腰椎ヘルニアの時にお酒って飲んでいい?
腰が痛くてお尻や足に違和感もあり、病院では腰椎椎間板ヘルニアと診断されたけれど、こんな時ってお酒って飲んではいけないのかな?と、疑問に思っていませんか?
腰椎椎間板ヘルニアと病院で診断された人の中には、お酒が好きで好きで…なんて方も当然いると思います。
ただ、お酒っていろいろな病気で控えるように言われることが多いし、腰椎椎間板ヘルニアはどうなのかな?と疑問に思っている方もいるでしょう。
そこで今回はお酒のアルコールと腰椎椎間板ヘルニアの関係についてお伝えしていきます。
腰椎ヘルニアの時にお酒っていいの?
腰椎ヘルニアの時にお酒は飲んでもいいのか?症状が悪化しないのか?というと、できれば控える方がいいと考えられます。
というのも、お酒やアルコールによって腰椎ヘルニアが悪化する可能性があるからです。
もちろん「お酒を飲む=腰椎椎間板ヘルニアが悪化」というような、単純なことでなく、お酒をやめれば腰椎ヘルニアが治るといった単純なことでもありません。
それよりも普段の生活の習慣や運動の有無、体の使い方、姿勢などの方が腰椎椎間板ヘルニアの症状に大きく関係し悪化の原因になることも多いです。
ただ、お酒やアルコールの飲みすぎが腰椎椎間板ヘルニアに悪影響を与えるのは確かです。
お酒やアルコールと腰椎ヘルニアの関係
では実際にはお酒やアルコールがどのように腰椎椎間板ヘルニアに影響を与えるのか?ここからはお酒やアルコールと腰椎椎間板ヘルニアの関係についてお伝えしていきます。
●アセトアルデヒド
お酒によって体内に取り込んだアルコールはそのほとんどが肝臓で処理されます。
その際アルコール脱水素酵素によって、アルコールはアセトアルデヒドという物質に分解され、その後さらにアセトアルデヒド脱水素酵素によって、アセトアルデヒドは無毒な酢酸になり処理されます。
ただ、お酒の飲みすぎや体調不良などによりアセトアルデヒドが正常に分解できず身体の中に残ることがあります。
するとこの分解されずに残ったアセトアルデヒドが様々な体内の組織に流れ込んでしまった場合、炎症を引き起こすことがあります。
この炎症が腰椎椎間板ヘルニアをおこしている腰周辺で起こってしまった場合、炎症によって腰痛がひどくなったりお尻や足の痺れが悪化してしまうことがあります。
●肝臓が働き過ぎる
上記でお伝えしたように、お酒を飲むことで体内に入ったアルコールはそのほとんどが肝臓で処理されるため、飲みすぎによってアルコールを大量に取り込んだ時には肝臓が休む間もなく必死で働くことになります。
すると肝臓もやはりそれだけ酷使されると疲れて働きが低下してしまいます。
肝臓には平常時、体内の約30%モノ血液が貯留されているため、肝臓が疲労して働きが低下するとそれだけの血液が滞ってしまうため、全身の血液の巡りがわるくなってしまいます。
本来血液によって筋肉や細胞に栄養や酸素が運ばれ、疲労物質などの老廃物が流されるんですが、その血液の巡りが悪くなるということは、椎間板にも栄養が供給されにくくなるので椎間板の変性(劣化)が起こりやすくなってしまいます。
さらに腰周辺の椎間板を支える筋肉の血液の巡りが悪くなってしまうと、日常生活によって傷ついた筋肉が回復しずらく、疲労も抜けきれなくなるため、腰の椎間板にも負担がかかりやすくなり腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまうことがあります。
●体温が低下する
お酒を飲むと体がほてって…なんて経験は多くの人がもっているでしょうが、少量の飲酒は血行を促進しそれによって体温も高まります。
ですがお酒を飲みすぎると話は変わってきます。お酒を飲むことで利尿作用が働きどんどん水分を排出し、その時にビタミンやミネラルも一緒に流れ出てしまうんです。
すると体温はどんどん下降していき、さらには内蔵へも負担がかり、アルコールによって上げられた体温がそのまま冷やされてしまうため、身体の筋肉がどんどん柔軟性をなくし硬くなっていきます。
硬くなればさらに血管を圧迫し血液の巡りを悪くしたり、背骨を支える働きが低下することで腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまう可能性があります。
●睡眠の質の低下
眠りにくい時に少しお酒を飲むと眠りやすくなる、という経験をされたことのある方もいるでしょう。
事実お酒を飲むことで眠りに落ちるまでの時間は短くなると言われています。
ただしお酒の睡眠導入効果はあくまで短期的なもので、総合的にみると深い眠りのレム睡眠を妨げかえって睡眠は浅くなってしまうんです。
睡眠というのは疲労や傷ついた体を回復させるために必要なもので、その質が落ちるということは自然治癒力が低下してしまうということでもあり、椎間板も変性(劣化)しやすくなってしまいます。
お酒を飲む環境
上記のように多量にお酒を飲むことで、腰椎椎間板ヘルニアに悪影響を与えてしまいますが、さらにお酒を飲む環境も腰に負担をかけやすくそれによっても腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまうことがあります。
●長時間同じ体勢
お酒を飲んでいる時に姿勢などを意識されている方はかなり少数だと思います。
さらにこれがお酒の量が増えれば増えるほどますます姿勢にまで気を回すことが困難となっていきますよね。
特によく見かけるのが腰が丸まった姿勢でお酒を飲まれている人ですが、腰が丸まり背骨が持っているS字カーブが崩れてしまうと腰や椎間板にかかる負担は姿勢が良い時よりもはるかに大きくなってしまいます。
このような姿勢で長時間飲み続けてしまうことで腰の筋肉はどんどん緊張し硬くなっていき、腰椎椎間板ヘルニアを悪化させてしまうことがあります。
●食べ過ぎてしまう
お酒を飲んでいるとついつい食べ過ぎてしまったり、脂モノや味の濃いモノが欲しくなるという方も少なくないでしょう。
これはお酒を飲み肝臓がアルコールを分解する際に、体内の水分や塩分、電解質を多量に消費するため、こってりしたものが欲しくなるのが一つの要因です。
そして脂モノや味の濃いモノを食べ過ぎてしまうことで胃腸も疲労してしまうと、胃腸の周りにある背中や腰の筋肉も影響を与え緊張させ硬くしてしまいます。
すると腰周りの筋肉の血液の巡りも悪くなり、働きも低下してしまうことで腰椎椎間板ヘルニアを悪化させる原因となりえます。
お酒は悪いことばかりでない
ここまではお酒やアルコールが腰椎椎間板ヘルニアに与える悪影響をお伝えしてきましたが、お酒は百薬の長という言葉もある通り適量であれば血液の巡りを良くしてくれますし、ストレスの解消にもひと役買ってくれます。
さらにお酒好きの方にとっては、全く飲まないこと自体がストレスとなり腰に悪影響を与えることも考えられます。
このように必ずしも悪いモノではありませんが、やはり「用量を守って」というのが肝になりますね。
まったくゼロにする必要はありませんが、休肝日を作ったり毎日の飲む量を見直してくださいね。
腰椎ヘルニアの方がお酒を飲む時のポイント
ここからは腰椎椎間板ヘルニアもちがアルコールと上手に付き合っていくためのポイントを紹介していきます。
●痛みのある時はできるだけ飲まない
痛みがあっても飲んでいる時は大丈夫だったのに、翌日になると痛みがさらに悪化してしまってた…なんてことも少なくはありません。
先ほどお伝えしたように、お酒を飲むことで肝臓が疲労したり、炎症を起こしたり、腰周りの筋肉が緊張してしまうことで痛みが悪化してしまうことがあります。
痛みがあるということは、体の調子も万全でないというサインです。それに追い打ちをかけてしまわないよう、痛みのある時にはできるだけお酒を飲まないように気を付けてください。
●内臓に負担をかけない食生活
内臓が不調であればあるほど、お酒を飲むことで腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化しやすくなります。
そのため普段から脂モノを食べ過ぎず、ミネラルを補給し、良質なたんぱく質を取り入れるなど、内臓を健康に保つよう心掛けてください。
●適正な飲酒量を守る
一日の飲酒量の目安としては、ビール500ml、日本酒1合(180ml)、ウイスキー・ブランデー60ml(ダブル)、焼酎72ml、ワイン200mlが推奨されています。
たまに飲み会などでそれ以上飲んでしまう日があるのは構いませんが、普段の飲酒量は上記のを意識して飲みすぎてしまわないようにしてください。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアに悩んでいる人の中には、お酒って飲んでもいいのかな?と疑問に思っている人もいるでしょう。
お酒やアルコールの飲みすぎは腰椎椎間板ヘルニアを悪化させる原因になります。
これは「アセトアルデヒドによって」「肝臓の疲労」「体温の低下」「睡眠の質の低下」によって、または飲む時の姿勢や食べ過ぎることが原因です。
まったく駄目だと言われると、お酒が好きな人にとってはストレスになってしまうでしょうし、お酒は百薬の長という言葉もあるようにプラスに働く面もあるため、適量を守りうまく付き合っていくことが大切です。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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