咳やくしゃみで悪化する腰椎ヘルニア
腰が痛くて病院へ行くとMRIを撮って腰の腰椎椎間板ヘルニアだと診断された…。その後何とか一旦は痛みがおさまったけれど、最近花粉症で咳やくしゃみをしているとまた腰が痛くなってきた…と、悩んでいませんか?
腰椎椎間板ヘルニアの方の中には、咳やくしゃみをすると腰に痛みが出るという方も少なくないでしょう。
これは咳やくしゃみは腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させてしまう原因になるからです。
特に花粉が多く飛ぶ季節なんかは咳やくしゃみを連続して行うから腰が痛くて痛くて…と悩まれる方もいらっしゃいます。
でもどうして咳やくしゃみで腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまうのか?今回はその理由や対策についてお伝えしていきます。
なぜ咳やくしゃみで腰椎ヘルニアが悪化する?
ではいったいなぜ咳やくしゃみで腰椎椎間板ヘルニアの痛みや痺れが悪化してしまうのか?たかが咳やくしゃみと考えられている方もいるかもしれませんが、これらを行う時には瞬間的に腰には大きな負荷がかかってしまうんです。
特に姿勢と腹圧が腰椎ヘルニアの症状の悪化に大きく関わっています。
●腹圧が高まり悪化
咳やくしゃみを行う一瞬で、体は空気を口から勢いよく出そうとお腹に力入れて腹圧を高めようとします。
そしてその瞬間的に高まった腹圧によって腰の関節や椎間板に強い衝撃が加わります。 この衝撃によって腰椎ヘルニアの症状が悪化してしまうことがあります。
●急な前かがみによって悪化
さらに咳やくしゃみをする時に瞬間的に高まった腹圧の抵抗を少なくしようと身体が思わず前かがみになってしまいます。
この急な前かがみになることで腰や椎間板に負担をかけることも腰椎ヘルニアの症状を悪化させる原因です。
咳やくしゃみで腰椎ヘルニアが悪化させない方法
それでは咳やくしゃみで腰椎ヘルニアを悪化させないためにはどうすればいいのか?についてお伝えしていきます。
方法としてはいたって簡単で、咳やくしゃみをするときに椅子でも机でも壁でも何でもいいので、がっちりとしたモノに手を添えてください。
そしてその状態から背すじを曲げずに(背骨のカーブを崩さないように)咳をしてください。
これだけでも腰や椎間板にかかる負担をかなり軽減することができます。
普段から筋肉の柔軟性を保つ
上記のように咳やくしゃみをするときに、何かに手を添えることも腰椎ヘルニアの症状を悪化させない方法なんですが、さらに普段から腰周りの筋肉を柔軟に保っておくことで、咳やくしゃみをしたときにかかる負担を筋肉が吸収し症状の悪化を防いでくれます。
ここでは特に咳やくしゃみと関係の深い筋肉のストレッチをお伝えしていきます。
●大腰筋
腰からお腹を通って足につく筋肉で、咳やくしゃみの瞬間にはお腹に力が入るため、この筋肉にも負担がかかります。
そのためこの筋肉が硬くなってしまっていると腰に痛みを起こしやすくなります。
ストレッチ方法
上向きに寝て、片足を胸の方へ曲げていきます。
そこからさらに両手で曲げた足の膝をもち、肩の方に抱え込んでいきます。
この時反対の足は伸ばしたまま床から離さないようにしてください。
そうすると赤線で囲ったあたりが伸びてきますので、そこで15~20秒キープ。これを左右交互におこなってください。
●腰方形筋
肋骨や背骨から骨盤につく筋肉で、咳やくしゃみで体がとっさに前かがみになる瞬間に伸ばされるため、柔軟性を失っていると腰に痛みを起こしやすくなります。
ストレッチ方法
背中を伸ばしてあぐらをかて座り、伸ばす側の手を高くあげます。反対の手はやや後ろ斜めにおいてください。
そこから床に着いた手に体重をかけて徐々に体を横に倒していきます。
この時にお尻が床から浮かないように気を付けてください。
腰の部分にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。これを左右交互におこなってください。
●起立筋
背骨に沿って付く筋肉で、この筋肉は咳やくしゃみによって急に前かがみになった際に、体が前に転倒しないようにバランスをとろうと働いてくれます。
そのため瞬間的に大きな負荷がかかる筋肉であり、柔軟性を失っていることで腰に痛みを引き起こします。
ストレッチ方法
あぐらをかくように膝をまげて座ります。この時あぐらのように足は組まずに前方で膝を90度に曲げて両足の裏を付けます。
そして、足先を持って体を前に倒してください。
この時ポイントはできるだけ背中を丸めるようにすることと、膝の角度を90度に維持することです。膝を曲げすぎて前屈すると、違う内またの筋肉を伸ばすポーズになってしまいます。
腰から背中にかけて伸びを感じたところで15~20秒キープしてください。
腰椎椎間板ヘルニアを悪化させない方法
ここまでは咳やくしゃみの時の対策についてお伝えしてきましたが、そもそも普段の生活によって腰椎椎間板ヘルニアが悪化していくほど、咳やくしゃみの際ももちろん痛みが出やすくなります。
なので普段の日常生活から腰椎ヘルニアを悪化させないことが何よりの予防になります。
ここからは腰椎ヘルニアを悪化させないために普段の生活で気をつけることについてお伝えしていきます。
●姿勢を意識する
普段から腰から背中が丸まっている人もいるでしょう。こうなると同じように立ったり座ったりしていても、姿勢の良い方に比べると腰にかかる負担は大きくなってしまいます。
そしてそれが毎日毎日続くことで、どんどん蓄積されて腰椎ヘルニアが悪化してしまいます。
なので普段から姿勢を意識し、立つときには耳・肩・くるぶしのやや前方が一直線になるように気を付けてください。
姿勢を正すためのポイントは、お腹を少しひっこめ力をいれ、お尻の肛門を閉めるようにしていただくことです。
●座っている時間を短くする
座っている姿勢というのは一見するとリラックスしているように思うかもしれませんが、立っている時と比べる座った姿勢はそれだけで1,4倍もの負荷が腰にかかっています。
さらに座る時間が長くなることで、腰椎を支える筋肉も硬くなって柔軟性をなくしてしまい、より腰椎ヘルニアが悪化しやすくなってしまいます。
デスクワークなどで座ることがどうしても多い時にも、時々立ち上がったり体を動かすことを意識してください。
●体を動かすようにしましょう
どうしても腰椎ヘルニアで痛みや痺れがあると動くことがおっくうになる方もいるでしょう。
ですが上記のように体を動かすことが減ってしまうと、筋肉が柔軟性を失いさらに血液の巡りも悪くなることで椎間板にも負担がかかりやすくなり、回復力も落ちてしまうため、腰椎ヘルニアが悪化しやすくなってしまいます。
激しい運動を行う必要はありませんが、日ごろから体を動かすことを意識してください。
●低い椅子や柔らかい椅子は避ける
床に座ったり、低い椅子に座ることで股関節の屈曲が深まり腰にかかる負担が大きくなります。
そのためやわらかいソファーや低い椅子に座ることは避けるようにし、座る場合も長時間いならないよう気を付けてください。
●暴飲暴食をやめる
食べ過ぎで太って体重が増加することで腰にかかる負担は大きくなり、また食べ過ぎ飲みすぎで内臓に負担をかけることによっても腰周りの筋肉は硬くなったり血液の巡りが悪くなることで、腰椎ヘルニアが悪化してしまいやすくなります。
普段から食べ過ぎや飲みすぎてしまわないように、食生活にも気を付けてください。
まとめ
風邪をひいたり花粉症になって咳やくしゃみを繰り返していたら、腰椎椎間板ヘルニアが悪化した…という方もいるでしょう。
これは咳やくしゃみによって腹圧が高まったり、瞬間的に体が丸まってしまうことで腰や椎間板に負荷がかかり、腰椎ヘルニアが悪化する原因になることがあるからです。
なので咳やくしゃみをする場合には、どこかに手を置いて負担を軽減させたり、普段から腰の筋肉の柔軟性を保つことが悪化予防のために大切になります。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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