腕や手を伸ばすと腰が痛い原因と治す方法
「家でくつろいでいてリモコンを取ろうとソファーに座っていて手を伸ばした時に腰に痛みが出た」「棚の上にあるものを取ろうと腕を伸ばすと腰が痛い」と、悩んでいませんか?
腰痛持ちの方の中には、立っていたり腰をかがめた時に腰痛が出るといったことはもちろん、腕や手を伸ばした時にも腰が痛いという方がいらっしゃいます。
一見すると腕や手と腰なんて関係のなさそうなものですが、どうして腕や手を伸ばした時に痛みが出てしまうのか?今回はその原因や治すためのケアの方法についてお伝えしていきます。
筋肉の問題で腰痛が出る
腕や手を伸ばした時に腰痛が出てしまう原因のほとんどは筋肉の問題で起こっています。
もちろん腰椎椎間板ヘルニアの方の中にもこのような時に腰痛を感じる方もいますし、もし病院へ行けばレントゲンやMRIを撮って「ヘルニアのせいですね」なんて言われることもあるかもしれませんが、その場合も腰椎ヘルニア自身の問題で腕をや手を伸ばすと腰痛が出るのでなく、腰椎ヘルニアを持っている方が筋肉の緊張など筋肉の問題も持っていて腰痛が出ているというのが正しい言い方だと考えられます。
つまり腰椎ヘルニアや狭窄症だから仕方ないのではなく、多くの場合腰椎ヘルニアや狭窄症を持っていても筋肉を整えてあげることで、腕や手を伸ばした時の腰痛は改善できるのです。
腕や手を伸ばすと腰が痛い原因は?
筋肉の問題で手や腕を伸ばすときに腰痛が出るとお伝えしましたが、筋肉と言っても体には何百と言う数があるため、もう少し深く腰痛の原因についてお伝えしていきます。
腕や手を伸ばす時に腰痛が出るのに大きくかかわる筋肉が広背筋と腸腰筋と呼ばれる筋肉です。
広背筋と言うのは上のイラストの赤線の部分にある筋肉で、腰の骨から背中を覆い腕についています。
そのため、手や腕を伸ばした時にはこの広背筋が伸ばされることになり、広背筋が緊張し硬くなってしまっていた時に腰に痛みを出してしまいます。
さらにモノを持ったりする時に、広背筋は体が崩れ落ちないように支えようと働くため、伸ばした手でモノを持つと伸ばされながら働くという筋肉にとってものすごく負荷のかかる状態になり腰に痛みを出してしまいます。
そして腸腰筋は、
上のイラストの赤線の部分にある筋肉で、腰や骨盤からお腹を通って足についています。
この筋肉は骨盤の動きを制御し姿勢保持のためにも働いてくれる筋肉でもあるため、腕や手を伸ばした時の不安定な体勢でも体を支え思った場所に手が伸ばせるように補助しようと働いてくれます。
そのため腸腰筋が緊張し硬くなって働きが低下してしまっていると、腕や手を伸ばした時に腸腰筋の代わりに腰回りの筋肉が体を支えるために働きながら伸ばされるために腰に痛みを出してしまいます。
薬を飲んでいれば治る?
腕や手を伸ばした時に出る腰の痛みをどうにかしたいと思ったときに、病院へ行くと薬を処方されることがほとんどだと思います。
それじゃあ薬を飲んでいれば腰痛は改善するのか?というと、上記のように筋肉の問題が原因であることがかなり多いため、薬の作用で一時的に痛みは収まったとしても、筋肉自体がよくなったわけではないので薬の効果が切れればまた痛みを出してしまいます。
もちろん薬を飲み続けて痛みをごまかしているうちに、腰にそれほど生活で負荷をかけなければ筋肉の緊張は徐々に和らぎ痛みが出なくなって行くこともあります。
ですがしっかり治していくためや短期間で腰痛を治すためには筋肉を治療していく必要があります。
腰痛を治すために自分で出来るケアや注意点
ここからは腕や手を伸ばした時にでる腰痛を治していくために自分で出来るケアの方法や日常生活の注意点をお伝えしていきます。
体の近くで作業を行う
「体の近くで作業を行う」簡単に言えば腕や手を伸ばさないようにすることです。
そうすると腰に痛みが出るんだから当たり前と言えば当たり前ですが、モノを取ったりする時以外の時にもです。
と言うのも、腕や手を伸ばして自分の体から遠くで何か作業すればするほど腰の筋肉には負担がかかるような構造に人の体はなっています。
反対に言えば、体の近くで作業を行えば腰にかかる負担は減少するんです。
簡単に思えるかもしれませんが、モノを持ち上げるときや掃除機をかけるとき、車で後部座席から荷物を取ろうとしたときなど、結構体から腕や手を遠ざけて作業を行ってしまっている時と言うのは存在するため、そのたびにわずかながら腰に負担を蓄積させてしまっているんです。
なので無意識でいるとついつい体から離れた場所での作業を行ってしまっているため、しっかり意識してみてください。
広背筋のストレッチ
上記でお伝えしたように、広背筋が硬く緊張することで腕や手を伸ばした時に腰に痛みを出してしまうため、この筋肉の緊張を取ってあげることが大切です。
ここではストレッチ方法をお伝えします。
両手をあげます(座っても立ったままでもOKです)。片方の手で広背筋を伸ばす側のもう片方の手首を掴み、斜め上へ引き上げてください。この時に上半身も横へ倒してください。
ポイントは腰を伸ばそうとするのではなく、わきのあたりを伸ばそうとイメージすることです。
背中にツッパリ感が出てきたらその場で20~30秒キープ 左右同じようにおこなってください。
腸腰筋のストレッチ
腸腰筋がしっかり働き姿勢を保持してくれないと腰の筋肉にかかる負担が大きくなってしまうため、この筋肉の緊張を和らげる必要があります。
ここではストレッチ方法をお伝えします。
上向きに寝て、片足を胸の方へ曲げていきます。
そこからさらに両手で曲げた足の膝をもち、肩の方に抱え込んでいきます。
この時反対の足は伸ばしたまま床から離さないようにしてください。
そうすると赤線で囲ったあたりが伸びてきますので、そこで15~20秒キープ。これを左右交互におこなってください。
腰の筋肉のストレッチ
腰の筋肉自体も緊張し硬くなってしまっていると、体勢によっては腕を伸ばした時に引っ張られるため腰に痛みを出してしまいます。
そのため腰の筋肉の緊張を和らげることで痛みを出しにくくなります。
ここでは1つストレッチ方法をお伝えします。
床に胡坐をかいて座り、片手を体の後ろにつきます。
後ろについた反対の手をあげ体を横へ倒していき、腰のあたりにツッパリを感じたところで15~20秒キープしてください。これを左右交互に行ってください。
まとめ
腕や手を伸ばした時に腰に痛みが出てしまう…と悩まれている方もいるでしょう。
ほとんどの場合その腰痛の原因は筋肉の問題によって起こっています。
特に広背筋や腸腰筋と呼ばれる筋肉が緊張し硬くなってしまっていると、腕や手を伸ばした時に腰回りの筋肉が伸ばされてしまうために腰痛を出してしまいます。
このような時には薬を飲んでいるだけでは治りを長引かせたり、なかなか治らないことがあり、筋肉を治療してあげることが大切です。
上記のケアの方法や日常生活の注意点を参考にし、意識して行ってみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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