低血圧で肩こりになるの?
昔から血圧を測るといつも低くて体がだるくて重い時が多く、最近は肩こりもひどく感じるけれどこれって低血圧のせい?と、疑問に思っていませんか?
私自身血圧はそれほど高いほうではなく、立ちくらみも結構するほうなんですが、かといって最高血圧が90を切ったことはないのでなんとなくしか低血圧の辛さはわかりませんが、当店に来られるお客様で低血圧の人の話を聞いていると、体のだるさなどかなり大変そうですね。
そしてそんな低血圧の体のだるさと共に肩までこってきたら、これって関係あるのかな?と疑問に思う方も少なくないでしょう。
そこで今回は低血圧で肩こりが起こるのか?など低血圧と肩こりの関係についてお伝えしていきます。
低血圧で肩こりが起こる?
低血圧で肩こりが起こることがあるのか?結論からいってしまうと、起こることがあります。
ただし低血圧=肩こりが起こるわけではなく、低血圧の時に起こり得る症状の中に肩こりがあるといったことです。
というのは、低血圧はどういうわけか病気としてあまり重視されていない面があり、高血圧に比べ国際的な基準がなく日本の病院では、最高血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下を目安としているところが多いですが、確定的なものではありません。
そして低血圧の時に起こりやすい症状が、頭痛・めまい・倦怠感・頭痛・不眠・食欲不振・下痢・便秘・息切れ・動悸・冷え等々があり、その中に肩こりが含まれます。
これらは必ずしも低血圧の時に起こるわけではなく、低血圧でも何ら症状の無いこともあります。
どうして低血圧で肩こりが起こる
ここからはどうして低血圧で肩こりが起こることがあるのか?の理由についてお伝えしていきます。
●血行不良によって
血行不良によって肩こりが起こるということは聞いたことがあるかもしれませんね。
実際に血液の巡りが悪くなってしまうと、筋肉には栄養や新鮮な酸素が運ばれず、疲労物質などの老廃物が溜まってしまうことで筋肉が緊張し硬くなり「こり」を発症させます。このため血行不良によって肩こりが起こってしまいます。
そして低血圧によって血行不良が起こるために、肩こりが発症することがあります。
●自律神経の乱れ
低血圧によって起こる血行不良で自律神経が乱れてしまうことがあります。
肩こりの時に多くの方がこりを感じる部分である僧帽筋と呼ばれる筋肉(下のイラストの赤の部分にある筋肉)は、自律神経の影響を大きく受けてしまうために、低血圧で自律神経が乱れると僧帽筋が緊張し肩こりを引き起こすことがあります。
また、胸鎖乳突筋と呼ばれる首すじ前の筋肉(下の写真の赤丸の部部にある筋肉)も同じように自律神経の影響を受けやすい筋肉であるため、低血圧によって硬くなりこりを発症させることがあります。
●食欲不振や下痢や便秘によって
低血圧は食欲不振や下痢、便秘など腹部に症状を発症させることが少なくありません。
腹部の調子が悪くなると経験があると思いますが背中は丸まった姿勢になってしまいます。またお腹の調子が悪くなると腹圧が安定せず、姿勢が悪くなってしまいます。
姿勢が悪いと肩こりになるということは聞いたことがあるかもしれませんが、低血圧で姿勢が崩れてしまうと肩こりが発症しやすくなります。
低血圧で起こる肩こりを改善するためには
低血圧によって起こる肩こりを改善するためには、単にこった肩だけをマッサージしたり、ストレッチや体操で筋肉を和らげるだけでは低血圧自体は変化していないため、またすぐに肩がこってしまうことが多いです。
なので根本的な原因である低血圧を改善することが必要となります。
そしてその低血圧はほとんどが病気ではなく、体質や日常生活の習慣によって起こっています。
ここでは低血圧によって起こる肩こりを改善するための対処法についてお伝えしていきます。
●早寝早起きの規則正しい生活を心がける
低血圧を改善するためには自律神経のバランスを整えることが大切です。
そのためには遅くまで起きたり朝をだらだら過ごさず、早寝早起きを心がけてください。
低血圧の人は朝が弱いことを言いわけにしがちですが、朝が弱いからといって夜ふかしが続くと、さらに朝の目覚めが悪くなるというように、悪循環におちいってしまいます。
●無理のない運動を心がける
低血圧の人は心臓から血液を送り出すポンプの力が弱っています。
そして運動は心臓のポンプ力を高めて血行をよくしてくれる作用があるため、普段から運動習慣をつけることが低血圧を改善するのに役立ちます。
また肩こりも運動不足で筋肉の伸び縮みが少なくなることによっても発症しやすくなるため、普段から運動を取り入れることは肩こりの改善にも役立ちます。
●ふくらはぎを鍛える
上記の運動と似ていますが、一般に低血圧の人は、脚や手などの末端部の血管の収縮力が弱く、血液の循環が悪くなりがちです。
そして血液の循環に大きく関わっているのが、第二の心臓と呼ばれることのあるふくらはぎの筋肉です。
そのためウォーキングや階段昇降でふくらはぎの筋肉を鍛えてあげることで血管の収縮力が高まり、血液の循環が良くなることで低血圧の改善に役立ちます。
●食事を正す
低血圧の人は、食欲不振などから食事をきちんと取らないことが多く、栄養バランスが悪くなりがちです。
特に朝食を抜くと体温や血圧などが上がらず、冷えや集中力の欠如など低血圧の症状も改善しにくくなります。
タンパク質をしっかり取り、また塩分には血管を収縮させて血圧を上げる作用や、食欲を増進させる働きがあり、食塩だけでなくミネラルや植物性たんぱく質が豊富なみそを積極的にとってみてください。
アルコールには血管を広げる作用があり、アルコールが体の中にある間は血圧が低くなりやすくなります。
またお酒の飲みすぎはアルコールを分解するために肝臓が働き過ぎになるため、血液が肝臓に滞ってしまい肩を含め全身の血液の巡りが悪くなってしまいます。なのでお酒の飲みすぎには気を付けてください。
そして女性に多いのが過度なダイエットで食生活が乱れてしまっていることです。
体重をコントロールすることは大事なことですが、無茶なダイエットは低血圧を招くなど、体にとって悪影響を及ぼす時もあるので気を付けてくださいね。
●水分を積極的にとる
循環する血液量を増やすためには一定量の水分は欠かせないものです。
流れる血液量を増やすことで、おのずと血流を押し出す圧力は高くなり、低血圧が改善されやすくなるからです。
なので血液量を増やす水分補給を積極的におこなっていくことが、低血圧による肩こりの対策の一つになります。
ただしいきなり大量の水分をとっても、そのまま血液量が増えるわけでなく、腎臓が急激に増えた水分に反応して尿をたくさん作ってしまい、体の中では受け入れられずに排出する働きが起こるためです。
血液量を増やして水分を余計に排出させないためには、腎臓を慣らしていくことが大切で、急激に量を増やすのでなく、長期の計画を立てて少しずつ水分の摂取を増やすことを心がけてください。
●姿勢を正す
上記でも姿勢が悪くなると肩こりになりやすいことはお伝えしましたが、本来背骨はS字のカーブを描いていて、頚椎(首の骨)の部分はなめらかな前弯のカーブを描いています。
この前弯のカーブがあるおかげで頭の重たさを分散し、肩や首の筋肉にかかる負担を少なくする構造になっているんですが、姿勢が悪く頚椎のカーブが減少すると、頭の重たさをうまく分散できないため、肩や首の筋肉にかかる負担が増します。
そうやって普段から姿勢が悪いところへ、低血圧によって血液の巡りが悪くなれば、肩こりを起しやすくなってしまいます。
また姿勢と自律神経は関係が深く、姿勢を正すことで自律神経が乱れにくくもなります。
そのため普段から姿勢を意識し正すことで肩こりや低血圧の改善に役立ちます。
このように、自律神経がしっかりと働けば低血圧を予防できたり、自然治癒力が向上するため、日常生活で作られる肩周りの筋肉の微小な傷もしっかりと回復できるため、肩こりを起しにくくなります。
まとめ
低血圧に悩む方の中には肩もこってこって…これって何か関係あるの?と疑問に思っている人もいるでしょう。
結論から言うと、低血圧の時に起こりやすいといわれる症状の中に肩こりが含まれます。
これは低血圧によって血行不良が起こったり、自律神経が乱れ肩の筋肉が緊張したり、お腹の調子が崩れやすくなるため、肩こりが発症しやすくなるからです。
そんな時に肩だけをマッサージしたり湿布を張ったりしても、低血圧が原因であるためすぐに再発することが多く、低血圧から予防していくことが大切です。
低血圧はその多くが病気でなく、体質や日常生活の習慣によって起こっているため、上記でお伝えしたような当たり前のことをしっかりと見直していくことがポイントとなります。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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