ストレスが原因で頚椎ヘルニアになる?
最近忙しくて急に予定が入ったり、そんななか首が痛くて手がしびれるようになってきたので病院へ行くと、頚椎ヘルニアと言われた…これってストレスが原因なの?と疑問に思っていませんか?
腰痛がストレスによって起こるなんてことは最近たまに言われることがあるし、頚椎ヘルニアになるのもストレスが原因になったりするのかな?と思われている方もいるでしょう。
当店でも「頚椎ヘルニアってストレスでなることってあります?」なんて質問を受けたことがあります。
そこで今回はストレスが頚椎ヘルニアの原因になるのか?やストレスと頚椎ヘルニアの関係についてお伝えしていきます。
ストレスで自律神経が乱れる
ストレスが頚椎ヘルニアに影響を与えるのに大きく関わっているのが自律神経です。
自律神経というのは交感神経と副交感神経と呼ばれる二つの神経があり、人の身体はこの二つの神経が互いにバランスを取り合い、身体の機能を自動的にコントロールしてくれています。
これがストレスを過度にため込むと、交感神経の働きが強くなってしまいます。
すると交感神経が興奮することで、血流の抑制され血液の流れが悪くなることで疲労物質が溜まって栄養が巡りにくくなることで自然治癒力が低下したり、疼痛緩和システムの抑制され痛みを感じやすくなったり、筋の緊張を作り出し、頚椎ヘルニアの症状を悪化させてしまうことがあります。
ストレスで痛みに敏感になる
また自律神経が乱れ交感神経が優位になってしまうとドーパミンと呼ばれる、脳から痛みを緩和させるために分泌される物質の分泌量が低下してしまうため、痛みを敏感に感じ取ってしまうようになります。
このため頚椎ヘルニアによって起こる痛みをより強く感じてしまいやすくなり、痛みを悪化させてしまいます。
ストレスで新陳代謝が低下する
ストレスを過度にため込み交感神経が優位になってしまうと、疲労物質が溜まります。
疲労物質は肝臓で処理されるんですが、その量が増えるために肝臓はその処理をこなすだけで手一杯になってしまうため、その他働きが低下します。
その中には新しい細胞を生成するという働きもあり、この働きが低下してしまうため新陳代謝が著しく低下してしまいます。
新陳代謝が低下すると体の至る場所に悪影響を及ぼしますが、椎間板にも影響は及び繊維輪が劣化し弾力性を失って、クッションの役割を果たせなくなり潰れやすくなるので、その結果頚椎にもヘルニアが起こりやすくなります。
このように確かにストレスによって椎間板が潰れやすくなるため、頚椎ヘルニアを発症する原因になるときもあります。
ストレスで回復が遅くなる
ほかにもストレスによって自律神経が乱れたり、血液の流れが悪くなることで、頚椎ヘルニアの治癒のスピードが落ちてしまうことがあります。
これは、頚椎ヘルニアの際に突出し神経を圧迫してしまっている椎間板は、マクロファージという細胞に食べられることがわかってきましたが、このマクロファージが自律神経が乱れたり血液の巡りが悪くなることで働きが低下してしまいます。
つまりストレスによって、椎間板ヘルニアの回復が遅くなってしまうということです。
もちろんマクロファージの働きだけでなく、筋肉の緊張がとれにくくなることや、血液の巡りが悪くなり新鮮な酸素や栄養が巡りにくくなることも、頚椎ヘルニアの症状の回復を遅らせてしまいます。
ストレスだけで頚椎ヘルニアが起こってない
上記のようにストレスは頚椎ヘルニアの痛みなどの症状を悪化させたり、椎間板を突出させやすくしたり、回復を遅らせたりと大きく関係していることは確かです。
ですが、ストレスだけが原因で頚椎ヘルニアが発症するか?というとそうではありません。
椎間板は確かに潰れやすくなりますが、それでも周りの筋肉が柔軟であればちょっとのストレスくらいで硬くならずに、椎間板に掛かる負担を吸収してくれます。
身体のバランスが整って入れば首のカーブが保たれるため、そもそも首に掛かる負担が減り頚椎ヘルニアを発症しにくくなります。
このように、ストレスがあるからと言って必ずしも頚椎ヘルニアを発症するわけでなく、身体のバランスや骨盤のゆがみ、筋肉の柔軟性などが良い状態であればストレスがあっても頚椎ヘルニアを発症せずに済みます。
反対に、ストレスにこれらの状態の悪化が積み重なれば頚椎ヘルニアを発症しやすくなってしまいます。
つまりストレスだけが原因で頚椎ヘルニアが起こるわけではなく、その他の身体の状態が大きく関わるということです。
頚椎ヘルニアを改善させるためには?
それじゃあ頚椎ヘルニアを改善させるためにはどうすればいいの?ってことなんですが、もちろんストレスを減らすのも一つの方法です。
ですが、いくらストレスがなくなっても筋肉の状態が悪いままだと症状はなかなか改善していきません。
身体の歪みがあるままだと偏った場所に負担が蓄積するため頚椎ヘルニアが治りにくくなります。
頚椎のカーブに影響を与える骨盤が歪んだままだと、首のカーブが減少したままになるので頚椎にかかる負担が減らずに治ることの足を引っ張ります。
そのため、ストレスを減らすことと一緒に頚椎ヘルニアの根本となる原因も改善していくことが、頚椎ヘルニアを治すためには必要となります。
もう少し具体的に言うと、身体の歪みを整えたり、ストレッチや体操で硬くなった筋肉を和らげたり、運動習慣を身につけたり、姿勢を正して頚椎に掛かる負担を減らしたり、こういったことをストレスの解消と並行して行うことが効果的です。
ストレスはあくまで一つの要因
ストレスが頚椎ヘルニアの原因というよりも、あくまで一つの要因です。
なのでストレスを発散させても首の痛みや痺れはとれないときもありますし、ストレスがたまり気味の時でもその他の部分を改善してあげれば頚椎ヘルニアの症状が改善するときもあります。
ストレスだけに焦点を当てずに、もう少し視野を広げることが頚椎ヘルニアの症状をいち早く楽にするためには必要なことだと考えられます。
まとめ
頚椎ヘルニアってストレスが原因で発症するのかな?と疑問に思っている方もいるでしょう。
確かにストレスは自律神経を乱し痛みを感じやすくさせたり、頚椎ヘルニアの治りを遅らせたり、椎間板の弾力性をなくしヘルニアを発症させやすくしたりと、大きく関係していることは確かです。
ですが、ストレスだけで頚椎ヘルニアを発症することは非常にまれなことで、だいたいはそれ以外にも首周囲の筋肉の緊張や身体の歪みなど他の原因があります。
つまりストレスをなくしてもその他の原因があれば頚椎ヘルニアの痛みや痺れなどの症状がとれないことが多々あるということでもあります。
頚椎ヘルニアを改善するためには、ストレスだけにこだわらず、もう少し大きな視野で根本的な原因の改善も一緒に行っていくことが大切です。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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