頚椎椎間板ヘルニアが後頭部痛の原因になる
最近首周りに痛みを感じるようになって病院で診てもらうと、MRIを撮って頸椎椎間板ヘルニアと言われた…。その後牽引してもらいに行っているけれど良くならず、最近は後頭部に痛みを感じることもあるけれど、これも頚椎椎間板ヘルニアが原因なの?と、悩んでいませんか?
頸椎椎間板ヘルニアで首周りが痛くて痛くて…と悩んでいる人は少なくないでしょう。
でも痛みが後頭部にも出るようになると、頚椎の問題じゃなくて何か大きな病気が原因なのかな?と心配になりますよね。
そこで今回は頚椎椎間板ヘルニアの時に後頭部痛が起こるのか?についてお伝えしていきます。
頸椎椎間板ヘルニアで後頭部痛は起こる?
後頭部といっても頭が痛いとなると何か病気とか大丈夫かな?と心配になりますよね。
実は頚椎椎間板ヘルニアによっても後頭部痛が引き起こされることがあります。
これは頚椎上部から出る神経は後頭部から頭の方へとつながっているからです。
つまり上部頚椎で椎間板ヘルニアが発生し、頭蓋骨全体へと枝分かれしていく神経の根本を圧迫することで後頭部に痛みが引き起こされます。
さらに頚椎椎間板ヘルニアを発症させている方は、姿勢の悪さや首から肩の筋肉を酷使し、首周りの筋肉が硬くなってしまっていることが非常に多いです。
頸椎の背骨から出た頭へと向かう神経は、首の筋肉の間を通って後頭部に向かうため、首の筋肉が硬くなってしまっているとその部分で圧迫されて痛みを起こしてしまうこともあります。
頸椎椎間板ヘルニアの後頭部痛を改善するには?
頚椎椎間板ヘルニアから起こる後頭部痛を改善していくためにポイントとなってくるのが頸椎によってつくられるカーブを取り戻すことです。
多くの頸椎椎間板ヘルニアの人に見られるのが、本来あるはずの頸椎の前弯のカーブが減少してしまっていることで、このカーブが減少することで椎間板にかかる負担が増えてしまいヘルニアを発症してしまったり、発症したヘルニアがいつまでたっても良くならないといったことが起こってきます。
さらに頸椎のカーブが減ってしまうと首周りの筋肉も硬くなりやすくなるため、先ほどお伝えしたように筋肉によって後頭部へ向かう神経を圧迫し、後頭部に痛みを起こしやすくしてしまいます。
なので頚椎に本来の前弯のカーブを取り戻すことが大切になるんです。
そのためには首を見てもらうこともいいんですが、背骨とは腰(腰椎)~胸(胸椎)~首(頸椎)と積み木のように積み重なってつながっていて、さらに土台となる骨盤の上に背骨は乗っているため、いくら首のカーブを戻しても腰や胸の骨のカーブが崩れてしまていると、バランスをとるためにまた首のカーブも崩れてしまいます。
同じように骨盤の歪みなどと言うことがありますが、背骨の土台となる骨盤が前後や左右に傾いてしまっていると、背骨はバランスをとろうと本来のカーブを崩します。
このように頚椎のカーブを戻すと言っても、首だけでなく骨盤や腰や胸を含めた背骨から整えていくことが後頭部痛を改善するために必要になります。
首周りの筋肉を和らげる
他にも後頭部痛を改善するためにポイントとなるのが、首周りの筋肉を和らげてあげることです。
頚椎椎間板ヘルニアを発症している人の多くは首周りの筋肉が緊張し硬くなってしまっていて、椎間板が後頭部へつながる神経を圧迫するのでなく、首周りの筋肉が神経を圧迫することで後頭部痛が起こっていることも多々あります。
特に首の後面から頭と首の境目につく筋肉が硬くなることで後頭部痛を引き起こしやすくなります。
ただしこちらも筋肉を和らげてあげることと共に首のカーブを改善させることも大切です。
首のカーブが減少し頭の位置が前に出たままだと、いくら硬くなった筋肉を緩めてあげても、頭を落とさないように首の付け根や後面の筋肉が常に引っ張り続けるため、すぐに筋肉が緊張し硬くなってしまうからです。
牽引は悪化の可能性もある
頚椎椎間板ヘルニアの治療と言うと牽引を思い浮かべる人も多いでしょうし、病院でも提案されることが多いです。
ですが頚椎椎間板ヘルニアの治療=牽引と思い込むのは少し待ってください。
というのも、牽引が頚椎椎間板ヘルニアに対して効果的であるといった研究結果はなく、それどころか脊椎の関節に負担がかかることで変形の原因になってしまうこともあります。
もちろん牽引は全くの無駄なのに行われているわけでなく、筋肉や靭帯への微細な伸展収縮によるマッサージや刺激効果がもたらされることにより、筋肉の緊張をやわらげ、局所の血行を促進させると考えられます。
この場合も知ってほしいのは、あくまで牽引は筋肉や血流を良くする効果が期待されるだけで、椎間板ヘルニアの飛び出した椎間板や狭くなった骨と骨の間隔が元通りになるわけではないということです。
さらに上記でお伝えしたように、首の筋肉だけ緩めても首のカーブなどが崩れたままだと、すぐにまた首周りの筋肉は硬くなってしまう可能性が高いのです。
このように「頚椎椎間板ヘルニア=牽引治療」という単純なことではないんです。
病気が原因の場合もあるので注意
ここまでは頚椎椎間板ヘルニアが後頭部痛の原因となることをお伝えしてきましたが、もちろん頚椎椎間板ヘルニアを発症していたとしても、それ以外で後頭部に痛みが起こっていることもあります。
脳腫瘍や脳出血、高血圧、中毒症など、こういったことが原因で後頭部に痛みが起こることもあるため、手の痺れなどは頚椎椎間板ヘルニアでも同様に出ることがありますが、もし後頭部痛意外に何か症状が見られる場合には、病院で診察を受けておくことをお勧めします。
まとめ
後頭部に痛みが出ると何か大きな病気じゃないだろうか…と心配に感じられると思いますが、もしあなたが頚椎椎間板ヘルニアになっている場合、それが原因で後頭部痛が起こっていることがあります。
これは頚椎上部から出る神経は後頭部から頭の方へとつながっているため、頸椎上部でヘルニアが起こることでその神経の根本を圧迫し痛みが末端に出るためです。
また頚椎椎間板ヘルニアを発症している人は、頚椎のカーブが減少していることが非常に多く、それによって筋肉が緊張し後頭部につながる神経を圧迫することもあります。
なのでこういったことが原因の後頭部痛は、頚椎の本来持つ前弯のカーブを整え、緊張し硬くなった首の後面の筋肉を和らげてあげることが大切です。
また牽引は悪化の可能性もあるため、十分注意をするようにしてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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