勉強をしてると腰が痛くなる原因と対策
試験が近くて数日続けて長時間勉強をしていたら、だんだんと腰が痛くなってきた…と、悩んでいませんか?
最近では子供にも腰痛持ちの子が増えていると言われることがあるように、勉強をしていると腰が痛くなる…なんて方は少なくありません。
というのも、勉強自体で脳を酷使することは腰にそれほど影響を与えるものではありませんが、その時の姿勢や動作の減少など、結構勉強をしている時には腰に負担をかけてしまっているんです。
そこで今回は、勉強をしていると腰が痛くなるよくある7つの原因やその対策についてお伝えしていきます。
1、床に座って勉強している
勉強をする時には、こたつ机などで床に座っておこなうという方もいると思いますが、実は床に座っているだけでも腰にはものすごく負担がかかりやすい状態なんです。
というのも、床に座って勉強をしようとすると、どうしても骨盤は後ろに倒れやすくなります。
そして骨盤が後ろに倒れてしまうと、骨盤の上にある背骨も一緒に歪んでしまい、腰椎(腰の骨)にある前弯のカーブが減少してしまいます。
本来であれば腰椎に前弯のカーブがあるおかげで、上半身の重たさを腰だけにかからないように分散してくれているんですが、そのカーブがなくなることで腰にかかる負担が大きくなってしまいます。
座るということ自体、まっすぐに立っているときよりも腰には1,4倍もの負荷がかかり続けると言われていますが、床に座り腰椎のカーブが減少しさらに腰にかかる負荷が増えることで、腰周りの筋肉が硬くなり柔軟性を失って腰痛を起してしまいやすくなるんです。
それじゃあ床に座っていても骨盤を後ろに倒さなければいいのか?というと、確かにそうすれば腰椎のカーブは保たれますが、床に座り股関節の屈曲が強い中で骨盤を立てようとすると、腰からお腹を通り足につながる腸腰筋と呼ばれる筋肉を酷使することになります。
するとこの腸腰筋が硬くなり、腰につく部分で痛みを起すことで腰痛を起してしまいます。
●対策
床に座って勉強をしていると、どうしても腰にかかる負担が大きくなってしまうため、対策としてはやはり椅子に座るようにすることです。
もちろん家では椅子をほとんど使用しないなんてところもあると思いますので、その場合はしんどいかもしれませんが正座がお勧めです。
正座で座ることで骨盤は起しやすく腰椎のカーブも保たれ、腸腰筋もそれほど酷使することなく良い姿勢を保ちやすいため、腰にかかる負担が少なくてすみます。
2、椅子や机の高さがあっていない
床に座るよりも椅子に座って勉強するほうが、腰にかかる負担は少なくなるものの、机や椅子の高さが自分に合っていないで長時間勉強を続けると腰痛を起すリスクが高まります。
椅子が高くて足が床につかなければ、不安定な上半身を腰の筋肉で支える必要があるため、腰周りの筋肉は常に緊張状態になり腰痛を起しやすくなります。また、太腿の圧迫も強くなることで太腿の筋肉が硬くなると、太腿の筋肉が骨盤につく部分を引っ張り出し、姿勢が崩れてしまうことで世痛が長引きやすくもなります。
反対に椅子が低いと、床に座るよりはましだとしても骨盤が後ろに傾き背中が丸まりやすくなってしまうため、腰に負担が大きく腰痛を起してしまいます。
机も同様で、あまりに低ければ背中が丸まり前傾姿勢になることで腰痛を起しやすくなったり、反対に高ければ低いときよりもましですが体を反らしやすくなるため、腰椎のカーブが強くなりすぎて腰痛を起しやすくなります。
●対策
椅子の高さの目安としては、椅子に深く腰掛けた時に足がしっかり床につき、太ももと床とがほとんど平行になる高さが、腰に負担の少ない高さになります。
もし足が床に届かないときには、台や雑誌を重ねて置くなどして、足がつくようにしてみてください。
机の高さは一般的に、「身長×0.25−1+身長×0.183−1」が良いとされていますが、実際には腕の長さや座高の高さなど人によって違うため、一概に言えないところがあります。
椅子に深く座って勉強をおこなう際に姿勢が崩れにくい高さに合わしてもらうのが良いと考えられます。
3、姿勢が悪い
姿勢が悪いと腰痛になりやすいといったことは耳にしたことがあるかもしれませんが、実際に姿勢が悪いまま長時間勉強をおこなっていると腰にかかる負担が大きくなります。
これは上記でお伝えしたように、腰椎(腰の骨)の前弯のカーブが崩れてしまうためです。
●対策
対策としてはやはり姿勢を正すことになりますが、椅子や机の高さがあっていないと、いくら意識しても長時間良い姿勢を続けることが困難であるため、まずはしっかりと椅子や机の高さを自分に合わせるようにしてください。
そのうえで姿勢を正すためのポイントは骨盤を立てて坐骨で座ることです。(ちなみに下の骨盤のイラストの赤丸の部分が坐骨です)
そうすることで腰椎の前弯のカーブがきれいに描きやすくなるんですが、ポイントは骨盤を立ててお腹を少し凹ませるように力を入れ、お尻の穴を閉めることです。こうすることで、骨盤をしっかり立てたままの状態をキープしやすくなります。
大切なのは骨盤を立てることであり、この部分ができていないのに胸だけ張って背中を伸ばそうとしても、なかなか長時間続きにくいので注意してください。
4、足を組んでいる
またいくら背中を伸ばしていても、足を組んだり重心が片側に偏っていると、骨盤が左右に傾き腰周りの同じ部分にばかり負荷がかかってしまうことになるため腰痛を起してしまいます。
●対策
足は組まないようにし重心は片側に偏らないよう、しっかりと真ん中にもってきてください。
女性にとっては少し行儀が悪いかもしれませんが、椅子に座る際には、足を閉じているよりも、少し開いて足を地面につけて座るほうが上半身が安定し、重心が偏りにくなります。
5、同じ姿勢を長時間続ける
姿勢と同じくらい腰痛を起す大きな原因となるのが、勉強の時にはついつい同じ姿勢を続けてしまうことです。
筋肉というのは動くことでポンプのような働きをして血液を巡らせます。
それが長時間動かないことで血液の巡りが悪くなり、新鮮な栄養や酸素が運ばれず、疲労物質がたまることで柔軟性が低下して腰痛を起しやすくなっていきます。
また椅子に座っている場合、長時間体を動かすことがないと、太腿の筋肉が圧迫され続けることになるため、この太腿の筋肉が硬くなり骨盤を引っ張り姿勢を崩させようとすることも腰痛を起す一つの原因となります。
●対策
勉強をしていて集中していると、知らない間に時間がかなり経過していた…なんて経験は私もありますが、できるだけ合間の時間に体を動かすようにしてください。
そしてできれば立ち上がったり少し歩いてもらうことで、体全体の筋肉が伸び縮みし腰痛を予防しやすくなります。
ポイントとしては、適当に休憩を挟もうと考えていると、いざ勉強し始めるとなかなか体を動かす時間を確保できなくなってしまうため、あらかじめこれくらいの時間で体を動かすと予定を立ててもらうことだと考えています。
6、目を酷使する
目と腰は一見すると関係ないように思えるかもしれませんが、勉強によって目を酷使することも腰痛を起してしまう原因になることがあります。
これは目は首の筋肉と連動して働いているため、目を酷使することで段々と首周りの筋肉も疲労して硬くな緊張状態になってしまいます。
すると首の筋肉が疲労することで頚椎を支えられず頚椎の前弯のカーブが崩れだします。
人の体は頚椎と腰椎というのはある程度連動して働くような構造になっているため、頚椎のカーブが崩れることで腰椎のカーブも崩れやすくなり、結果的に腰周りの筋肉にかかる負担が大きくなって腰痛を起しやすくなってしまいます。
●対策
対策としてはこの場合も、合間で休憩をとるようにして目を休める時間を確保したり、目の周りをゆっくりと手で優しくマッサージしてあげるのもいいですね。
後は家であれば、ハンドタオルを濡らしてラップでくるみ、レンジで温めそれを目の上に乗せてあげるのもおすすめです。そうすることで目の周りの血液の巡りがよくなるので。
7、睡眠時間が短くなる
これは勉強中のことではありませんが、テスト前などになると勉強を深夜までおこない睡眠時間が短くなることも少なくないでしょう。私自身もそういった経験は多々あります。
もちろんそうなれば腰を含め、体を休ませ回復するための時間が短くなるため、体の疲労が取り切れず次の日に持ち越しになり、その結果腰痛を起しやすくなってしまいます。
●対策
脳の構造からも徹夜をするよりも、ある程度の睡眠を挟むほうが勉強の記憶が定着するというデータもあります。
勉強をしっかりおこなうことも大切ですが、そのために腰痛を出したり体を壊してしまっては元も子もありません。適度な睡眠時間はしっかり確保するようにしてくださいね。
勉強で腰痛を出さないためのストレッチ
ここからは勉強の途中で座ったままできる腰痛対策のストレッチをお伝えしてきます。
参考にしていただき、勉強の合間におこなうようにしてみてください。
●お尻のストレッチ
座って勉強をおこなう際には、お尻は常に圧迫された状態になるため筋肉が硬くなりやすいです。
お尻の筋肉は上半身の重たさをサスペンションのように腰だけにかからないように分散したり、骨盤を支え姿勢を保つためにも働くため、腰痛予防のために和らげてあげてください。
●イスに座り、片足を写真のようにもう片方の膝の上におきます。この時、外くるぶしがヒザの上に乗る位置にします。
背中がなるべく丸まらないように軽く胸を張り、上半身を前に倒しお尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。これを左右交互におこなってください。
●イスに座り、片足を写真のように膝を曲げて反対の足と交差させて椅子の上にのせます。
両手でイスにのせた足を持ち、自分の胸の方へ寄せてください。お尻にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。これを左右交互におこなってください。
●足のストレッチ
太腿も椅子に座って勉強をする場合、常に圧迫されて硬くなりやすい場所です。
太腿の筋肉は骨盤までつながっているため、硬く緊張することで骨盤を引っ張り姿勢を崩しやすくなってしまいます。
●軽く椅子に腰かけ、片足を伸ばします。
そこから膝をしっかりのばしたまま、床に落ちた物を拾うように、片手を床に伸ばしながら体を前に倒していきます。
この時背中を丸めて体を倒さないように注意し、足の裏にツッパリを感じたところで15~20秒キープしてください。 左右交互におこなってください。
●背中のストレッチ
本を読んだ入り、ノートに書き込むときに背中の筋肉が体が前に倒れないように働いてくれます。
この背中の筋肉が疲労して硬くなると、腰につく部分で腰痛を出したり、良い姿勢を保てなくなり腰痛を起してしまいます。
●両手をあげます。片方の手で広背筋を伸ばす側のもう片方の手首を掴み、斜め上へ引き上げてください。この時に上半身も横へ倒してください。
ポイントは腰を伸ばそうとするのではなく、わきのあたりを伸ばそうとイメージすることです。
背中にツッパリ感が出てきたらその場で20~30秒キープ
左右同じようにおこなってください。
●腰のストレッチ
もちろん腰痛のそもそもの原因となる腰の筋肉のストレッチもおこなってください。
●椅子に浅く腰掛け、両足を肩幅よりやや広く開きます。 両手を頭の後ろで組み、体を前にゆっくり傾けていきます。
この時に、徐々に腰や背中の力を抜き、頭と腕の重みで前屈していくのがポイントですね。
そして膝より頭が下に来た位置で背中にツッパリを感じたところで20秒キープしてください。
まとめ
勉強をしていると腰が痛くなってくる…と悩んでいる人も少なくないでしょう。
勉強の時には長時間座ったままでいるため、どうしても腰には負担が大きくなってしまいます。
なのでできるだけ腰の負担を和らげるためにも、床ではなく椅子に座るようにして、椅子や机の高さを合わし、姿勢をただし、休憩の時には体を動かすようにしてください。
またどうしてもテスト前などは睡眠時間を削りがちになりますが、体の疲労が取れなくなるのである程度体を休める時間を確保するように心がけてください。
さらに腰周りの筋肉が固まってしまわないように、上記のストレッチを参考に、勉強の間で体操やストレッチなどを取り入れてみてください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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