レントゲンで異常ないけど首が痛い原因
仕事の時や車を運転している時に首に痛みを感じるようになって、病院で首のレントゲンを撮ってもらったけれど「異常は見当たらない」と言われ、薬だけ出された…と悩んでいませんか?
首に痛みが出て病院へ行って検査をしたけれど、特に異常が見当たらなかったという方がたまにいらっしゃいます。ですが本人からしてみれば、異常がないと言われても、首は実際に痛いわけでどうすればいいの?って気持ちになりますよね。
そこで今回はレントゲンで異常が見当たらない首痛の原因についてお伝えしていきます。
レントゲンではわからない
首の痛みで病院へ行ったときに、まず行われることが多いのがレントゲンだと思います。
そしてそのレントゲンの写真を見て、特に首に異常はないと言われるわけですが、実はレントゲンを撮っただけではわからないことっていろいろあるんです。
と言うのもレントゲンとは骨しか写しません。首の痛みの原因でよく耳にすることのある頚椎ヘルニアも、突出して神経を押さえる椎間板はレントゲンでは写らないんです。
もちろん医師もレントゲン画像だけでなく、骨と骨の間隔やあなたの伝えた症状やその度合いなどから頚椎ヘルニアの有無を予想されて答えを伝えられているんだと思いますが、それでも映らないことなのであくまで予想なんです。
つまりレントゲン検査だけでは骨以外の椎間板や軟骨、神経も映らないためにはっきりとした首痛の原因を突き止めるためには不十分なんです。
そのためもしレントゲンだけ撮って異常なしと診断され納得がいかないのであれば、MRIを撮ってもらうか病院を変える必要があります。
レントゲンで異常が見当たらなくて原因がわからない…と落ち込む前にこの事実は知っておいてください。
狭心症や心筋梗塞でも首に痛みを感じることがある
狭心症と言うのは、冠動脈という心臓に血液を送る血管の血流が一時的に悪くなり、心臓が酸欠状態となっておこる疾患です。
心筋梗塞は、冠動脈の血流がほとんど止まってしまい、酸欠によって心筋の一部が壊死(死滅)するほど悪化した状態をいいます。
心臓が原因で首の痛みが出ると言われてもピンときにくいかもしれませんが、内臓に異常が生じると、一般的にそれぞれの臓器に対して、体の表面の特定部位に痛みや、圧痛が出ることがあり、これを関連痛といいます。
臓器に起こった病気の情報は、脊髄を介して脳へ伝わります。ただし脊髄は皮膚や筋肉などの神経も支配しているため、神経が脳へ行く途中の脊髄で情報をやりとりする中で、脳が内臓の痛みを体の表面の痛みと誤って受け取ってしまうんです。
このように狭心症や心筋梗塞が原因で首に痛みが出ることがあり、もちろんこの場合首のレントゲンを撮っても異常を発見することはできません。
吐き気や呼吸困難、喉のつまり、胸の痛みなどがある場合には内科で一度検査を受けることも必要だと考えられます。
筋肉の問題で首痛が起こる
ここまでレントゲンで異常が見当たらない首の痛みの原因について、そもそもレントゲンだけでは骨しか写らない、狭心症などで首に痛みがですことがあるとお伝えしてきましたが、それらよりも圧倒的に多いレントゲンで異常がない首の痛みの原因が筋肉によるものです。
首周辺の筋肉が緊張し硬くなってしまうことで首に痛みを発生させてしまいます。
そしてレントゲンでは、筋肉の微少な損傷や硬結を写し出すことができず、そのため異常が見当たらないという結果になってしまうんです。
病院で薬だけで様子を見ましょうと言われるときには、首の筋肉の緊張が緩むのを待ちましょうという意味が含まれることが多々あります。(レントゲンなどでは写らずはっきり断定することができず、また病院では筋肉に対して熱心に治療に取り組んでいるところも少ないため、そういった説明を省かれることがほとんどですが。)
腰痛でも85%は原因不明で、その多くが筋肉の問題であるように、首の場合も同じことがいえると考えられます。
中には神経の問題でなく筋肉で痛みが出るの?と思われる方もいるかもしれませんが、狭心症や心筋梗塞の場合を想像してみてください。
血流が悪くなることで痛みが出るわけですよね。まさか狭心症なのに神経痛だと考える方はいないはずです。
筋肉も緊張し硬くなってしまうとその部分の血液の巡りが悪くなってしまいます。
また筋肉の中を通る神経も硬くなった筋肉に圧迫されることになります。
このように、筋肉が緊張することによって痛みを発症してしまうんです。
首をマッサージすればいい?
首の痛みが筋肉で起こっているのであれば、首をマッサージすればいいの?と思われるかもしれませんが、首の筋肉だけをマッサージすることはあまりお勧めできません。
と言うのも、硬くなった首の筋肉だけをマッサージでほぐすことはあくまで対処療法でしかなく、その時は少し楽になってもすぐにまた痛みが再発する方が多いためです。
また、首の筋肉は腰などに比べそれほど大きくなく、自律神経と関わりの深い筋肉もあるため、グイグイと強くもみすぎると痛みを出してしまったり、気分が悪くなってしまうこともあるからです。
なので首をマッサージするだけでなく、なぜ首の筋肉が緊張し硬くなってしまうのか?この部分から首痛を治すためには改善していくことが必要となります。
首の筋肉が異常を起こすのは首のカーブが減っているから
首の筋肉が硬くなってしまう要因はデスクワークだとか、運動不足だとかいろいろありますが、首の筋肉が硬くなってしまっている方でよく見られるのが首のカーブが減少してしまっていることです。
本来首の骨はまっすぐではなく、下の右のイラストのように軽く前腕のカーブを描いています。
首の筋肉が硬くなりやすい人は、左のイラストのように首のカーブがなくなり頭の位置が背骨の上からずれてしまっていることが多いんです。
頭はボーリングぐらいの重たさがあるんですが、その頭を支えるために首のカーブがなくなって頭が前に出てしまっていると筋肉にかかる負担がすごく大きくなってしまいます。
上の写真のように荷物を真上に持ち上げているのと、下の写真のように体よりも斜め前で持ち上げているのとでは、どちらのほうがしんどそうですか?
やはり体の斜め前で持ち上げているほうがしんどいでしょうし、あの体勢で過ごしていれば次の日に腕が痛くなっても仕方ありませんよね。
首のカーブが減ってしまっているというのは、頭を下の写真のように支え続けているのとよく似ているんです。
なので首の筋肉を硬くならないようにするためには、首のカーブを整え頭の位置を正すことが必要なんです。
首のカーブを作るためには骨盤が重要
そして首のカーブを正すためにも、首の骨ばかりを見ていてもだめです。
というのも、首の骨と言うのは宙に浮いているわけでなく、骨盤から腰の骨につながり、腰から胸の骨、胸の骨から首の骨とすべてつながっています。
そのため首のカーブは骨盤や首よりも下の背骨の影響を大きく受けます。
なので骨盤や首より下の背骨から整えないと、首のカーブや頭の位置はもとに戻らないんです。
つまり首の痛みを治すためには首の筋肉の緊張を取るだけでなく、骨盤や背骨などの体のバランスを整えていくことが大切なんです。
このあたりを意識して、ただ単にけん引したいり電気を当てたり、首をマッサージするだけでない病院なり整体院なりを選んでいただくと治る可能性が高まります。
まとめ
首が痛くて病院でレントゲンを撮ってもらったけれど、特に異常なしと言われると、それじゃあどうしたらいいの?と不安になりますよね。
レントゲンで異常がなくても首が痛くなる原因はいくつかありますが、そもそもレントゲンは万能なものでなく骨しか写らず、実際には頚椎ヘルニアも写らないということを知っておいてください。
そして狭心症や心筋梗塞でも関連痛によって首に痛みを出すことがあるため、吐き気や呼吸困難、喉のつまり、胸の痛みなどがある場合には内科で一度検査を受けることをおすすめします。
ですが、レントゲンで異常がない首の痛みの原因で圧倒的に多いのは、首の筋肉が緊張し硬くなってしまっていることです。
筋肉が硬くなると、その部分の血液の巡りは悪くなり、筋肉の中を通る神経も圧迫されてしまうことによって痛みが出てしまいます。
筋肉の緊張を改善するためには首だけをマッサージするのではなく、首のカーブを作るために、骨盤や背骨など体のバランスから整えることが必要となるため、病院や整体院を選ぶときにはそういったことも頭に入れて選んでいただければと思います。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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