顔を洗う時の腰痛の原因と解消法
朝起きて、顔を洗おうとするたびに腰に痛みがでてしまって毎日大変…と、悩んでいませんか?
腰痛があると人によって生活のいろいろなシーンで苦痛を感じることもあるでしょうが、特に多くの人が悩まれているのが顔を洗う時の腰痛です。
これは腰痛持ちの人なら、一度は経験したことのある悩みでしょう。
そこで今回は朝起きて、顔を洗う時に起こる腰痛の対策や改善方法などについてお伝えしていきます。
どうして顔を洗う時に腰が痛くなる?
でも特に荷物を持っているわけでない、どうして顔を洗おうとする時に腰が痛くなってしまうのか?
これは顔を洗おうと体を前に傾ける体勢をとった時には、真っ直ぐ立っている時の腰にかかる負担が1だとすると、瞬間的に1,5倍以上の負荷が腰にかかってしまいます。
さらにこの時に、腰が丸まってしまい腰椎の前弯のカーブが崩れてしまうことで、腰にかかる負担はそれ以上に増すと考えられます。
もちろん腰の状態がいい時には、そういった負荷にも耐えられますが、痛みが出る時というのは、腰回りの筋肉も緊張し柔軟性をなくしているため、それだけの負荷に耐え切れずに痛みを発生させてしまうんです。
さらに顔を洗うというのは、多くの場合朝に行われることが多く、起きてから間もない時にはまだ血液の巡りも悪く、筋肉が硬くなってしまっていることも関係あるでしょう。
顔を洗う時に腰痛を出さない対策
ここからは顔を洗う時に腰痛を出さないようにするための対策についてお伝えしていきます。
ポイントは腰椎の前弯のカーブを崩さずに、保ったまま体を前に倒していくことです。
●腰椎のカーブを崩さない
両足をしっかり開いて、腰を曲げて体を前に倒すのでなく、股関節から体を前に倒して上記のように腰椎のカーブを保つようにしてください。
(上の写真は腰が丸まってしまい、腰椎の前弯のカーブが崩れてしまっているため、下の写真のように腰のカーブを保つようにしてください)
●膝を曲げて顔を洗う
上の方法を取れればいいのですが、実際に腰痛がある人は股関節が硬くなっていたり、骨盤の動きが制限されていたりするため、なかなか足を伸ばしたままでは腰椎のカーブを維持して体を前に倒すことが難しいでしょう。
なので両足をしっかり開き、膝を曲げて体を前に倒してください。そうすることで腰椎のカーブは保たれ、さらに今まで背中だけで支えていた体を、前側のお腹でも支えられるようになるため、腰にかかる負担が減って腰痛を起こしにくくなります。
●足を前後に広げる
それでも腰が痛いという時には、足を前後に開き、上記と同じように膝を曲げて体を前に倒してください。
足が前後に開かれることで、さらに腰にかかる負担は分散され、腰痛を起こしにくくなります。
朝の固まった体を柔らかくする
顔を洗うことの多い朝方というのはそれまで横になって寝ていて、体が動いていなかったため、血液の流れが悪くなり体の柔軟性が減ってしまっています。
そのため、腰回りの筋肉も硬くなって余計に腰にかかる負担に耐えられず、痛みを出してしまいます。
なのでまず起きた時に体を動かして、筋肉を伸び縮させて上げることで、顔を洗う時の腰痛が起こりにくくなります。
上記でお伝えした対策だけでなく、朝の固まった体を動かして上げることで一層効果的です。特に股関節や骨盤、腰回りを動かしてあげるといいですね。
ここでは朝の固まった体を動かし筋肉を柔軟にさせる方法としてストレッチをお伝えします。
●上向きに寝て両膝を曲げて、両足を左右へ交互に倒してください。最初は小さい幅で倒し、段々と倒す幅を大きくしていってください。
●上向きに寝て片膝を曲げ、両手でその足を外から内に回してください。
これも最初は小さく、段々と大きく回していってください。
どちらのストレッチも、柔らかいベッドの上などでなく、それほど体の沈まない布団やベッドの上であれば、起きてそのまま行ってみてください。
そもそもの原因を改善していく
顔を洗う時に腰痛が起こるときには、上記のような対策を一度試してみてもらい、それと同時に体を前に倒すと出てくる腰痛の原因を改善していくことが大切です。
というのも、上記の対策はあくまでも腰痛を起こりにくくする方法であって、腰痛自体を治すためのものではないからです。
もちろんぎっくり腰などの時には、時間とともに炎症がおさまり、以前のように顔を洗う時に腰痛なく体を前に倒せるようになることもあるでしょう。
ですが、ぎっくり腰を起こしてしまう時点で、体は腰痛を起こしやすくなっている状態であり、そんな体を改善させてあげないと、何時またぎっくり腰を繰り返してしまうかわかりません。
もちろん慢性的な腰痛で顔を洗うのが辛いのであれば、なおさら痛みを起こさない対処法だけでなく、もう少し根本の部分から腰痛を改善していく必要があります。
顔を洗う時に腰痛が起こる原因
ここからは顔を洗う時に腰痛が出てしまう原因とその解決策についてお伝えしていきます。
●マットレスがあっていない
朝方に体が硬くなればなるほど、顔を洗う時に腰痛は起こりやすくなります。
その朝方に体の柔軟性を低下させる要因として、マットレスや敷布団が体に合っていないことがあげられます。
柔らかすぎる敷布団やマットレスは腰やの部分お尻の部分が沈んでしまうため、腰椎(腰骨)の本来もつ前弯のカーブが失われてしまい、腰に負担がかかってしまいます。
反対に床で寝たり硬いマットレスで寝てしまうと、お尻が沈まず、腰が浮いた状態になり、上向きで寝ている限り重力によって腰にはカーブをつぶす力が加わり続けることになるため、腰周りの筋肉が硬くなってしまいます。
なのでやはり敷布団やマットレスは硬すぎず、やわらか過ぎず、自分の今の体の状態に合うものを選択するように心がけてみてください。
●枕の高さがあっていない
マットレスや敷布団だけでなく、枕というのも寝起きの腰に大きな影響を与えます。
高すぎる枕は頭の位置が上に上がり、お尻の位置が一番重たく下に下がるため、どうしても背骨のカーブが失われやすくなり、腰周りの筋肉に負担がかかります。
反対に低い枕の場合、首が反ってしまうことで、腰椎も前弯のカーブが強くなりやすくなり、これも腰周りの筋肉に寝ている間負担がかかることになります。
敷布団やマットレスに合わせて、枕の硬さや高さも調節するようにしてください。
●股関節や骨盤の動きをよくする
顔を洗う時に腰痛が起こってしまう人は、股関節や骨盤の動きが悪くなっていることが非常に多いです。
骨盤や股関節の動きが悪いため、それを腰の骨が代用し体を前に傾けるため、腰椎の前弯のカーブも崩れ、体を支えるために腰周りの筋肉が必死に働かないといけなくなり、腰痛を起こしやすくなってしまいます。
反対に骨盤や股関節がきちんと動くと、腰にかかるの負担は分散されます。
なので、股関節や骨盤の動きをよくして、前屈をしやすくしてあげることが、朝に顔を洗う時の腰痛を解消するためには大切です。
股関節や骨盤の動きを制限する要因で大きく関わっているのが、脚の裏面の筋肉やお尻の筋肉で、つまりこれらの筋肉を柔軟にすることで前屈の際に腰痛を起こしにくくできます。
ここでは筋肉のケアの方法としてストレッチをお伝えしていきます。
●片足を伸ばして反対の足をあぐらをかくように曲げて座り、体を前に倒してください。脚の後面にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●床に膝を曲げて座り両手を体の後ろに置きます。片足を上げて反対の足の太ももに足首を乗せて足を組み、お尻にツッパリを感じたらそのまま15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
この時腰はできるだけ丸めず背筋を伸ばしてください。上の写真であれば左足の曲げる角度を強めるとさらにお尻の筋肉がツッパリやすくなるので調節してください。
●生活習慣が腰に負担をかけている
基本的には腰痛は急に発症するわけではなく、普段の生活によって腰周りに少しずつ負担や疲労が蓄積することによって起こっています。
そのため、普段の日常生活で腰にかかる負担を極力減らせるように生活習慣を見直すことが大切です。
例えば姿勢が悪ければそれだけで腰にはずっと負荷が必要以上にかかることになるので姿勢を正して生活を行ったり、適度な運動を定期的に行い筋肉を柔軟に保つようにしたり、体が冷えると血液の巡りが悪くなり痛みを起こしやすくなるので、冷えを予防したり等々…。
他にも荷物の持ち方などいうときりがありませんが、まずはよく言われることのある姿勢や運動などから気を付けて行うようにしていってください。
●食べすぎ飲みすぎや時間帯など食事によって
先ほどの生活習慣の中で、朝方に顔を洗う時の腰痛に大きく関係するのが食事です。
体には「内臓神経反射」という反射作用があり、内臓に負担がかかることによって腰や背中の筋肉が緊張して固くなってしまいます。
そのため、普段から食べすぎやアルコールを飲みすぎてしまっている方は、腰の筋肉が緊張しやすく腰痛を起こしやすくなっています。
また食事の時間が遅く、食べてすぐ寝るような生活を送っていると、体は休もうとしても内臓は働き続けるため休む暇もなく、これによって内臓に負担がかかってしまい、朝方に腰周りの筋肉が固まり顔を洗う時に腰痛を起こしやすくなります。
普段から食べすぎや飲みすぎに気を付け、食べる時間もあまり遅くなってしまわないよう意識してください。
まとめ
腰痛持ちの人の中には、毎朝顔を洗おうとすると腰が痛くて…と、悩まれている人もいるでしょう。
顔を洗おうとするときの前傾姿勢というのは、腰に立っている時に比べ1,5倍以上の負荷がかかるため、普段から腰周りの筋肉が硬くなってしまっているほど腰痛を起こしやすくなってしまいます。
対策としては膝を曲げて顔を洗ったり、それでも辛ければ足を前後に開いて膝を曲げて行うことで、腰椎のカーブが保たれ腰痛を起こしにくくなります。
ただしこれはあくまでも対処法であるため、やはりもともと腰痛を起こしやすくなっている体の状態を改善していくことが、朝方の顔を洗う時の腰痛の解消方法です。
上記の解消方法を参考に、股関節や骨盤の動きをよくしたり、生活習慣を見直したり、寝袋や枕を自分に合わせて朝方に腰が緊張してしまうことを防ぐようにしてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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