荷物の持ち運びで
腰椎ヘルニアを悪化させない対策
最近腰が痛くて足に痺れまで感じるようになって、病院で検査してもらうと腰椎椎間板ヘルニアと言われ、手術はしないで様子を見ているけれど荷物を運ぶ時にヘルニアが悪化しないかな…と、心配していませんか?
運送業のドライバー、引っ越し業で働いている人、倉庫で作業されている人などは重たい荷物を持ち運ぶことも多く、主婦なんかも洗濯物や買い物など結構重たいものを持ち運びますよね。
腰痛椎間板ヘルニアを持っていると、そんな作業の時に悪化してしまわないか?と不安に感じている人もいるでしょう。
そこで今回は、腰椎椎間板ヘルニアの方が荷物を持ち運びする時に、腰の負担を減らすためのポイントをお伝えしていきますね。
荷物を持ち運びするときのポイント
腰椎椎間板ヘルニアの方は荷物を持ち上げたり運んだりする時に、悪化しないか不安に感じることもあるでしょう。
実際に重い荷物を運んだり、頻繁に荷物の持ち運びをされる方は腰に負担がかかるため腰椎ヘルニアが悪化してしまう可能性もあります。
なので腰にかかる負荷を極力減らすことが必要となりますが、そのためのポイントが「荷物に体を近づける」「足を使って荷物を持ち上げるようにする」「腰や背中を丸めないようにする」の3つのポイントです。
●荷物に体を近づける
荷物の位置が体から離れてしまえばしまうほど、荷物を持ち上げる時に腰や身体にかかる負荷は大きくなるため、腰椎ヘルニアの症状を悪化させてしまう可能性が高まります。
遠くの物を取ろうとした時に、足はその場で体を前かがみにし腕を伸ばして荷物を持って移動させるなんて事は見ることも多くついついやってしまっている人も少なくないでしょうが、これはかなり腰に負荷がかかってしまう動作です。
できるだけ持ちあげ運ぶ荷物に足から近づき、荷物を足元に置くようにししっかりしゃがんで体全体を近づけてください。
●足を使って荷物を持ち上げる
腰や腕の筋肉というのはそれほど強いものではなく、腰や腕の筋肉だけに頼ってモノを持ち上げると、腰には大きな負荷がかかってしまい腰椎ヘルニアが悪化してしまうことがあります。
よく見かけるのが、床にある荷物を足は真っ直ぐなまま腕を伸ばして腰だけ曲げ持ちあげようとする行為です。ですがこれはものすごく腰にとっては負荷のかかることなので避けてください。
床の上にあるモノを持ちあげる時には、しっかり膝を曲げて荷物を持ち、上半身や腰で荷物を上げようとするのではなく、足を使って持ち上げるようにしてください
●腰や背中を丸めないようにする
人の背骨はS字カーブを描いていて、このS字カーブがあることで腰に直接負担がかからず、負担を分散できるような構造になっています。
そのため荷物を持ち上げる時に腰や背中を丸めてしまうと、腰にかかる負担は背中を伸ばした正しいフォームに比べて1,6倍にもなると言われており、腰椎ヘルニアを悪化させてしまうことがあります。
なので一つ下の写真のように背中を丸めてS字カーブを崩してしまわず、二つ目の写真のように背中や腰を丸めることなく身体を落とし、そのまま背中を伸ばしたまま荷物を持ち上げてください。
また靴を履いてモノを持ち上げる際には、履いている靴が腰にかかる負担に関係します。
ヒールなどの踵の高い靴は踏ん張りがききにくくなるため腰にかかる負担は大きくなってしまうため、できるだけ踏ん張りのきく靴を履くように心がけてください。
腰椎ヘルニアで荷物を持った際のケアは腰以外も大切
上記のようなポイントを意識して荷物を持ち運びしていただくと、腰にかかる負担は軽減しますが、それでもやはり筋肉は疲労し、腰椎ヘルニアは腰周辺の筋肉の影響を大きく受けるので、疲労した筋肉をそのままにしておくと症状が悪化してしまうことがあります。
なので荷物を持ち運びした後は筋肉のケアをしっかり行うことが大切です。
ただこの時に腰椎椎間板ヘルニアだからと言って腰周りの筋肉だけをケアしても効果が薄いです。
荷物を持ち運びするために使う筋肉は決して腰だけの筋肉ではないためです。
そこでここからは、腰椎椎間板ヘルニアの方が荷物を持ち運びした時のケアすべき筋肉と、そのストレッチ方法をお伝えしていきます。
●起立筋のストレッチ
腰から背中へとつく背骨に沿った起立筋という筋肉は、荷物を持ち上げたり、荷物をもったまま体が前に倒れてしまわないように姿勢を維持するために働いてくれます。
この筋肉が酷使され柔軟性が失われてしまうと、腰椎椎間板ヘルニアの悪化の原因にもなります。
●椅子に浅く腰掛け、両足を肩幅よりやや広く開き両手を頭の後ろで組みます
手は頭の後ろで組んだまま体を前にゆっくり傾けていきます。この時に徐々に腰や背中の力を抜き、頭と腕の重みで前屈していくのがポイントです。
そして膝より頭が下に来た位置で背中にツッパリを感じたところで20秒キープしてください。
●広背筋のストレッチ
荷物を持ち上げる時や、荷物をもったまま維持するために使われる背中の筋肉に広背筋という筋肉があります。
この筋肉が疲労し固くなって力を発揮できなくなると、その分腰周りの筋肉が荷物を持ち運びする際に酷使されることになるため、腰椎椎間板ヘルニアの悪化につながることがあります。
●床にあぐらを組んで座り、両手を上げ片手で反対の手首を握ります。
この時背筋が丸まらないように注意してください。
手首を握った方へゆっくりと斜め前に体を倒していってください。
背中にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。その後ゆっくり体を真っ直ぐに戻し手を変えて反対側も行ってください。
●お尻の筋肉のストレッチ
お尻の筋肉は骨盤を支え、荷物を持ち運びするときに腰の筋肉と一緒に上半身を支えるために働きます。
そのため、このお尻の筋肉が疲労し固くなってしまうと上半身を支えるための負担が腰に集中するため椎間板にも負担がかか、腰椎椎間板ヘルニアを悪化させてしまうことがあります。
仰向けでねて、片足を曲げます。その曲げた足の内太ももを両手で胸の方へ引き寄せてください。この時反対の足が床から浮かないように気を付けてください。
お尻のあたりにツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●太もも筋肉のストレッチ
荷物を持ち上げる時に腰と一緒に踏ん張ってくれるのが、太ももの筋肉です。
太ももの筋肉が疲労し固くなり働きが低下してしまうと、荷物を持ち上げるために腰の筋肉に頼ることになるため、椎間板にも大きな負荷がのしかかり腰椎ヘルニアが悪化しやすくなります。
●片足を正座をするように膝を曲げて座り、反対の足を伸ばします。
両手を体の後ろに置き、身体を後ろに倒すほど筋肉が伸ばされるので、体を後ろに倒していき太ももにツッパリを感じ始めるあたりで15秒~20秒キープ 。左右交互に行ってください。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアの方の中には、荷物を持ち運びすることが多くヘルニアが悪化しないか心配…という人もいるでしょう。
確かに荷物の持ち運びは腰に負担が大きいため、腰椎椎間板ヘルニアを悪化させてしまうことが多々あります。
なのでできるだけ荷物に体を近づけ、背すじを丸めず伸ばしたまま、足の力を使って持ち運びすることを心がけてください。
そして腰椎椎間板ヘルニアは筋肉の状態にも大きく影響を受けるため、普段からケアを行ってもらうことが症状を悪化させないために大切です。
その際は、腰だけではなくお尻や背中、足の筋肉も一緒にケアしていただくことで、さらに腰椎ヘルニア悪化のリスクを減らすことができます。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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