なぜ起こる?太ももが痙攣する原因と対策
最近腰が痛い時があったりしてたけど、急に太ももが痙攣しだして痛みも感じる…これって何が原因なの?と疑問に思っていませんか?
ふくらはぎがつったり痙攣したことがある方は多いと思いますが、太ももも痙攣をおこすことがあり、痛みを伴うことも少なくありません。
ただ突然、太ももの筋肉が痙攣すると驚いて何か病気なのかな?と心配される方もいると思いますので、今回は太ももが痙攣を起こす原因についてお伝えしていきます。
筋肉の問題
太ももが痙攣を起こす原因で多いのが、筋肉の問題によって起こるものです。
そしてその中でも「血流の悪さ」「運動不足」「筋肉の使い過ぎ」の3っつが太ももの痙攣の原因としてよく見られます。
●血流の悪さが原因
冷えや水分不足など、血液の巡りが悪くなってしまうと栄養や酸素は血液によって運ばれるため、筋肉の血液量が減ることで筋肉を動かすのに必要なグリコーゲンなど栄養素やエネルギーが不足してしまいます。
すると筋肉が収縮して、太ももの内側や裏側が痙攣したり、つったりしやすくなります。
そして筋肉が収縮することで『発痛物質』と呼ばれるカリウムイオン、乳酸、ブラジキニンなどの老廃物質がつくられるため、痛みや筋肉痛が発生します。
●運動不足が原因
運動不足も太ももの痙攣を引き起こす原因であり、これは普段動かしていない筋肉を急に動かしたことで、筋肉がその運動についていけず、つったり、痙攣したりしてしまうのです。
普段あまり体を動かしていなくて、旅行に出かけて沢山歩いた時や、運動に誘われ久しぶりに走った時、冬の間何もしてなくて暖かくなってロードバイクで遠出をしたときなんかに足に痙攣が起こった…なんて経験のある方も少なくないでしょう。
また普段から運動不足になると、血液の流れも悪くなってしまうためこれも太ももの痙攣を引き起こしやすくなります。
●筋肉の使い過ぎが原因
運動不足も太ももの痙攣の原因になる一方、運動などで筋肉を使用しすぎることによっても太ももに痙攣をおこしやすくなります。
運動のしすぎで、筋肉が収縮と緊張を断続的に続けて疲労し硬くなってしまうと、筋肉内の末梢神経が圧迫され神経の情報が乱れて筋肉が収縮しなければならないと誤作動を起こしてしまうことがあります。
肝臓の異常
太ももに痙攣が起こる原因として肝臓の異常によって引き起こされることがあります。
肝臓が悪くなることでミネラルバランスの崩れてしまい筋肉や神経の動きを調整する働きが乱れてしまうことや、アミノ酸代謝の異常が起きることが原因です。
また肝臓に異常が発生すると、正常な時には肝臓には約30%もの血液が貯留されていますが、それだけの血液の流れが滞ることで痙攣をおこしやすくなります。
他にも肝臓は胃腸で吸収された全ての栄養処理を行いますが、その栄養が過剰で処理しきれない場合、筋肉を痙攣させて燃焼させようとするとも言われています。
下肢静脈瘤が原因で
下肢静脈瘤とは足の血管の病気であり、静脈の中には「ハ」の字型の弁があって、立っている時に血液が足の方に戻ってしまう(逆流)のを防いでいます。この静脈の弁が壊れることによっておこる静脈独特の病気です。
弁が壊れてしまうと血液がたまりこぶのように膨れてしまいます。
つまり足の血液の巡りが悪くなり滞ってしまうことで、ふくらはぎや太ももに痙攣を起こしやすくなってしまうんです。
閉寒性動脈硬化症によって
閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化がすすみ、血管が細くなったり、つまったりして、充分な血流が保てなくなる病気です。
そのため足の筋肉に栄養が巡らなくなったり、老廃物が溜まったりすることで太ももに痙攣を起こす原因となります。
脳に異常がある
脳炎や髄膜炎など脳に異常が発生した場合、脳からの神経の伝達がうまくいきわたらないことによって太ももに痙攣を頻繁に起こすことがあります。
この場合、痙攣だけでなく発熱や吐き気、頭痛、ろれつが回らないなどの症状を訴えることが多く、こういった痙攣以外の症状がみられる時には病院で検査を受けてくださいね。
坐骨神経痛が原因で
脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、すべり症、梨状筋症候群などによって起こる坐骨神経痛が原因で太ももに痙攣が発生することがあります。
それは坐骨神経痛の原因である坐骨神経は、筋肉に指令を出す神経も含まれているため、これに異常が起こることで筋肉の働きが悪くなってしまうためです。
坐骨神経痛の症状として、筋肉の伸び縮みがうまくいかなかったり、疲労しやすくなることがあり、本来であればある筋肉が働くときにはその真逆の作用を持つ筋肉は自動的に緩むのですが、この筋肉どうしの連動がうまくいかず結果として痙攣が起きやすくなります。
太ももの痙攣の対策
ここまでは太ももが痙攣を起こしてしまう原因についてお伝えしてきましたが、ここからは痙攣に対する対策をお伝えしていきます。
●ストレッチ
太ももに痙攣を起こした場合、痙攣や痛みは筋肉が収縮して起こっているものなので、ゆっくり筋肉を伸ばすことで痛みを軽減することができます。
●片足を伸ばして反対の足を胡坐をかくように座ります。そこから体を前に傾けていき、太もも裏の筋肉をゆっくり伸ばしてください。
体を前に傾けるときに腰を丸めず、背すじを伸ばして骨盤から前に倒すことでしっかり太ももの筋肉をストレッチできます。
また太ももに痙攣が起こった場合は上記のように足のストレッチが効果的ですが、これは何も痙攣を起こした時に限らず普段から行うことで筋肉の柔軟性を保ち、疲労回復を促すことができるため、痙攣の予防にも役立ちます。
さらに普段からストレッチでケアする場所は足だけでなく、お尻や腰の筋肉も一緒にストレッチを行うことで腰痛や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症といった疾患の予防にもなりさらに痙攣を起こさないために効果的になるので、是非習慣にしていってくださいね。
●太ももを温める
太ももに痙攣を起こした場合、冷えや血液の流れの悪さが原因で痙攣を起こしていることも多いため、太ももを温めることが有効です。
●運動習慣をつける
運動不足によって筋力の低下や筋肉が柔軟性を失うことで太ももに痙攣をおこしやすくなるため、普段から適度な運動の習慣をつけることが予防のために大切です。
ただし運動を始める場合、いきなり張り切りすぎて無理をすると、その運動によって痙攣が起こり心が折れて運動が続かないという人が少なからずいるので、いきなり無茶をせずに徐々に運動量を増やすようにしていってください。
また普段の生活でも今までエスカレーターを使用していたのを階段を上り下りするようにしたり、買い物に行く際にも毎回車を駐車場の端に止めて歩くようにしたり、一駅手前で降りて歩くようにしたりとそういったこまめな運動も効果的です。
●体を冷やさない
体が冷えることで痙攣をおこしやすくなるため、ファッションであまり重ね着をしないで太ももを出すようにされている方もいるかもしれませんが、太ももや手先足先を中心に体全体を冷やさないようにすることを普段から心がけてください。
最近では夏でもクーラーによって外気温は高くても建物内はかなり冷えていることがあるので、気温の高い季節でも気をつけてくださいね。
●ミネラルを補給する
ナトリウム、亜鉛、カルシウムマグネシウム等、ミネラルのバランスが崩れることで痙攣を引き起こしやすくなるため、普段の食生活などでミネラルを補給できるよう心掛けてください。
またミネラルの補給が大切だといっても、食べ過ぎや脂モノをよく食べたり、お酒を大量に普段から飲んでいたりすると痙攣が起こりやすくなるので注意してくださいね。
まとめ
突然太ももに痙攣が起こるとびっくりして、何か病気かな?と心配になりますよね。
太ももに痙攣を起こす原因としては、「筋肉の問題」「肝臓の異常」「下肢静脈瘤」「閉塞性動脈硬化症」「脳の異常」「坐骨神経痛」などがあり、多くは血液の巡りが悪くなったり、ミネラルのバランスが崩れること、神経伝達がうまくいかないことによって起こってしまいます。
なので普段から運動習慣をつけたり食生活に気を付けたり、体を冷やさないこと大切になります。
ただし何度も頻繁に太ももに痙攣を繰り返したり、それ以外にも発熱や吐き気、頭痛、気分の悪さなどがみられる場合には病院で検査を受けてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
コメントをお書きください