腰痛は安静にすれば治る?
「3か月くらい前から腰痛になってまだ痛みがあるけれど安静にしていたほうがいいのかな?」「腰が痛くて家族には安静にしたほうがいいと言われるけれど一向に治る気配がない…」と悩んでいませんか?
上記のような質問は当店でもたまに聞かれることがあり、腰痛の時にはやっぱり安静にしていたほうがいいのかな?と疑問に思われている方もいると思います。
そこで今回は腰痛があるときには安静にしていると治るのか?についお伝えしていきます。
腰痛の時には安静にするより体を動かすほうが治りやすい
腰痛があるときには安静にしているほうが治るのか?について結論から言ってしまうと、実は体を動かすほうが腰痛は治りやすいです。
これは海外で以下のような調査結果があり、急性腰痛(ぎっくり腰など急な腰痛)の患者を「2日間、トイレ以外はベッド上で安静」にしているよう指示したグループ、理学療法士が指導して「身体を前・横・後ろの各方向に10回1セットで動かす運動」を行ったグループ、「なるべく普段の活動をする」よう指導したグループの3つに分けて追跡調査をした。その後、腰痛の持続期間や程度、欠勤日数、仕事への支障のていどなどを比較したところ、明らかに「なるべく普段の活動をする」グループが最も良く、次に理学療法士が指導したグループで、安静にしたグループが一番悪い結果だった。
このように安静にしているというのは腰痛が治るどころか、その足を引っ張てしまうんです。
そのため、じっとしていても常に腰に強い痛みがある方を除けば、腰痛を治したいのであれば安静よりも体を動かすほうがいいと考えられます。(ちなみにじっとしていても四六時中腰に強い痛みがあるという状態の時には、単なる腰痛でなく大きな疾患が原因のこともあるので、一度病院で検査を受けることをお勧めします)
でも立ってるのもやっとなんですが…
安静よりも腰痛を治すためには体を動かしたほうがいいとお伝えしましたが、中には「ぎっくり腰などで立っているだけでも辛いけれどそれでも動いたほうがいいの?」と悩まれる方もいるかもしれませんが、やはり私の今まで何人もの腰痛のお客さんを見せていただいてきた経験から言っても、動ける範囲で動くほうが改善が早いです。
ただし、立っているのも痛いのにそれを我慢して何十分も歩きなさいとは言いません。
まずは横になっている状態でもいいので、痛みのある腰を動かすのではなく、足首や腕、肩、股関節といた部分から少し動かしてみてください。
腰は体の要となる部分であるため、一見腰とは関係ない脚や肩、股関節をゆっくり動かすことでも影響をうけ筋肉の緊張が和らぎます。
そうやって腰以外の部分を動かした後はゆっくり四つん這いになってみてください。(四つん這いになろうと体を起こすときに腰に力が入ると痛みが出ることがあるので、腕や足を使って体を持ち上げてください)
四つん這いになったらその体勢で深呼吸を行い、次にゆっくりハイハイしてみてください。
四つ這いのポーズは、脊柱の生理的湾曲を引き出して、腰に関与する筋肉の緊張をやわらげます。
立っているのは辛いという場合でもこのように体を動かすほうが、改善が早いことが多いです。
もちろん腰痛を発症してから何日も経っていて少しは立ったまま歩けるのであれば、動ける範囲で腰痛がなかったころの日常生活に近づけてください。
安静にして治るのであればとっくに治っている
病院でも腰痛の時には薬を飲んで安静にしましょうといったことが言われることが多いので、腰痛の時にはいつまでたっても何となく安静のほうがいいんじゃないかと思われている方は非常に多いです。
ですが多くの方は安静にしてても痛いから病院などに足を運んでいるはずです。
それなら極端な話、安静にして腰痛が治るのであればすでに治っているはずです。
安静にしないといけないという考えが腰痛を作り出す
また、安静にする必要があると考えてしまうと、「安静にしないと悪化する」と、動くことへの恐怖を抱いてしまいます。
そうなると体を動かすと腰痛に襲われるかもしれないという想いが強くなり、痛みを常に探している状況に陥ります。
その結果腰痛に対して過敏になってしまうい、わずかな腰の違和感でさえもストレスに感じ、ストレス性腰痛を招くこともあります。
つまり安静にしないといけないという考えが、腰痛を作り出してしまうことがあるんです。
腰痛の悪化の道は善意で作られる
ここで安静にすることで腰痛が長引いてしまっているよくあるパターンを一つ紹介します。自分自身に当てはまっていないか?参考にしてみてください。
それは家族や友達から「痛いなら安静にしていたほうがいいよ」という言葉を受けとってしまうことです。
もちろん友達や家族は悪意があって言っているのではなく、痛みで歪むあなたの顔を見て心配し言葉をかけてくれています。
そしてそんな自分を心配しての善意の言葉だからこそ、その言葉をしっかり真摯に受け止めやすくなります。
ですが厳しいことを言うと、その善意の言葉をかけてくれる方々は体の専門家でなく、腰痛の方を多く見てこられたわけではないでしょう。
善意の言葉に反抗的な言葉で善意を無下にする必要はありませんが、あくまで行動を決めるのはあなたです。善意によって悪化の道が作られてしまうことがあるのは腰痛だけでなく世の中にはあるということも知っておいてください。
まとめ
腰痛になってしまって安静にしているけれどなかなか治らない…と悩んでいる方もいるでしょう。
結論からいってしまうと、安静にするよりも動ける範囲で体を動かしていくほうが腰痛は治りやすいんです。(あくまで筋・筋膜性腰痛に対してで、内臓疾患からの腰痛は動かすべきでないときがあります)
なので「腰が痛いなら安静にしていたら?」と優しく声を周りの方がかけてくれることもあるでしょうが、それを全部鵜呑みにしてしまうと知らず知らず腰痛が治るまでの期間が長引いてしまっていることがあることを頭の隅に入れておいてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
コメントをお書きください