座ると痛く立つと楽な腰痛は
梨状筋症候群かも
座っている段々腰やお尻から足が痛くなってくる…だけどずっと痛いかというと立っているのは楽だし…これってなんなの?と悩んでいませんか?
座っていると腰やお尻が痛くて時には足がしびれてくるけど、立っているのは平気という方はたまにいらっしゃいます。
四六時中痛みがあるなら腰が悪いのかな?って思うけれど、立っているのは平気だし何かめずらしい傷病?と、疑問に思う方もいるでしょう。
もしかするとその座っていると痛くて立っていると楽な腰痛やお尻の痛み痺れは「梨状筋症候群」が原因かもしれません。
梨状筋症候群とは?
梨状筋症候群はお尻にある梨状筋という筋肉が硬く緊張した状態になることで、近くを通る坐骨神経やその周囲の血管を圧迫し、お尻の痛みや足の痺れといった坐骨神経痛の症状を発症させてしまう傷病です。
座っているともちろんお尻は圧迫され続けることになるため、段々とお尻の筋肉は緊張し硬くなっていきます。そしてその硬くなった梨状筋が神経を押さえたり、近くを走る血管を圧迫することで血液の巡りが悪くなり神経が刺激され痛みを出したり、圧迫された血管がつながる太ももから足にかけて老廃物がたまって痛みや痺れなどの症状が起こることがあるんです。
反対に立っている時というのは、梨状筋にそれほど負担がかからないため、痛みなく平気なことが多くなるんです。(もちろん梨状筋の緊張が強ければ立ってても痛みを感じることもありますし、短い時間は大丈夫でも段々と痛みを感じる方もいます)
レントゲンでは発見しにくい梨状筋症候群
座っていると腰やお尻が痛くなり、立っていると楽だという人の中にはレントゲンを撮ってもらったけれど、特に異常なしといわれた人もいるでしょう。
その痛みの原因が梨状筋症候群の場合、梨状筋は筋肉であるため骨しか写らないレントゲンではなかなか発見することが難しいのです。
そしてMRIでも筋肉の緊張というのは簡単にわかるのもではないため、異常なしといわれてしまうことがあり、「異常がないと言われても実際に痛いし…」という方がでてきてしまいます。
もちろん腰に原因があるわけではないので、牽引や腰に電気を当てたり温めたりなど、腰の治療を行っていてもなかなか思うような効果が現れません。
自分でできる梨状筋症候群のテストは?
ここでは自分で行える梨状筋症候群の確認のためのテストをお伝えします。
●仰向けに寝て膝を曲げて両手で抱きかかえ、足を内側に倒そうとするのを手で太ももを外にもっていく様に抵抗してください。
この時、お尻や足にかけて放散痛がある場合、梨状筋症候群の疑いがあります。
梨状筋症候群の時には腰痛も出やすい
梨状筋症候群の時には腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と違い、腰痛は出ないといわれることがあります。
これは坐骨神経を圧迫したり、下肢への血管を圧迫している場所がお尻の部分であって、腰の部分では特に異常が起こっているわけではないからです。
ですが実際には、梨状筋症候群を発症させる人で腰痛持ちの方はかなり多いです。
これは梨状筋というのはお尻の筋肉であり、多くの場合梨状筋が硬く緊張すればその周りのお尻の筋肉も柔軟性が低下してしまい硬くなってしまっています。
そしてお尻の筋肉というのは、上半身の重たさを腰だけにかからないようにするためにクッションのような働きを担ったり、歩くとき等の床からの衝撃を腰に直接かけないように吸収するサスペンションのような働きも担っています。
そのお尻の筋肉が緊張し硬くなっているということは、それらの働きが低下してしまうため、日常生活で腰にかかる負担が増えてしまっています。
そのため腰の筋肉は疲労がたまり柔軟性が低下してしまっているため腰痛を起こしやすくなっているんです。
また座っている時も、お尻の筋肉で骨盤を支えられなくなることで姿勢が崩れてしまうため、段々と腰に痛みが出てくることが少なくありません。
このように梨状筋症候群自体が腰痛の原因ではないにしても、梨状筋症候群持ちの方は腰痛を一緒に起こすことが少なくないんです。
日常生活の注意点
痛みや痺れがあるから安静にしている方がいいかな…と思われる方もいるかもしれませんが、梨状筋症候群の場合、過度の安静は逆効果になることが多いです。
安静にしてしまうと、梨状筋は動かないためさらに血液の巡りが悪くなり、痛みや痺れが悪化したり、いつまでたっても筋肉の緊張が緩まず痛みが続いてしまうことがあります。
なので無茶な運動をしてくださいとは言いませんが、少し大股で短い時間からでも構わないので歩くようにしてください。
またデスクワークなどで長時間座らないといけない時にも、座りっぱなしだとすぐに梨状筋が緊張し坐骨神経を刺激してしまうため、合間合間で立ち上がって周りをウロウロ歩いたり、同じ姿勢を続けないことが大切です。
また、冷やすよりも温めてあげるほうが血行が改善して痛みなどが楽になることが多いです。
ただし炎症が起こっている時には温めると痛みが増すこともあるので注意してください。
ストレッチ方法
上記でもお伝えしたように、梨状筋症候群が原因で座っていると腰やお尻から足が痛くなる場合、腰に自体に問題があるわけではないので、腰の治療やケアをするだけでは不十分です。
ここでは梨状筋症候群の時に自分で行えるストレッチ方法についてお伝えしていきます。
●上向きで寝て片膝を立てます。反対の伸ばしている足と交差させ、立てている膝を床につけるようにゆっくり内に倒してください。お尻にツッパリを感じた所で20~30秒キープ。
●軽くイスに腰かけ、片足を曲げて上記の足を組みます。そのままの体勢でゆっくり体を前に倒してください。この時背中を丸めるのではなく、股関節から体を前に倒すように心がけてください。お尻にツッパリを感じた所で20~30秒キープ。
これ以外のストレッチ方法であっても、痛いくらいに思いっきりする方が効果が出るわけではありません。
強いストレッチは逆に症状を悪化させてしまうこともあるため、無理やりしないように気を付けてください。
まとめ
立つと楽だけど、座っていると腰やお尻から足にかけて痺れや痛みが出てくる…と悩んでいる人もいるでしょう。その痛みや痺れの原因は梨状筋症候群かもしれません。
坐骨神経のそばにある梨状筋が緊張し硬くなることで、神経や血管を圧迫し、坐骨神経痛を引き起こすことがあるんです。
この場合、レントゲンやMRIでは発見することが難しく、特に異常なしといわれてしまうこともあります。
そして梨状筋症候群の時には、お尻の筋肉が柔軟性をなくしてしまっていることで、日常生活で腰にかかる負担が増えてしまい腰痛を起こすことも少なくありません。
痛みがあるとどうしても安静にしたい気持ちもわかりますが、過剰な安静は症状を悪化させたり改善の妨げになってしまうため、体の状態を見ながら少しずつ歩くことを心がけてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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MONA (水曜日, 13 1月 2021 20:09)
先生の記事をよみまして、そうかもしれない と思いました
膝に激痛がしたのですが(左)1か月前、よりお尻の筋肉が凝っているな。。。 と感じてました
気にかけてみます