首痛にならない椅子の座り方
仕事でデスクワークが多くて、椅子に座って作業をしていると段々と首がこりだして、最後には痛くなってきてしまう…と、悩んでいませんか?
デスクワークの仕事や家でも椅子に座ることが多い方で首痛に悩まされている人は少なくありません。
そうでなくても普段はそんなに座りっぱなしでないけれど、私自身もパソコン作業で長時間椅子に座っていると首から肩にかけて詰まったようなコリを感じますし、そういった人もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は首痛を起こさないための椅子の座り方についてお伝えしていきます。
椅子の選び方
もちろん座る姿勢や座り方も大切なんですが、そもそも椅子があなたの体に合っていなければ首痛を起こしやすくなってしまいます。なのでまずは首痛を起こしにくくするための椅子選びのポイントからお伝えしていきます。
●足が地面につくように
まず椅子の高さですが、足の裏がしっかり地面につく高さのものを選んでください。
足が浮いてしまうと太ももが重力によって椅子に過度に圧迫されてしまい、血液の巡りが悪くなることで柔軟性を失ってしまいます。すると、足の筋肉は骨盤についているため、緊張し硬くなった筋肉が骨盤を引っ張りだすことで骨盤が歪み、姿勢が崩れやすくなってしまいます。
また、足が浮いていることで踏ん張りがきかず、背骨の土台となる骨盤が安定しないことも姿勢を悪くする要因です。
姿勢が良い時には、背骨は本来持つS字カーブを保てるため、首や肩にかかる頭の重たさを分散することができますが、姿勢が崩れることで頭の重たさを分散できず、肩や首の筋肉に余計な負担がかかり首痛を起こしやすくなります。
なので、どうしても仕事場の椅子など変えることができない時には、雑誌や台を足元に置いてみてください。
●椅子が低すぎないように
反対に低すぎると骨盤が後ろに傾いてしまうため、これも腰の骨の前弯のカーブが減少し、その上につながる首の骨(頚椎)のカーブをクスしてしまうため、首や肩の筋肉の負担が大きくなり首痛を起こしやすくなります。
それでも低い椅子で骨盤を立てて姿勢を正すことはできなくはありませんが、後ろに傾こうとする骨盤を起こすために、腰からお腹を通って足につく大腰筋と呼ばれる筋肉や、太もも前面の筋肉を酷使することになり、長時間それらの筋肉を酷使することで、段々と良い姿勢を維持するのが困難になったり、腰痛を起こしてしまう可能性も出てきてしまいます。
目安としては、太ももと床とが平行になるくらいの高さが姿勢を正しやすく、両足で踏ん張り骨盤を安定させ上半身を支えるようにしてください。
●直角よりも少しだけ背もたれに角度があるように
首痛など体に負担の少ない椅子と言われると、背もたれが直角の椅子をイメージされる人も少なくないでしょう。
ですが実際に座ってもらっったり、軽トラックをイメージしてもらうとわかりやすいですが、直角の椅子って案外しんどくて、深く座ると腰を反らしてしまいがちになりますし、体が硬く腰を反らしにくい人だと背もたれとお尻の間に隙間ができるため、背中が丸まりやすくなってしまいます。
どちらの座り方も、上半身を支える腰周りの筋肉に負担が大きく、姿勢が悪いことで首に負担がかかり首痛を起こしやすくなってしまいます。
だいたい95度~100度くらいの、直角よりも少しだけ後ろに背もたれが傾いている方が首に負担がかかりにくくなります。
●椅子の端と膝裏との間に隙間ができるように
椅子のシートの部分が長く、深く座った時にシートの端と膝裏との間がなくなり膝が圧迫されてしまうと、足の筋肉の血液の巡りが悪くなってしまいます。
すると段々と足の裏の後面の筋肉が血液の巡りが悪くなることで硬くなり、骨盤を引っ張り出すため、姿勢を正していることに悪影響を与えてしまいます。
ですので、椅子のシートの端と膝裏は少し隙間ができるような長さの椅子がおススメです。
●長時間座るならシートは少しクッション性のあるものに
30分ぐらいであればシートは硬くてもそれ程悪影響を与えないと思いますが、これが1時間以上や仕事で1日中座っているのであれば、少しクッション性のあるシートがおススメです。
シートが固いとやはり太ももを圧迫しすぎて血液の巡りが悪くなったり、良い姿勢でいても坐骨が硬い部分にあたり続けることで痛くなって、姿勢を崩してしまう可能性があるからです。
かといってやわらかいソファーのようにお尻が沈みこむものは、骨盤が後ろに傾いて背骨のカーブが崩れ、首痛を出しやすくなるため気をつけてください。
●腰の部分にわずかな前弯のカーブがあるものがおススメ
さらに背もたれの部分は、真っ直ぐ直線のものよりも腰の部分が緩く前弯のカーブを描いているものがおススメです。
当店のカウンセリングを行う時の椅子は、背骨の部分が前弯を描いているんですが、この椅子だと姿勢を正しやすいというお客様が結構いらっしゃいます。
首痛にならない椅子の座り方のポイント
ここからは首の痛みを起こしにくくするための椅子の座り方のポイントをお伝えしていきます。
椅子の選び方とかぶるところもありますが、参考にしてみてくだい。
●骨盤を立てる
坐骨座りと言われることもありますが、骨盤を立てて坐骨(下のイラストの赤丸部分)で椅子に座ることが首痛を出さないためには大切です。
骨盤を立てて座ることで、背骨のカーブが本来のS字カーブを描き、首のカーブが作られることで首の筋肉にかかる負担を減らしてくれます。
これが骨盤が後ろに傾き背中が丸まってしまうと、首のカーブがなくなり、頭の位置も前に出てしまうことで、重たい頭を落とさないように首の筋肉が支え続けようとすることで、首痛を起こしやすくなってしまいます。
気をつけるところはお腹に力を入れとお尻の穴を閉めるようにすることです。
こうすることで腹圧が高まり腰周りや骨盤が安定することで、骨盤を立てて座りやすくなります。
●頭を前に傾けない
頭が前に15度傾くと、真っ直ぐの時よりも首には2倍もの負担がかかると言われていますが、これが30度になれば首には3~4倍もの負担がかかるため、首痛をそれだけ起こしやすくなります。
上記の骨盤を起こした状態で頭だけを前に傾けるのはしんどい姿勢なんですが、どうしても手元を見て作業しないといけない時には、知らず知らず頭が前に傾いてしまっていることがあります。
そんな時は、手の位置を前に持っていき、少し前方で作業することを心がけてみてください。
●胸を開く
肩の位置が前に出てしまうと、頭が前に出やすくなり首痛を起こしやすくなります。なので胸を開くように心がけて下さい。
ただしこの時に胸を張ろうとするとその姿勢がなかなか続きません。
なのでおススメは肩の力を抜いて、肩甲骨を少しだけ内に寄せて下に下げるイメージを持ってみてください。
●足を少し開く
少し行儀は悪いかもしれませんが、椅子に座るときに膝はそろえるより30度~40度くらい開いた方が立てた骨盤が安定しやすく、姿勢を正しやすくなるため首痛を起こしにくくなります。
●足を組んで座らない
足を組んで座ると、やはり骨盤が左右に傾きやすく、土台が傾くことで背骨も側弯のカーブを描いてしまい上半身傾くことで、頭を真っ直ぐに保つために片側の首の筋肉が余計に働くため、片側に首痛が出てしまうことがありす。
椅子に座りっぱなしでいない
そして椅子に座るときに首痛を起こさないようにするためには、合間で少し体を動かすことが大切です。
上記のポイントを守ってもらうと、首の筋肉にかかる負担は減りますが、それでも長時間座りっぱなしだと、筋肉が伸び縮みしないため、血液の巡りが悪くなり疲労がたまりやすく、首痛を起こしたり、いい姿勢を維持することが難しくなります。
運動をする必要はありませんが、意識的にトイレ休憩をとって立ち上がって歩いたり、その場でも立ち上がり少し足踏みをするなど、椅子に座る合間に少し体を動かすことで首痛を起こしにくくなります。
椅子に座ってできる首周りのストレッチ
ここからは座ったままで行える首周りの筋肉のストレッチをお伝えしていきます。
椅子に座っている合間の時間でストレッチを行ってもらうことで、より首痛を起こしにくくなります。
●両手を頭の後ろに回して手を組み、背筋を伸ばしたままでゆっくり頭を前に倒してください。首の後ろが少し突っ張りだしたところで15~20秒キープ。
●片手を背中に回し、反対の手を頭の後ろにまわします。頭の後ろにまわした手で、頭を斜め前に倒してください。首にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●両手を上に上げます。片方の手で背中を伸ばす側のもう片方の手首を掴み、斜め上へ引き上げてください。この時に上半身も横へ倒してください。
ポイントは腰を伸ばそうとするのではなく、わきのあたりを伸ばそうと腕を引っ張ることです。
背中にツッパリ感が出てきたらその場で20~30秒キープ。左右同じようにおこなってください。
●椅子の前の方に座り両手を体の後ろで組んで、背筋を伸ばしたまま左右の肩甲骨を内に寄せてください。そのままの状態で20秒キープ。
この他にも時間があれば足のストレッチやお尻のストレッチを行っていただくことで長時間姿勢を正しやすくなります。
また手作業を行っている時には、腕のストレッチを行うことで首痛をさらに予防することができます。
まとめ
椅子に長時間座っていると首が痛くなってくる…という人は少なくないでしょう。
椅子に座っていても首痛を出さないためにはまず椅子を選ぶことも大切で、高すぎず引くすぎずきちんと両足が床にしっかりつき、やや背もたれが倒れていて、シートと膝裏に隙間があるものがおススメです。
さらにシートにクッション性があり、腰の部分が前弯のカーブを描いていると首痛を起こしにくい形と言えるでしょう。
座り方のポイントとしては、骨盤を立てて、頭を前に傾けずに胸を開き、少し足を開くことで姿勢を正しやすく、椅子に座っていても首痛を起こしにくくなります。
また、座りっぱなしにならずに、合間合間で立ち上がったりその場で足踏みをしたり、少し体を動かすことも首痛予防のためには大切です。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
コメントをお書きください