治らない肩こりの原因は内臓の問題かも
なんだか最近体も重くてダルイし、肩こりもひどいからマッサージに行くけれど全然良くならないし…何が原因なの?と、悩んでいませんか?
肩こりというとやはり、デスクワークやパソコンの使用し過ぎなどが原因と思い浮かびますよね。
ですがそういったことが原因でなく、肩こりと一緒に体も重たく感じたりダルイと感じる時には、内臓が原因で肩こりが起こっている時があるんです。
今回は内臓が原因で肩こりが起こってしまう理由などについてお伝えし行きます。
血液の流れが悪くなる
内臓を働かせすぎることで、内臓が疲労して血液の巡りが悪くなり、肩こりが起こってしまうことがあります。
これは例えば食べ過ぎによって胃腸がしっかりと働くために、血液は胃腸へと集まっていきます。そうすれば必然的にその他の部分への血液の供給は後回しにされてしまうため、これによって肩周りの血液の巡りが悪くなれば疲労物質などがうまく流されずに「こり」が発生してしまいます。
特に肝臓には全身の血液量全体の約30%ほどの血液があり、これがアルコールの飲みすぎなどで働かせすぎたり、肝臓が疲労したり炎症を起こしたり問題を起すことで、それだけの血液が肝臓に滞留してしまうため、全身の血液の巡りが悪くなり、肩こりも起こりやすくなってしまいます。
姿勢が崩れやすい
姿勢が肩こりに大きく関係することは最近ではよく言われることがあるので、なんとなく姿勢が悪いといけないと知っている人は多いでしょう。
実際に、姿勢が悪く猫背になったり背中が丸まってしまっていると、頚椎(首の骨)の本来持っている前弯のカーブが失われてしまいます。
頚椎に前弯のカーブがあるおかげで、頭の重たさが首に直接かからないよう、クッションのように働き分散してくれているんですが、そのカーブがなくなることで、首や肩にかかる負担が増加し筋肉に硬結ができやすくなって肩こりを発生しやすくなってしまいます。
また姿勢が悪くなることで、頭の位置が前に飛び出してしまうと、重たい頭を前に落とさないように首や肩の筋肉が常に頭を引っ張り続けるために働くため、疲労が蓄積し肩こりを発症してしまいます。
そして経験のある人もいるかもしれませんが、お腹の調子が悪いときなんかは、お腹をかばうために背中を丸めた姿勢を取りやすくなりますよね?
このように内臓に不調があると、それをかばうため猫背になったり背中を丸めやすくなることで、日常生活の姿勢が崩れ肩こりが起こりやすくなります。
自然治癒力の低下
肩周りの筋肉も頭を支えたり、物を持ったりなど日々使用されることで少しづつ筋肉に小さな傷ができていきます。
もちろん普段であればそういった小さな傷は睡眠時などに自然治癒力によって治っていきます。
これが胃腸や肝臓などに問題が生じると、きちんと食べたものを消化し吸収することができないため、筋肉に回復させるための栄養素を送れなくなってしまったり、腸は免疫と大きく関係するため、免疫力が低下することで自然治癒力も低下してしまいます。
自然治癒力が低下し、筋肉の傷をきちんと修復できずに傷が残ってしまうと、その部分は硬くなってしまい段々と肩こりを発症させてしまいます。
呼吸が浅くなる
例えば肺に問題が生じればもちろん呼吸も浅くなってしまいますし、胃腸や肝臓の不調も自然と背中が丸まりやすくなるため、きちんと胸が開けず呼吸が浅くなってしまいます。
筋肉というのは、酸素がすくないととても疲労しやすい構造になっており、「こり」というのは簡単に言えば、疲労物質が筋肉に溜まることで硬くなり「こり」ができた状態で、これが肩の筋肉で起これば肩こり感じてしまうようになります。
なぜ内臓からの肩こりはマッサージで治らない?
このように内臓に問題が生じることで肩こりを起こしやすくなってしまいますが、それでも肩こりだからマッサージで良くなるんじゃないの?と思う方もいることでしょう。
マッサージの大きな目的は「緊張している筋肉の弛緩」「血行不良の改善」 であるため、確かに肩こりの部分をマッサージすることでその時は少し楽になるかもしれません。
しかし肩こりを起す筋肉が緊張している原因・血行不良を起こしている原因が内臓の問題にあれば、いくら「こり」だけをマッサージしたところで、また時間とともに筋肉は緊張し血行不良が起きて「こり」が生まれてしまいます。
このように肩こりという表面に出ている症状をマッサージで取り除くだけで内臓に問題があるままでは、いたちごっこのようになり肩こりは解消されないのです。
内臓の問題で多いのは疲労
肩こりを起す内臓の問題で圧倒的に多いのは、大きな病気などではなく内臓の疲労によるものです。
特に肩こりの発生に関係が深いのが胃腸や肝臓で、これらの内臓が疲労することで「こり」が起こりやすくなるため、内臓を疲労させないことが肩こりを治すために必要となります。
ここからはよくよく見られることのある、内臓が疲労してしまう原因をお伝えしていきます。
●暴飲暴食
食べ過ぎは胃腸を働かさせすぎることになり、胃腸が疲労してしまいます。
お酒の飲みすぎも、アルコールを分解し解毒化するために肝臓が働き続けることになるため、肝臓が疲労する原因となります。
●過度な運動
運動というと体によさそうなイメージを持たれている人も多いことでしょう。
実際に適度な運動は免疫力も高めてくれますし内臓にもいい影響を与えますが、過度にやりすぎるとやはり運動も悪影響を出してしまうものなんです。
運動を行うと体のエネルギーは体を動かす方に大量に使われてしまい、そして運動後も体力の回復のためにたくさんのエネルギーを使います。
そうなると内臓はエネルギー不足となり、消化不良や食欲減退を起してしまいます。
●ストレス
ストレスはそれ自体でも肩こりを引き起こす原因にもなりますし、過度のストレスは自律神経を乱してしまうため、それによって内臓の働きが低下し不調を起こす原因となります。
●ダイエットによる過度な食事制限
食べすぎも内臓に負担をかけて疲労を起してしまう原因になりますが、過度のダイエットも内臓に負担をかけてしまいます。
これは極端に食事を減らすような急激なダイエットをすると、飢餓状態だと感じて全身の脂肪細胞や筋肉がエネルギー源を放出します。
すると、筋肉が減少して代謝が落ち、体が消費するエネルギー量が落ち、その結果、肝臓に脂肪が溜まりやすい状況になってしまうからです。
●体の冷え
体の冷えもそれ自体が肩こりを起す原因にもなりますが、内臓にも負担をかける要因になります。
体温が低い状態は自律神経のバランスを乱すため、消化器系の不調や他の病気の原因ともなり得るからです。
内臓疾患によって起こる肩こり
もちろん内臓の疲労によって起こる肩こりが多いといっても、内臓の病気によって肩こりが起こっていることもあります。
ここからは肩こりを発症することのある内臓疾患をお伝えしていきます。
●心臓病
狭心症や心筋梗塞では肩付近、特に左の肩や胸、背中に痛みやだるさを感じることがあります。
肩こり以外に、背中全体の痛みや強い胸焼け、胸の締め付けなどが日常的に起こる時には心臓の病気によって起こっている可能性があるため気を付けてください。
●肝臓疾患
肝臓が疲労しているときだけでなく肝炎などの疾患がある時にも、肩こりが起こることがあります。
食欲不振だけでなく、吐き気や嘔吐、発熱・咽頭痛・頭痛などの症状がある時には気を付けてください。
●胃腸疾患
下痢や便秘など胃に不調があるとき、肩こりや肩甲骨の間の痛みが見られることがあります。
胃腸の疲労となかなか見分けがつきにくいことも多いですが、腹痛や発熱、嘔吐、下痢や便秘が長期間続くときなどは気を付けてください。
●肺の病気
肺結核や肺膜炎になると、咳やだるさ、微熱などの症状が起こりますが、初期症状として肩や背中にこり、だるさが出ることがあります。
まとめ
体が重く感じたり、ダルさを感じる肩こりは内臓の問題によって起こっていることがあります。
これは内臓に問題が起こることで、呼吸が浅くなったり、血液の巡りが悪くなってしまったり、免疫力が低下してしまったり、姿勢が崩れやすくなってしまうためです。
こんな内臓の問題によって起こっている肩こりは、マッサージを行ってもそれは表面的に出ている症状に対してしか効果がないため、全然治らないことがあります。
そして内臓の問題で多いのは胃腸や肝臓の疲労なので、マッサージで治らない肩こりの時には、食生活や体の冷え、ストレスなど生活習慣を見直すことが必要となります。
ただしまれに中には内臓の疲労でなく、心臓疾患や肺疾患、肝臓の病気など、内臓の病気によって肩こりが起こっていることもあるため、肩こり以外に気になる症状がみられる時には一度病院を受診してくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
コメントをお書きください