腰椎ヘルニアは完治よりも
コントロールが大切
腰椎椎間板ヘルニアで腰が痛かったり足に痺れがあると、できれば治したいと思う方も当然沢山いらっしゃるでしょう。
ですが私自身は腰椎椎間板ヘルニアは完治させることよりも、症状をコントロールしていくことが大切だと考えています。
それはなぜなのか?今回は腰椎椎間板ヘルニアの症状をコントロールするという考え方についてお伝えしていきます。
手術で必ず治るとは限らない
腰椎椎間板ヘルニアを完璧に治そうと思ったときに頭に浮かぶ治療法は手術ではありませんか?
腰椎椎間板ヘルニアというのは、腰の骨と骨の間にある椎間版が突出し神経を圧迫している状態なので、単純に考えてこの突出した部分を手術によって切除すれば構造的には、ほぼほぼ本来の体の構造に近づくわけですから。
ですが手術をして突出した椎間版を切除すれば本当に元通りになるのか?というと、そんな単純なわけではなく、耳にしたこともあるかもしれませんが、手術をしたけれど痛みや痺れが取れずにそのままだった…なんて方もいらっしゃいます。
これには手術したところ以外に隠れた神経圧迫があったや、手術や後の安静で筋力が低下してしまったなど、いろんな要因が考えられますが、腰椎椎間板ヘルニアの痛みや痺れは椎間板の突出だけで起こっているわけではないのが大きく関係していると考えられます。
椎間板の突出があっても痛くない人がいる
というのも、腰痛や足などに痛みや痺れのない人を適当に選んでMRIで検査をすると、その7割の人に椎間板の突出が見られるというデータがあります。
言い換えれば、椎間板の突出が見られる方の中にも痛みや痺れがない人は沢山いるということです。
もし「椎間板の突出で神経を圧迫する=腰痛や痺れ」であれば、椎間板の突出があるのに症状がない人はいないはずですよね。
このように腰椎椎間板ヘルニアの症状というのは、椎間板の突出だけで決まるものでなく、筋肉の状態や炎症の有無など体の状態が他の要因が重なり合って起こるものなんです。
そのために、椎間板の突出を手術で取り除けばすべてが解決すると思っていると、いざ手術をしたのに思うような結果が得られなかった…なんてことがおこるんです。
大切なのは症状をコントロールすること
上記のように腰椎椎間板ヘルニアというのは、手術で椎間板を切れば完治するような単純なものではありません。
となると、何をもって腰椎椎間板ヘルニアを完治と呼ぶかは非常にあいまいで難しいものです。
多くの方はそんなあいまいで定義のないものを得たいと願われるわけですが、そもそも得たいモノがはっきりとわかっていないのに、どうやって手に入れればいいんでしょうか?どうやって手に入ったかを確認できるんでしょうか?手に入れたものは本当にあなたが望んでいるモノなのか判別するのでしょうか?
そんなわからない完璧を目指すよりも、私自身は腰椎椎間板ヘルニアは症状をある程度コントロールできるようになることが大切だと考えています。
言い換えると、別に椎間板の突出が残っていたっていいんです。たぶんあなたも椎間板の突出の有無をどうにかしたいのではなく、痛みや痺れといった症状をどうにかしたいと考えているのでは?
椎間板の突出がなければ腰痛や痺れがあってもいいなんて思いませんよね?反対にもし椎間板の突出があったとしても、腰痛や痺れがなければどうですか?
腰椎ヘルニアの症状改善はダイエットに似ている
こういった腰椎椎間板ヘルニアの症状をコントロールという考え方はダイエットに似ていて、ダイエットも痩せればそれでOKというわけではありませんよね。
痩せてリバウンドなくその状態を維持できて、初めてダイエットが成功と言えると思います。
そしてダイエットで痩せたままを維持できる人も、元もと痩せている人もその今の体重をコントロールしているはずです。
私自身も体重は毎日変動していますが、食べ過ぎたり体重が増えてくると意識に食べる量を減らしたり、運動を増やしたり、食べるものを選んだりと、今までの体重をコントロールするように心がけています。
もしそういった意識がなければ多分あっという間に太っていくことでしょう。
このようにある程度自分の体のことを知り、現状をコントロールし、自分の思う状態を維持することが、腰椎椎間板ヘルニアを完治させようと考えるよりも大切だと思います。
腰椎ヘルニアは結果や指標にすぎない
また腰椎椎間板ヘルニアというのは痛みの原因ではなく、あくまで今までのあなたの生活や習慣による結果であり、今の体の状態を表す一つの指標でしかありません。
大切なのは腰椎椎間板ヘルニアという今の状態ではなく、今までの生活や習慣によって腰椎椎間板ヘルニアが発症してしまったという事実です。
つまり普段の生活や習慣で椎間板が変性してしまうくらい腰に負担をかけ続けてきたんです。
腰椎椎間板ヘルニアという状態を知ることが大事なのではなく、そうなってしまったことを受け止め、椎間板が変性してしまうような生活を見直し改善させていくことが、痛みや痺れといった症状を改善しコントロールしていくために必要なことです。
考えるべきは腰椎椎間板ヘルニアになった原因
腰椎椎間板ヘルニアの症状をコントロールするために考えるべきは、そうなってしまった原因です。
多くの場合この原因は一つではなく幾つか重なり合い、さらに短期間で起こったのではなく、積み重ねられることによって腰椎椎間板ヘルニアが発症しています。
例えば普段の姿勢の悪さが原因で体が歪み、腰に負担がかかりやすくなって発症してしまったとすれば、この場合体の歪みを改善させながら普段の姿勢を正す必要があります。
運動不足によって筋力が低下したり筋肉の柔軟性が低下したことが原因であるならば、硬くなった筋肉を整えながら運動を生活に取り入れることが症状をコントロールする上で必要となります。
腰椎椎間板ヘルニアと体の今の状態だけを知っても、それだけでは足りないということです。
どうして発生してしまったのか?もちろんこれを知ることがかなり難しいことではありますが、それでも仮説を立て実際に再現(悪いところや習慣を改善する)してみて結果を見てまた仮説を立てる。
面倒なことではありますが、ここを適当にするともし仮に腰椎椎間板ヘルニアの痛みや痺れが治まったとしても、原因となったモノは何も変化していなければまた再発する可能性は非常に高いでしょう。
そうさせずに症状をコントロールしていくためにも面倒な「行動」が必要なんです。
あなた自身が考えを変えて行動すること
ダイエットでも同じですが、誰かに痩せさせてほしい、痩せさせてくださいと言ったところで最終的には自分自身が行動しなければ体重は落ちていきませんよね。
もちろん体重を落とすためにジムに通ったり、トレーナ―に運動を見てもらったり、サプリメントを飲んだりといった補助をうけることは悪いことではありませんが、それでも最後は自分自身が行動しないとジムに入るだけでは痩せないし、トレーナーに見てもらうだけでも痩せないですよね。
あくまでも自分自身が自分の体に責任を持って向き合い行動することがダイエットや痩せた体重を維持するうえで必要なことです。
これは腰椎椎間板ヘルニアでも同じことが言えます。
最終的にはあなた自身が行動しないと痛みや痺れは改善していきません。
誰かが勝手に腰椎椎間板ヘルニアを治してくれはしません。あなた自身で症状を改善させ、再発しないようコントロールしていくんです。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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