身体の冷えが腰痛の原因になる
もともと冷え性で夏でも冷房が苦手で、寒い時期になるとよく腰が痛くなるけれど、これって体の冷えと何か関係があるのかな?と、疑問に思っていませんか?
寒いと腰が痛い…なんて人は少なくなく、当店に来られるお客様の中にも冬になって寒くなると「腰が痛い」「腰痛が悪化する」と言われるかたは結構いらっしゃいます。
というのも体の冷えによって腰痛は悪化しやすくなってしまうからです。
でもどうして体が冷えると腰痛が出やすくなってしまうのか?今回は冷えによって腰痛が悪化してしまう原因などについてお伝えします。
本当に冷えで腰痛が出やすくなるの?
そもそも冷えるとなんとなく体に悪影響な気はするけれど、腰痛が本当に出やすくなるの?と疑問に思われている人もいるでしょう。
これは実際に寒い環境の中で働いた人たちと、普通の温度の中で働いた人たちの腰痛の起こる割合について計測されたデータもあるくらいで、寒い環境で働いた人は、普通の温度で働いていた人たちに比べ4,8倍腰痛を訴えたそうです。
このように体の冷えは腰痛の原因になりえると考えられ、ここからは体が冷えると腰痛が起こりやすくなる原因について考察して行きます。
血流が悪くなる
冷えによって腰痛が起こる原因として血流の悪さがあり、体が冷えてしまうと、それ以上体温を逃さずに保持しようとして血管が収縮します。
すると体をめぐる血液の流れが悪くなり、当然それは腰にも影響を与えます。
血液の巡りが悪くなると血液によって運ばれる栄養や酸素が届かず、疲労物質などの老廃物が流されずにとどまってしまうため、これによって筋肉は緊張し柔軟性をなくし、痛みを出しやすくなるため腰痛も起こりやすくなるんです。
筋肉が硬くなる
寒くて体が冷えると、無意識に体に力が入ってしまう…という経験をお持ちの人は多いでしょう。
このように寒くなると私たちの身体は、筋肉を収縮し熱を逃がさないようにします。
つまり筋肉は収縮し硬くなり柔軟性をなくすということです。するとその部分の血液の流れは悪くなるため、これによって腰痛が起こってしまったり、硬く収縮した筋肉の中にある神経が収縮することによって圧迫され痛みを起こすこともあります。
不自然な体勢が多くなる
寒くなるとついつい体を丸くしてしまうといった経験をお持ちの人は少なくないでしょう。そういった不自然な姿勢が腰痛の原因になることがあります。
体が冷えてしまうと体温を逃さないために背中を丸めたり、冷たくなった手や足を体の一部で挟んでみたり、不自然な姿勢が多くなってしまいます。
そういった姿勢は体のかなめとなる腰の部分の筋肉に負担を与えたり、骨盤や体を歪めてしまう原因となり、これらによって腰痛が発生してしまうことがあります。
内臓の不調によって
体が冷えてしまうことで胃腸などの内臓も血流が悪くなり、胃腸の働きが悪くなって胃粘液が減り胃腸が緊張状態になってしまうと、その周りにある腰の筋肉にも緊張が伝わり、腰周りの筋肉も硬くなってしまうことで腰痛が起こりやすくなります。
また肝臓の働きが低下してしまうと、肝臓にはもともと多量の血液が貯留されており、それが肝臓にとどまったままになるとさらに血液の巡りが悪くなることに拍車をかけ、腰痛を発症しやすくなってしまいます。
冷えが原因の腰痛対策
上記のように体が冷えてしまうことで腰痛を引き起こすことが足ますが、ここからは冷えによって起こる腰痛の対策についてお伝えしていきます。
冷えによって起こる腰痛を改善するためのポイントは血液の循環をよくしてあげることです。
ただし温めて血液を巡らせるにしても、運動をおこなうにしても腰だけではなく足やお尻など下半身全体の血流を良くすることも大切です。
これはお腹には内臓が集まっているため、お腹が冷えたままでは内臓の働きが低下し血液の巡りが滞ってしまったり、足の運動不足になると足は心臓から一番離れていて、しかも重力に逆らって血液を送り返さなければいけないため、末端の血液を心臓に送り返せなくなってしまったりといったことが起こってくるためです。
冷えが原因となる腰痛を改善していくためには、こういったことを頭においといてください。
1、適度な運動をする
適度な運動によって体を動かすことで、血液の巡りが良くなり血流の滞りが解消され冷えが起こりにくくなります。
そして運動不足になることで筋肉量が減り、筋肉と共存する毛細血管も失われると言われています。毛細血管が失われれば血液の巡りが悪くなってしまうことで冷えが起こりやすくなります。
実際に老化と運動不足によって60歳までに4割の毛細血管が失われると言割れるというデータもあり、こういった毛細血管を少なくしないためにも運動は大切です。
また運動によって筋肉が伸び縮みすることで、筋肉の緊張状態が和らぎ腰周りの筋肉の柔軟性が戻れば腰痛は軽減しやすくなります。
冷えを改善するためには20~30分のウォーキングでも効果が見込め、ウォーキングを行う際には歩幅を大きくとり、肘をしっかり引き、少し早足で歩くことを意識してください。
まとまった時間を取れないときにも、エレベーターやエスカレーターを使用せず階段を昇り降りしたり、買い物へ歩いて出かけたり、駐車場は目的地から離れた場所に車を止めるようにしたりと、極力日常生活で体を動かすことを意識してください。
2、ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれることがあるくらい、血液の巡りに大きく関わっています。
これは体中を巡ってきた血液を再び心臓に送り込む働きをしているからです。
なのでふくらはぎの筋肉の柔軟性が低下してしまうと、末端の血液をうまく心臓に送れなくなるため、冷えが起こりやすくなり腰痛の要因となります。
さらにふくらはぎの筋肉は床からの反発力が直接腰にかからないように吸収する働きも担っていて、ふくらはぎの筋肉が硬くなっているとその九州がうまくできずに腰にかかる衝撃が大きくなり、腰痛の原因にもなります。
なのでふくらはぎの筋肉を柔軟に保つことが冷えや腰痛を予防するためにも大切です。
ここでは冷えや腰痛を予防・改善するための、ふくらはぎのストレッチ方法や運動方法をお伝えします。
●片足を伸ばして反対の足をあぐらをかくように曲げて床に座ります。
伸ばした足のつま先を立てて、膝を曲げないようにゆっくり体を前に倒してください。
ふくらはぎにツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
●両手肩幅より広く開いてを壁について足を前後に開き、前方の足の膝を曲げて後方の足は膝を伸ばしたままにしてください。
重心を前にかけていきふくらはぎが突っ張るところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
●いわゆるつま先立ちです。
両手を壁に添えて、ゆっくりとかかとを上げていきつま先立ちをおこないます。
そこからすとんと力を抜くのでなく、ゆっくりをかかとを床におろしてください。
つま先立ちをおこなう時には背中を丸めたりしないで、かかと、膝、お尻を一直線に保ことを心がけてください。
ただし普段から運動不足の方は、体の外側に体重がかかってしまっている人が多く、下の写真のように足をまっすぐに持ち上げられていない人がいるので注意してください。
3、お風呂にゆっくりつかる
一人暮らしの肩の中には体を洗うときはシャワーですませるなんて人も少なくないでしょう。
ですがやはり入浴はカラダがリラックスして血流や代謝が向上し、疲労回復や体のコリ、冷え性解消にも期待ができるため、湯船につかり体をしっかりと温めるためにも、2~3日に一度は湯船につかるようにしてみてください。
入浴時間が短すぎるとカラダの表面は温まりますが、芯は冷えたままになるため、休日などには体にとって負担の少ない38~40℃のぬるめのお湯に
肩までしっかりと20分を目安に浸かることも、体を温めることに役立ちます。
ただし熱すぎるお湯に浸かるのは、なんだか温まるように思う人もいるかもしれませんが、リラックスどころか内臓や心臓など体にとっては負担になることもあるので気を付けてください。
そしてお風呂から出た後は、ついついタオルを巻いたまま過ごしてしまったりすると、濡れたタオルから体温がどんどん奪われてしまい、せっかく温まった体が冷えてしまう恐れもあるため、入浴後はしっかりと体の水気をふき取ってから部屋着やパジャマを着るようにしてください。
4、体を温める食材を食べる
生野菜よりも温野菜にして食べたり、冷えた飲み物を避けてあたたかい飲み物を飲むなど、体の内側からあたためてください。
寒い国では体に熱を吸収して蓄える必要があるため、体を温める果物や野菜が育ちやすく反対に、南国では体内にこもった熱を下げるため、体を冷やす食べ物が育ちやすい傾向があります。
またオレンジや黄色の野菜や果物は体を温め、白・緑・紫の食べ物は体を冷やす傾向にあります。ただトマトなどは暖色系ですが体を冷やし、このような例外もあるので注意してください。
ほかにも一般的には地中で育つものは体を温め、地上で育つものは体を冷やします。
そしてそれら体を温める食材を意識するとともに食べ過ぎにも注意してください。
食べ過ぎると消化のために血液が胃腸に集まってしまい、熱産生量の多い筋肉やほかの器官への血液供給が減ってしまうため冷えを起しやすくなるためです。
5、水分の取りすぎに注意
水分を取るのが少ないと脱水状態になったり、夏なら熱中症の危険もありますが、反対に水分を取りすぎることによって、胃を始めとする内臓を直接冷やすことになります。
また水分を過剰に取りすぎてしまうと、腎臓で水を処理しきれなくなってしまうため、体に余計な水分が溜まりこれが体を冷やすと言われています。
余分な水分はむくむを発生させる原因となるため、むくみによる余分な水分は血管やリンパ管を圧迫し血液の巡りが悪くなり体は一層冷えてしまうんです。
こうなれば、むくみによって冷えが起こり、冷えによってさらにむくみが起こるといった負のスパイラルが発生してしまいます。
「1日水を2リットル飲もう」などのフレーズを耳にしたこともあるかと思いますが、特に冷えが気になる秋や冬は喉が渇いたら水分を補給する程度でも大丈夫ですので、水分の取りすぎには注意してください。
6、衣服で防寒を心がける
衣服は外気から身を守る重要な役割をしているので、寒冷な気候の中でも衣服で身体を覆うことで体温を逃さしません。
そして体内の血液の70パーセントが下半身に集中していると言われているので、まずは下半身の冷えを防ぐことを最優先に考えてみてください。
また腰痛の人は腹巻などもお勧めで、腰周りの筋肉が冷えて緊張状態になったり、内臓の冷えを予防するのに役立ちます。
でも腰痛の時には冷やせなんて言うこともあるけれど?
ここまで冷えによって腰痛が起こる原因や、その対策についてお伝えしてきましたが、でも腰痛の時には腰を温めずに冷やせって聞いたことがある…なんて人もいるでしょう。
実はそれも間違いではなく、仮に冷えが原因だったとしても、ぎっくり腰など急性に腰痛を発症した時には、腰周辺が炎症を起こしてしまっている可能性が高いため、この時は冷やすことで痛みが軽減しやすいのです。
なので腰痛になった時にインターネットで検索すると温めずに冷やそうと言われている記事も多いのです。
ただ炎症自体は48~72時間でおさまると言われおり、この時間の間はアイシングなどでしっかり熱を取ってあげ、その後や急な腰痛でなく慢性腰痛の時などは身体を冷やさないことを心がけてください。
まとめ
季節が秋から冬にかけて寒くなってくると、腰痛が強くなる…と悩んでいる人もいるでしょう。
これは体の冷えによって腰痛は悪化しやすくなってしまうからです。
ではどうして体が冷えることが腰痛の原因になるのか?というと、「血流が悪くなる」「筋肉が緊張しやすい」「不自然な姿勢が増える」「内臓が冷える」などが原因となります。
そして冷えが原因で起こる腰痛を改善するためのポイントは血液の巡りを良くしてあげることで、しかも腰だけでなく全身を意識することが大切です。
なので普段から服装に気を付けたり、水分の取りすぎに注意し身体を冷やす食べ物を避けたり、運動を意識的に取り入れ筋肉を落とさないように心がけ、筋肉の柔軟性を保つち、身体の冷えを予防することが腰痛の予防にもつながります。
ただし急に強い腰痛が起こった時などは、患部を温めることで痛みが悪化してしまうこともあるため、気を付けてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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