低気圧で悪化する頚椎椎間板ヘルニア
雨が降る前や台風が接近して低気圧が近づいてくると、頚椎椎間板ヘルニアの首痛や腕の痛みしびれといった症状が悪化してしまう…。これってやっぱり気圧の変化と何か関係があるの?と、疑問に思っていませんか?
雨の時や台風が接近すると体調が崩れると悩まれている人は少なくないでしょう。
実際に当店に来られるお客様の中にも、雨で気圧が低い時には腰痛がひどくなったり、頚椎椎間板ヘルニアの症状が悪化するという人もいらっしゃいます。
そこで今回は気圧の変化と頚椎椎間板ヘルニアの症状は関係があるのか?などについてお伝えしていきます。
低気圧の時に頚椎ヘルニアを悪化させるヒスタミン
上記でお伝えしたように、気圧が低くなると体調が悪くなるという人が多数いらっしゃるように、気圧の変化によって頚椎椎間板ヘルニアの症状も悪化することがあると考えられます。
これは気圧が低くなると、鼓膜の奥にある気圧の変化を感じるセンサーがあるといわれる内耳が気圧の変化を感じ取り、ヒスタミンという物質が体の中に増えてしまうためです。
そしてこのヒスタミンという物質が様々な影響を体に与えることで、頚椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうんんです。
ヒスタミンが頚椎ヘルニアに与える影響
ここからは実際にヒスタミンが頚椎椎間板ヘルニアにどのような影響を与えるのか?をお伝えしていきます。
血管が収縮する
ヒスタミンには交感神経を刺激して血管を収縮させる作用があり、そのためヒスタミンが低気圧によって体の中に増えてしまうと、血液の巡りが悪くなってしまいます。
これはもちろん首や肩周りにもおこるため、血液の巡りが悪くなることで新鮮な酸素や栄養が運ばれず、疲労物質などの老廃物が溜まってしまい、それによって頚椎周辺の神経が刺激されると、頚椎椎間板ヘルニアの首痛や痺れの症状が悪化されてしまったり、首や肩の筋肉が硬く緊張状態になることも頚椎椎間板ヘルニアの悪化につながります。
むくみやすくなる
また、ヒスタミンには血管にある水分を滲出させる作用があるため、低気圧でヒスタミンが増加すると、体のあちこちに「むくみ」が起こりやすくなります。
むくみが起こったところは、むくみが血管を圧迫したりするため血液の巡りが悪くなり、体のあちこちに起こるむくみで全身の血液が滞ってしまうと、頚椎椎間板ヘルニアの痛みや痺れといった症状が悪化しやすくなります。
炎症反応を起こしやすくなる
ヒスタミンは体で炎症反応を引き起こしやすくする働きもあり、低気圧によってヒスタミンが増えて、頚椎やその周辺に炎症が起こることで、頚椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまいます。
自律神経が乱れる
低気圧でヒスタミンが増えると、上記でお伝えしたようにヒスタミンは交感神経を刺激するため、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて自律神経が乱れてしまいます。
自律神経が乱れると、血液の巡りが悪くなってしまったり、自然治癒力が低下したり、内臓の働きが低下してしまうことで頚椎椎間板ヘルニアの症状が悪化しやすくなります。
気圧の変化で頚椎ヘルニアを悪化させない対策
ここからは気圧の変化で頚椎椎間板ヘルニアを悪化させないための対策をお伝えしていきます。
軽く運動をおこなう
気圧が低くなると血流が悪くなりやすいため、軽い運動をおこない体を動かして血液を巡らせることで、頚椎椎間板ヘルニアの悪化を予防しやすくなります。
ただし頚椎椎間板ヘルニアの時にあまり激しい運動をおこなうと、頚椎に負荷がかかってしまうため、全身の筋肉をほぐすためにウォーキングやラジオ体操など激しくない運動をおこなうようにしてください。
また運動によって筋肉を動かすことで姿勢を正しやすくなり、頚椎の前弯のカーブを保ちやすくなることも頚椎椎間板ヘルニアの悪化を防いでくれます。
早寝早起きを心がける
低気圧になるとただでさえ、自律神経が乱れやすい状態になります。
そんな時に深夜遅くまで起きていつまでたっても交感神経を優位な状態にしたり、朝になっても起きずに副交感神経が優位な状態が続くことで、ますます自律神経は乱れ、頚椎椎間板ヘルニアが悪化しやすくなってしまいます。
なので生活リズムを整え、早寝早起きで太陽に当たるようにして自律神経を整いやすくするよう心がけてください。
さらに夜中の10時から翌日の2時までの4時間はゴールデンタイムとも呼ばれていて、自然治癒力が高まる時間帯でなるため、この時間に眠ることは頚椎椎間板ヘルニアの改善にも重要になります。
食生活を整える
毎日食事の時間が違うなどの不規則な食事、食べ過ぎ、栄養の偏ったアンバランスな食事の内容は自律神経を狂わせてしまう可能性があり、低気圧で乱れた自律神経をさらに狂わせ、頚椎椎間板ヘルニアを悪化させやすくなります。
できるだけ毎日食事の時間を合わせて、栄養バランスの整った食事を摂るように心がけてください。
お風呂で体を温める
ゆっくりとシャワーでなく湯船につかることで、リラックスできて自律神経が整いやすくなります。
さらに気圧が低くなると血液のめぐりが悪くなりやすいため、お風呂につかって体を温めてあげることで 、筋肉の緊張も和らぎ血液の巡りがよくなることで、頚椎椎間板ヘルニアの症状が軽減しやすくなります。
ただし頚椎椎間板ヘルニアの痛みや痺れなどの症状が急に強くなった時には、炎症が起こっている可能性があるため、お風呂に入ることで炎症が強まり症状が悪化することもあるので、そんな時にはあまりお風呂で体を温めすぎないようにしてください。
ストレスをため込まない
ストレスはそれ自体が自律神経を乱してしまうため、ストレスが溜まっていると気圧が低くなり乱れやすくなった自律神経をさらに乱して頚椎椎間板ヘルニアを悪化させてしまうことがあります。
なので普段からカラオケやDVD鑑賞、趣味に没頭するなど、ストレスを発散させてため込まないようにしてください。
ただしいくらリラックスするためとはいっても、一日中家でダラダラ過ごしていると、筋肉が動かないことで血液の巡りが悪くなってしまうので気を付けてください。
低気圧になる前に準備しておく
上記でお伝えした対策を低気圧の時に実践してもらうこともいいんですが、それよりも大切なのは、低気圧になる前から普段から体調を整えておくことです。
普段の生活から食べ過ぎたり、睡眠時間が短かったり、運動習慣がなかったりすると自律神経が乱れやすくなり、血液の巡りも悪くなりやすく、そこへ低気圧によってさらに血液の巡りが滞ったり、自律神経が乱れてしまうことで頚椎椎間板ヘルニアが悪化しやすくなるためです。
なので普段からストレッチで体の筋肉の柔軟性を保ったり、睡眠時間をしっかり確保したり、バランスの良い食事を心がけることで、いざ気圧に変化が出た時にも、体が対応しやすくなります。
気圧に変化が出てから痛みや痺れが強くなり、あれこれと焦るのでなく、普段からしっかり準備をおこなってくださいね。
首の筋肉を柔軟に保つ
また首の骨の横には椎骨動脈があり、これが気圧の変化を感じ取るセンサーがある内耳の動脈につながっているため、普段から首周りの筋肉を柔軟に保つことは、頚椎椎間板ヘルニア自体の予防にもなりますし、気圧の変化に対応しやすい体作りにも役立ちます。
とはいってもグイグイと力任せに押さえるマッサージや、無理やりとグイグイと筋肉を伸ばすストレッチや体操など、刺激の強いモノは、頚椎椎間板ヘルニアを悪化させる可能性があるため気をつけてください。
まとめ
台風が近づいたり雨の日になると、頚椎椎間板ヘルニアの痛みや痺れが悪化する…と悩まれている人もいるでしょう。
これは気圧が低くなることでヒスタミンという物質が増えてしまうことが原因です。
ヒスタミンが増えることで自律神経は乱れやすく、血液の巡りも悪くなり、むくみや炎症が発生しやすくなり、これが頚椎椎間板ヘルニアに痛みや痺れなどの症状の悪化につながります。
なので低気圧の時に頚椎椎間板ヘルニアを悪化させないためには、軽い運動で血液を巡らせたり、生活リズムや食事を整えて自律神経を整えやすくすることが大切です。
さらに低気圧になって悪化してからあれこれ動くのではなく、普段から体操やストレッチで筋肉を柔軟に保ち、生活リズムを整えておいて、前もって準備をしてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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