痛の原因で多いのは「股関節の動きが悪くなっている」「腰周辺の筋肉が硬くなっている」「体の使い方誤っている」の3つがあげられます。
そのため、薬を飲んだりマッサージを受けるというのは対処療法でしかなく、根本から治していくためには上記の3つを改善していくことを心がけてみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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