「よっこいしょ」の掛け声が
ぎっくり腰を予防する
重たい荷物を持ち上げるときや運ぶとき、椅子に座るとき、立ち上がるときなどについつい出てしまうことがある言葉が「どっこいしょ」ですよね。
誰もいなくてもついつい無意識で言ってしまった、なんて経験をお持ちの方も多いでしょう。
若い時には言うことも少なく年齢を重ねるごとに口に出しやすいようなイメージもあるし、口に出してしまった時には恥ずかしかったり、歳を感じる人もいるかもしれませんね。
ただしこの「どっこいしょ」という掛け声は結構大切なモノで、ぎっくり腰などの腰痛を予防する効果的な方法の一つなんです。今回はそんなついつい出てしまう掛け声の意外な効果についてお伝えしていきます。
体は働く前に準備をしている
私たちは体を動かそうとするとき、その動作に関連する筋肉に無意識に脳が「これから体を動かすぞ」という指令を出して準備をしています。
たとえば階段を下りている時、少し考え事をしていたりしっかり階段を確認しておらず降りていて、最後の一段があると思っていて実はなかったとき、バランスを崩して踏み外しそうになり転倒しそうになったことはありませんか?
これは脳ではもう一段階段を下りようと無意識に準備していたところ、アテが外れてしまい体がうまく反応できなかった結果です。
「どっこいしょ」の意外な効果
上記のように、体がこれから行う動作に対して準備をすることはとても大切で、階段の例えがそうであるように、準備がうまくできずに動作を行った際には体を痛めてしまいやすくなります。
そして「どっこいしょ」という掛け声は、これから荷物を持ちますよ、椅子から立ち上がりますよといった動作を行う自分自身への合図であり、それに対応して脳が指令を出して、体も準備を行います。
とくに荷物を持つときなどは体が準備を行うことが大切で、この準備がうまくできていないと腰の筋肉に思わぬ負担がかかり、ぎっくり腰などの腰痛を起こしてしまうことがあります。
これは目の前のモノを不意に拾おうとしたときに、それほど重たいモノでなかったのにぎっくり腰を起こしてしまった…なんて経験を持っている人もいるでしょう。
「どっこいしょ」という掛け声で自分自身に、これから荷物を持ちますという合図を送ることで、このような腰痛を防ぐことがことができます。
予想外も腰痛を引き起こす原因
また荷物を持つ時の腰痛に関していえば、前もって持つ荷物の重さを確認しておくことも、ぎっくり腰を予防するうえできわめて大切なことです。
これは脳が無意識で準備する際には、関連する筋肉にどの程度の筋力が必要かも含め指令を出して準備をさせるためです。
例えば乗りなれた電車であれば、立っていてある程度電車が大きく揺れてもそれほどバランスを崩すことなくいられると思います。
これは今までの経験を含め、電車の揺れに対してそれに耐えうる力の入れ具合を含めた準備を関連の筋肉に指令を出すためです。
これが乗りなれていない電車であれば、それほど大きくない揺れであってもふらついたり転倒しそうになることがあると思います。
当然脳も今までの電車に乗った経験からある程度の揺れに対して体に準備させますが、不意な揺れや予想以上の揺れが起こると、筋肉に対してもそれ程の負荷に耐えることのできる指令を出し準備をさせていなかったことで起こってしまいます。
荷物を持つ時であれば、ある程度見た目などから働く筋肉や持つために必要な力の強さを予測し、それに見合った準備をさせるよう脳は指令を出しますが、荷物がその予測を大きく外してしまう重量であった場合、それほどの重量に対しての準備ができていなかった腰の筋肉を傷めてしまいやすくなります。
これも中には見た目は軽そうだったのに持ってみるとすごく重たくて腰を痛めた…なんて経験がある人もいるでしょう。
荷物を持ち上げる時には、「よっこいしょ」などの自分自身への合図と共に、その荷物の重たさを確認しておくことで、脳はより確実な準備をすることができ、ぎっくり腰などの腰痛を予防することに役立ちます。
「よっこいしょ」だけでなく体の使い方も見直そう
あとはいくら「よっこいしょ」と自分自身に合図を送っても、体の動かし方が悪ければ腰痛を起こしやすくなります。
例えば荷物を持ち上げるときなら、足は曲げずに腰だけまげて持ち上げたり、椅子から立ち上がる時にも腰を大きく丸めて支えなしに立ち上がったり、こういった動かし方はいくら「よっこいしょ」と言っても腰痛を起こてしまうことがあります。
もちろん言わないよりは言った方がいいですが、ぎっくり腰などの腰痛を頻繁に起こすと言う方は、体の使い方自体を見直す必要もありますので。
まとめ
「よっこいしょ」という掛け声は、なんだか歳よりくさく感じる人もいるでしょう。
ですが、立つ時や椅子に座ろうとする時、荷物を持つときなどにこういった言葉を発することで、自分自身の体に合図を送り、動作に対する準備を促すことができます。
それによってぎっくり腰などの腰痛等を引き起こすリスクが減少するため、人前でかけ声を出すのは恥ずかしく感じるかもしれないが、せめて心の中だけでも掛け声をかけて、自分自身に合図を送るようにしてみてください。
もちろんそれだけでOKと言うわけでないので、頻繁にぎっくり腰などの腰痛を起こす人は、自分の体の使い方も見直すようにしてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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