腰椎椎間板ヘルニアで
カバンを持つ時の注意点
病院で腰椎椎間板ヘルニアと診断されていて、時々腰が痛くなることがあるけれど、最近はカバンを持って出かけたときに段々と腰が痛くなったり、帰ってから痛みや痺れが出てくるけれど、これってカバンが合っていないのかな?持ち方が悪いのかな?と、悩んでいませんか?
腰椎椎間板ヘルニアの方でも、手ぶらで歩いていると割と痛みが少なく歩けるけれど、カバンを持つと段々痛みが出たり、帰ってきてから症状が悪化すると悩まれる方は結構いらっしゃいます。
何も腰椎椎間板ヘルニアに限ったことでなく、カバンを頻繁に持ち歩きする人の中には腰痛持ちの人も多く、それほどカバンは腰に良い影響を与えないモノであると考えられます。
そこで今回は腰椎椎間板ヘルニアの人がカバンを使用するときの持ち方や、種類などについてお伝えしていきます。
ショルダーバックはやっぱり良くない?
一般的によく見かけるショルダーバック。イメージとしては片方の肩だけに掛けるため、あまりバランス的にも良くないように思っている人も少なくないでしょう。
実際にその通りで、やはり人にはカバンを持ったり掛けたりするのに得意な側があり、そちらばかりにカバンを掛けてしまっていることも珍しくなく、それが腰や椎間板にも影響を与え腰椎椎間板ヘルニアの症状の悪化の要因にもなります。
これは重いものを持つと、それが落ちないように人は無意識に体を傾け、バランスを取ろうとするため、例えば右肩にカバンのバンドを掛けると荷物を落とさないように右肩が上がり、頭は正面を向けるように背骨を湾曲させ、左側の骨盤を上にあげてバランスを取ろうとします。
これが頻繁に続けば段々と骨盤の歪みや背骨の湾曲が習慣化されてしまい、身体の要である腰にもカバンの重みや上半身の重さなどが満遍に負担が分散されずに偏ることにより、同じ部部ばかりに負担が蓄積され、それが腰椎椎間板ヘルニアの原因になることもあります。
少しでも腰や椎間板にかかる負担を軽減するためにも、ショルダーバックを使用する際には、斜め掛け(タスキ掛け)で腰あたりにカバンが来るようにバンド(紐)を調節し、斜め後ろのヒップにカバンを乗せるようにすることを心がけてください。
トートバックは持ち方に気を付ける
トートバックなども片側の肩ばかりに掛けがちになってしまうため、ショルダーバックのように身体が傾き、背骨が湾曲したり骨盤が歪んでしまうため、腰椎椎間板の原因になったり症状を悪化させてしまう可能性が高まります。
腰や椎間板の負担を減らすためには、カバンを脇の下に挟み、軽く指を添えると安定しやすくなります。
また電車の中など、カバンを肩に掛けずに持つ場合は身体の前で両手で持つことで背骨や骨盤が歪んで椎間板に負担がかかることを減らすことができます。
リュックサックも注意が必要
基本的には腰痛や腰椎椎間板ヘルニアの時に進められることが多いのがリュックサックです。
両肩に掛けられカバンの重たさを左右に分散することができ、またカバンが揺れも少ないことで身体にかかる負担が少なく、身体の歪みを作りにくいことが理由ですね。
ですがリュックサックであればOKかというと、実はそんなことはなくリュックの使い方によっては腰に大きく負担がかかってしまうことがあります。
まず肩紐の長さがポイントで、肩紐の長さが長くなってしまうと身体が後ろに引っ張られるような力が強く加わってしまうため、腰が弱い人は体が反りぎみになったり、腹筋の弱い人は猫背になってしまうことで不自然な姿勢が続き、腰に負担がかかり続け腰椎椎間板ヘルニアの原因となったり、症状を悪化させる要因となりえます。
また荷物の量が多くなってしまうと、リュックサック自体が重たくなり、これも身体を後ろに引っ張り続ける力が加わってしまうため、腰椎椎間板ヘルニアには良い影響を与えません。
最近ではリュックサックは肩紐だけでなく、おなかの部分あたりにも身体に巻き付けることのできる紐がついたものがあり、こういったモノを使用することでさらに腰にかかる負担を減らすことができます。
キャリーバックってどうなの?
最近では旅行でなくてもたまにキャリーバックを使用されている人を見かけるようになりましたね。
基本的には車輪もついていて肩などに掛けるわけでなく、持つわけでもないので姿勢も正しやすく腰にかかる負担は少なくてすむと考えられます。
ただしやはり、後ろで引きずったりすると周りの迷惑になってしまったり、電車でも大きいと幅を取ってしまったり、段差のあるところでは持ち上げる必要があったりと使用するのにあれこれ注意が必要なのも確かです。
使用する環境(整備された道、通勤する道に段差が少ない、人が少なく邪魔になりにくい等々)によっては腰に悪いものではないので、最近ではかなり小さいタイプのモノもあるようなので、自分の用途とあわせサイズや形を探してみるのもいいと考えています。
どんなカバンも腰にかかる負担を減らすための共通点
ここからはどんなカバンであっても、使用するときに腰にかかる負担を軽減し腰椎椎間板ヘルニアの悪化を予防するための共通点についてお伝えしていきます。
●紐の長さを短くする
ファッションでカバンの紐を長くされている人もいるでしょが、基本的には紐の長さは短い方が腰にかかる負担を軽減させることができます。
これはカバンが揺れることを減らすことができるからで、カバンの紐が長いとそれだけ揺れも大きくなり、その負荷が紐を掛けている方や支える腰にかかってしまうためです。
なのでカバンの紐を短くして身体に密着させ揺れを減らすことが腰の負担を減らすためのポイントとなります。
●身体の重心近くにカバンがくるように
紐を短くとお伝えしたが、それじゃあどれくらいか?というと、カバンが体の重心近くにあると安定します。
体の重心は、へそから指3本下あたりにあるようにイメージし、その高さにバッグがくるよう紐の長さを調整してください。
●荷物はできるだけ軽く
どれだけ紐の長さやバックの位置を気を付けても、荷物が重たすぎるとそれだけ身体が傾いたり姿勢を崩しやすくなってしまうため、腰に負担がかかり腰椎椎間板ヘルニアには良くありません。
もちろんどうしても必要なモノを置いていくことはできないでしょうが、普段から余分なモノは極力カバンに入れずに、カバンを軽くすることを意識してください。
●姿勢を意識する
せっかくカバンの種類や持ち方、重たさなどを意識しても、姿勢が悪ければずっと腰に負担がかかり続けることになります。
しっかりお腹に力を入れ、お尻の穴を閉めるようにして身体を安定させ、両肩が水平になるように意識をもってください。
まとめ
普段から通勤でカバンを持っていたり、休日で一日中カバンを持って歩いた後などに腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまったなんて人は少なくありません。
やはりカバンを持つということはそれだけ腰や椎間板に負担を掛けてしまうということでもあり、ショルダーバックなど片方の肩に紐を掛けるタイプはその負担が大きくなりやすい傾向にあります。
また腰に負担の少ないイメージのあるリュックサックであれば大丈夫という訳でなく、紐の長さや荷物の量によってはやはり腰に負担をかけ腰椎椎間板ヘルニアの原因になったり、症状を悪化させてしまうことがあります。
カバンを持つときには紐の長さやカバンの位置、荷物の量などに注意し使用することを心がけてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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