頚椎椎間板ヘルニアで起こる筋力低下
首や腕に痛みや痺れが出るようになり、病院で診てもらうと頚椎椎間板ヘルニアだと言われ、最近では腕に力も入りにくくなってきたし、このまま筋力がどんどん低下してしまうのかな?と、不安を感じていませんか?
頚椎椎間板ヘルニアで痛みや痺れを感じるだけでもかなり生活に制限が出てしまうのに、腕や手に力まで入らなくなってくるとそれこそ大変なことですよね。
今回は頚椎椎間板ヘルニアと握力が弱くなったりなど、筋力低下との関係についてお伝えしていきます。
頚椎椎間板ヘルニアで筋力低下はなぜ起こる?
頚椎椎間板ヘルニアになると手に力が入りにくくなったり、筋力低下が起こってしまうのは何となく聞いたことがあったり、病院で言われて知っている人も多いでしょうが、では一体どうして筋力低下が起こってしまうのか?
この原因は「痛みによるもの」と「信号がうまく伝わらない」の2つが原因となっていることがほとんどです。
●痛みによるもの
頚椎椎間板ヘルニアの時に手に力が入りにくくなったり、モノをつかみにくくなる原因の一つに痛みによるものがあります。
これは何となくイメージ出来ると思いますが、腕や手に限らず腰や足でも痛みが強い時には普段の力を発揮することができないですよね。
痛みというのは体にとってはかなりのストレスで、またそれ以上痛みのある部分を傷めてしまわないように、反射的に脳が痛みのある部分の働きを抑制させます。
例えば腱鞘炎などでも、ペットボトルの蓋を今までは開けれていたのが、痛みで力が入らず開けれなくなった…なんて経験をお持ちの方もいるでしょう。
このように、筋肉が落ちてしまったわけでなく、痛みによっても筋力を十分に発揮できなくなってしまうんです。
そして頚椎椎間板ヘルニアの場合、首だけでなく頚椎の神経が支配する腕や手にも痛みを出すことも多いため、痛みによって手に力が入りにくくなったりすることがあります。
●信号がうまく伝わらない
頚椎椎間板ヘルニアの時に手に力が入りにくくなる原因で他にも、信号がうまく伝わらないことによるものがあります。
頸椎には首から下の筋肉に司令を送るたくさんの神経が通っているため、これらの神経が圧迫される事で筋肉へ送られる信号が適切に送られない伝達障害が起こってしまうことがあります。
頚椎椎間板ヘルニアは組織の変形などによって首周辺の神経が圧迫されることで起こるため、特に首周辺の神経は肩や腕、指先など上半身を動かすための大切な役割をになっており、その神経が圧迫されることで腕や指先の筋肉に信号が適切に送られなくなると、うまく思うように働かせず力を発揮できなくなってしまいます。
この場合も、筋肉自体が落ちてしまって筋力が低下したのではなく、脳からの信号が筋肉にうまく伝わらないことで筋力低下が起こっています。
筋トレで治るわけでない
このように頚椎椎間板ヘルニアで手に力が入りにくいなど、筋力低下が起こるときには、筋肉自体が落ちているのでなく、それ以外の原因によって力が入りにくくなっている状態です。
そのため、筋力が弱って力が入りにくいからと言って筋トレをして筋肉をつければいいといった単純なことではありません。
いくら筋トレをしても、頚椎椎間板ヘルニアが改善しない限りうまく手に力は入りません。
それにそんな状態で筋トレを行ってしまった場合、フォームなどが崩れてしまうことが多く、肩や首に負荷がかかてしまい頚椎椎間板ヘルニアが悪化してしまう可能性もあります。
そのうち治るかな?と悠長に構えない
また手に力が入らなくなっている時には、そのうち治るかな?と悠長に構えていてはいけません。
先ほどお伝えしていたように、最初は痛みや信号がうまく伝わらないことで筋力が発揮できない状態ですが、その状態が長く続いてしまえば、筋肉がいつまでたっても働けないため、本当に筋肉自体が落ちてしまうこともあります。
実際にお医者さんの中でも筋力低下や手に力が入らなくなるといった症状は重要視されることが多く、手術の適応範囲であると考えられている医師も少なくないでしょう。
そして私自身のこのような仕事をしてきた経験上なんですが、手に力が入らないなど筋力低下の症状が軽いうちに、治療を始めたり場合によっては手術を受けられた方は治ることが多いです。
しかし、時間が経過しかなり強い筋力低下が起こってしまった人の場合、いくら治療を行っても、手術を行ったとしても、筋力低下が残ってしまうことが多いです。
なのでこのような症状がみられる場合は、出来るだけ早期に専門家の方に見てもらうようにしてください。
症状が変わらないのであれば病院を変えるのも一つの方法
もちろん医師によっては牽引や薬で様子を見ようと言われることもあるでしょう。
急性期の時にはそのような痛みだけでなく筋力低下がみられることが多く、急性期を過ぎると段々と力が入りやすくなる人も当然いますので、それ自体が悪いことだとは思いませんが、それでも何か月もその状態が続くようであれば他の病院で一度見てもらうことも必要です。
また手術は病院でしか出来ませんが、それ以外の治療となるとどうしても、保険治療の範囲ではどの病院も同じような似通った治療しか出来ないため、整体院や治療院などで見てもらうことも一つの方法だと考えています。
先ほどお伝えしたように、筋力低下がはっきりとみられる場合は悠長に構えすぎてはいけません。
まとめ
頚椎椎間板ヘルニアで首や腕の痛みや痺れだけでなく、手に力が入りにくいなど、筋力低下が起こっている人もいるでしょう。
これは筋肉自体が落ちてしまっていることはまれで、多くの場合神経の圧迫によって痛みや筋肉に信号がうまく伝わらなくなることで起こっています。
そのため筋力を戻すために筋トレをすればいいといった単純なことではありません。
また、このような頚椎椎間板ヘルニアで手に力が入らなかったり握力低下するなどの症状がある場合、悠長に構えずすぐに病院などへ行くようにしてください。
時間が経過してしまうと、手術をしたとしても筋力低下が残ってしまうことが少なくないためです。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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