登山で頚椎ヘルニアを悪化させない対策
首や腕に痛みを感じるようになって病院を受診してみると、頚椎椎間板ヘルニアと言われた…。その後リハビリに行ったり、整体に通ってある程度症状も軽減してきて、登山に誘われたけれど行っても大丈夫かな?と、疑問に思っていませんか?
頚椎椎間板ヘルニアと診断された人でも、多くの場合手術をしなくても段々と症状が軽減されていきます。
そうなると生活では支障がないけれど、登山となると体に負担も大きそうだし大丈夫だろうか?と考える人もいるでしょう。
そこで今回は頚椎椎間板ヘルニアの方が、登山をする時に気を付けるべきことについてお伝えしていきます。
そもそも登山て大丈夫なの?
そもそも頚椎椎間板ヘルニアと診断されたことがあるのに、登山て大丈夫なのか?なんですが、これは一概に大丈夫か悪いかをいうことはできません。
やはりその人の体の状態が大きく関係するからです。
というのも、登山自体はやはり体にとってはかなり大きな負荷となります。そのため急に頚椎椎間板ヘルニアの症状が悪化し、わずかに動くだけでも痛みや痺れなどの症状が強く出ている時には、登山などは避けて安静にするほうがいいでしょう。
これが頚椎椎間板ヘルニアの症状がある程度軽減したり、慢性化して日常生活や軽い運動でそれほど症状が悪化しないのであれば、登山自体は確かに体には大きな負担がかかるものの、特別頚椎に大きく負荷をかけるモノではないため、行っていただいても大丈夫であると考えられます。
このように当たり前の回答になってしまいますが、その本人の体の状態が大きくかかわるため、不安であれば一度平坦なところで長時間歩いてみるなど様子を見てから登山に行くかどうかを判断するのも一つの方法でしょう。
登山に行くときの対策
ここからは頚椎椎間板ヘルニアがある方が登山に行くときに、症状を悪化させないための対策についてお伝えしていきます。
●荷物はできるだけ手軽に
登山を行うときに頚椎に大きく影響を与える一つが荷物でしょう。
できれば荷物を持ち運ぶのであれば、リュックサックを使用するようにしてください。
あまり登山では見かけませんが、ショルダーバックやハンドバックは左右片側に重みがかかりつづけるため 、段々と体が歪み背骨のカーブが崩れることで首周りの筋肉が緊張しやすくなります。
そしてリュックサックを利用する場合にも、荷物はできるだけ少なくすることを心がけてください。
リュックサックの中身が重たくなれば、その分肩にかかる負担は増えてしまい、頚椎椎間板ヘルニアに悪影響を与えてしまいます。
着替えやタオル、飲物、食事など登山の時には必要なモノが多々あるとは思いますが、減らせるものは減らしてくださいね。
●軽いものは下に入れる
荷物の量もそうですが、荷物の詰め込み方も頚椎椎間板ヘルニアを予防するうえで大切です。
硬いモノや突起物などが背中側にあり、これが背骨の辺りにあたっていると、歩いているうちにどんどん痛みから逃げるために姿勢が崩れて首にかかる負担が大きくなってしまいます。
また基本的には荷物の詰め込みは軽いものから重たいものへという順番がお勧めです。そうすることで荷物が安定し頚椎にかかる負担が少なくなるためです。
もちろん軽くてもタオルや飲み物など、ちょくちょく使用するものは上に入れるようにしてください。
●リュックサックは体に密着させる
リュックサックは肩紐の長さが長くなってしまうと、身体が後ろに引っ張られるような力が強く加わってしまうため、腰が弱い人は体が反りぎみになったり、腹筋の弱い人は猫背など不自然な姿勢になりやすくなります。
すると背骨のS字カーブが崩れてしまうため、頚椎(首の骨)のカーブも崩れ、頭の重たさをうまく分散できなくなり、頚椎にかかる負担が大きくなってしまいます。
そのため、肩紐の長さは調節してしっかり背負った時に体に密着するようにしてください。
●姿勢に気を付ける
平地でも姿勢は頚椎に大きく影響を与えますが、登山の時にも姿勢に気を付けてください。
背中を猫背のように丸めて歩いていると、頭の位置が前に出てしまい頚椎のカーブが減少するため、首や肩周りの筋肉は頭を落とさないように常に必要異常に働き続けるため頚椎椎間板ヘルニアに悪影響を与えます。
足元が気になるのは仕方ありませんが、あまり真下の足元ばかり見ないようにしてください。
●トレッキングポールを使用する
トレッキングポールを使用することも、登山の時に頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法です。
トレッキングポールを使用することで、体が前傾姿勢になりにくく、姿勢をただしたまま登山を行いやすくなるため、頚椎にも負担が少なくなります。
疲れも軽減することができるため、後半になっても腰が折れ曲がりにくくなります。
●寒さ対策をする
登山で山を上るほどに気温は段々と下がっていきます。そのため動いているときは良くても、休憩したり頂上についた時にはかいた汗も冷えて体温が奪われてしまいます。
体温が下がることで血液の巡りも悪くなってしまうため、頚椎椎間板ヘルニアに悪影響を与えるので、着替えや頂上で着用する上着を持っていくようにしてください。
●降りてから体のケアを行う
登山はやはり体に大きな負担であるため、かなり筋肉も疲労してしまうことでしょう。
その時にケアを行わないことで、筋肉は硬く緊張したままになり、回復が遅くなります。
その筋肉の緊張によって体の歪みが発生したり、頚椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうことがあるため、しっかりと登山の後には体のケアを行ってください。
登山後のストレッチ方法
頚椎椎間板ヘルニアの悪化を防いだり、痛みや痺れの症状を再発させないためには上記でお伝えしたように登山後のケアも大切です。
登山では足の筋肉を酷使したり、お尻の筋肉を酷使することで、それらの筋肉が硬くなり骨盤を引っ張ると、姿勢が崩れてしまい頚椎にかかる負担が増えてしまいます。
またリュックサックを背負い続けることで背中の筋肉も疲労し、背中の筋肉が緊張状態になれば背中が丸まってこれも頚椎にかかる負担を増やすことになってしまいます。
なので登山後にはしっかり肩や首に限らず、筋肉をケアしてあげることが必要となります。
ここではケアの方法として、ストレッチ方法をお伝えしていきます。
●足の筋肉のストレッチ
●立ったまま壁に片手をついて、反対の手で片足の足首を持ち、かかとをお尻に近づけてください。
太もも表にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●片足を伸ばして、反対の足を胡坐をかくように曲げて床に座り、足を延ばしたままゆっくり体を前に倒してください。
足の裏にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●お尻の筋肉のストレッチ
●椅子に座り上の写真のように足を組んで、片手で膝をゆっくり下に押さえ、反対の手で足首を持って上に引っ張り、ゆっくり体を前に倒してください。
お尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●椅子に座り、片足を曲げて足を組んで椅子の上に足をのせます。両手で曲げた足を抱え、自分の体の方に引き寄せてください。
お尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●背中のストレッチ
●両手を万歳して片手で反対の腕の手首を握ります。手首を握った腕の方に体を横に倒していき、背中の部分を伸ばすように手首を握った手で腕を斜め上に引っ張りその状態で20秒程キープ。左右交互に行ってください。
●肩甲骨のストレッチ
●両足を肩幅程に開き、つま先は外側に軽く向け立ちます。
息を吸いながらゆっくりと両腕を上げ、頭の上で手のひらを合わせます。
そこから息をはきながら、手のひらを外側に向け、ひじを少し後ろに引い腕を胸の位置まで下ろしていき、胸の位置で止めます。
腕を下していく時は、左右の肩甲骨を中央に寄せるよう意識してください。
まとめ
頚椎椎間板ヘルニアの時に登山て大丈夫なのかな?と疑問に思っている人もいるでしょう。
正直、登山自体は体に大きな負荷をかける運動なので、その人の体の状態によって同じ頚椎椎間板ヘルニアでも変わってきて、比較的痛みが治まり日常生活に支障なくうどけているのであれば、大丈夫だと考えられます。
特別登山は頚椎に負荷のかかる運動ではありませんが、リュックサックの背負い方や登山の時の姿勢などによって、頚椎にかかる負担が大きくなるため、上記の対策を参考にしてみてください。
さらに登山後の体のケアも大切で、ここをおろそかにすることで頚椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうこともあるので、気を付けてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
コメントをお書きください