猫背で頸椎ヘルニアが起こるの?
昔からよく背中が丸まって猫背って言われていたけれど、最近首が痛かったり腕がしびれたりして病院で診てもらうと頚椎椎間板ヘルニアと言われた…。これってやっぱり猫背が悪かったのかな?と、悩んでいませんか?
最近では猫背は肩こりを起こしやすいといったことは、よく言われるようにり、頚椎にもあまり良くないのでは?と疑問に思っている方もいるでしょう。
そこで今回は頚椎ヘルニアと猫背との関係についてお伝えしていきます。
猫背は頚椎椎間板ヘルニアの原因になる
猫背って頚椎椎間板ヘルニアの原因になるのか?結論から言ってしまうと、長年の猫背は頚椎椎間板ヘルニアを発症させる原因となってしまいます。
また、すでに頚椎ヘルニアに悩んでいる方の痛みや痺れの症状を悪化させる要因にもなりえます。
猫背が肩こりに良くないというのは、肩の筋肉に負担がかかるからですが、肩の筋肉に負担がかかるということは頚椎にとっても良いものではありません。
なぜ猫背は良くないのか?
ではなぜ猫背は頚椎ヘルニアの原因になってしまうのか?なんですが、これは頚椎のカーブが崩れることが大きく関係します。
猫背というのはご存知だと思いますが、背中が丸まってしまっている姿勢を指します。
そして猫背になっている時の背骨はどうなっているのか?というと、本来はS字のカーブを描いているんですが、そのカーブが大きな半円を描くようなカーブになってしまいます。
本来は首と腰が前弯のカーブを描き、胸の骨が後弯のカーブを描くS字に曲がったカーブがあり、これがクッションの様な働きを担っており、頭や重力が直接頚椎や腰痛にかからないような構造になっています。
それが頚椎や腰椎の前弯のカーブが減少、人によっては消失してしまうことで重力や頭の重たさが頚椎や腰椎に重くのしかかってしまうようになります。
するともちろんその負担は首や腰を支える周りの筋肉にもかかり、だんだんと疲労を蓄積させ柔軟性を奪っていき、筋肉の働きを低下させてしまい、これによって頚椎や腰椎を支える働きも低下し、より頚椎や腰椎、椎間板に負荷がのしかかりやすくなっていきます。
長年の猫背が椎間板に与える影響
頚椎椎間板ヘルニアというのは、簡単に言えば積み木のように積み重なった背骨の間の軟骨である椎間板という組織が潰れて飛び出し、神経を圧迫した状態です。
その椎間板なんですが人体最大の無血管組織と言われており、字の通り血管が存在しせず、そのためきわめて再生・回復のされにく組織なんです。
言い換えれば、一度椎間板が傷を負ったり変性してしまうとそれらは長い間残ってしまうということでもあります。
昔から猫背と言われてきた人は、椎間板に負荷をかけ、それが回復しないうちにまた次の日も猫背で椎間板に負荷をかけ、その次の日も…ということを繰り返してきた訳で、当然頚椎椎間板ヘルニアの発症のリスクが高まった状態なんです。
猫背を改善させるためには?
このように猫背によって頚椎や椎間板には負荷が大きくかかってしまうため、頚椎椎間板ヘルニアの症状を改善していくためには、猫背を正していくことが大切です。
その猫背の改善の方法ですが、もし「気合で胸を張り続づける」なんて根性論を考えてられるのであれば、正直その方法はあまりお勧めできません。
どんな方法であっても今までと違うことをすることになるため、ある程度「やる」という強い意志は必要ですが、「胸を張ればいいんでしょ」とそれができるのであればとっくにあなたの猫背は改善していることでしょう。もちろんそうでないのだから、違った方法が必要なんです。
大切なのは頭や頚椎は宙についているのではなく、背骨という形で骨盤から腰椎(腰の骨)、腰椎から胸椎(胸の骨)、胸椎から頚椎、そして頭へとつながっているということです。
いくら上の首や頭だけ正そうとしても、下のつながっている骨盤や腰椎が正せていないのであれば、その状態で上だけ正すことは非常に難しいのです。
なので猫背を改善するためには一見関係のない骨盤や腰椎のカーブから整える必要があります。
例えば座っているときなら、胸だけでなく骨盤から起こして上げることです。
このように骨盤を立てて腰椎のカーブを作って上げることで、その上につながる頚椎のカーブも作りやすくなります。
猫背の正し方
姿勢を正すときにはまず、上の写真のように骨盤を起こして腰椎のカーブを作ることを心がけてください。
その際には、お腹を軽くひっこめお尻の穴を閉めるように意識していただくことで、しっかりと身体が安定しやすくなります。
さらに立っている時には重心をかける位置も大切で、この重心をかける位置が前や後ろによってしまうと、変な筋肉にまで力が入りなかなか正しい姿勢を続けることが難しくなります。
その重心をかける位置が、すねの骨の真下あたりで土踏まずのやや後方です。
そうして骨盤を起こし腰椎のカーブが整ったら、本当に少し肩甲骨を寄せて下に下げるようにしてください。
胸を張らなくても、肩甲骨を寄せて下げることで自然と肩が開き背すじが伸びます。
最後に頭を背骨の上にのせるように意識していただくと、本来背骨の持つS字カーブができ、姿勢を正すことができます。
コツは継続すること
後はそれをできるだけ継続して意識することです。残念ながら今までしてこなかったことをやはり急にできるようにはなりません。
スポーツも初めてした時には思い通りに身体が動かせないのを、何度も何度も練習し繰り返すことで上手くなっていくように、姿勢も同じで何度も練習を繰り返すことで良い姿勢を連続してとれるように、なっていくんです。
まとめ
頚椎椎間板ヘルニアになってしまったのはやっぱり猫背だったからだろうか…と悩んでいる人もいるでしょう。
確かに猫背を長年続けることは、頚椎椎間板ヘルニアを発症させるリスクを高めたり、症状を悪化させてしまうことがあります。
これは猫背によって背骨のS字カーブが失われてしまい、首にかかる負担が大きくなるためです。
なので猫背を改善していく必要がありますが、その際には胸を張ったり上半身だけ姿勢を正そうとせず、骨盤や腰椎から意識し正していくことで、その上につながる頚椎や頭の位置も正しやすくなりますので。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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