頚椎椎間板ヘルニアになると疲れやすい?
腕が痺れたり、首に痛みが出るようになって病院へ行くと頚椎椎間板ヘルニアと診断され、最近妙に体が疲れやすいのもこのせいなの?と悩んでいませんか?
最近なんだか疲れやす…、全然疲れが取れずにすっきりしない…、このような悩みを持ってる人は案外少なくないでしょう。
もちろん普段とあまりしないような作業をしたり、仕事で根を詰めて働かないといけなかったなど、こういった時には当然普段よりも体に疲れが溜り取れにくくなるでしょうが、そうでなく常にダルさを感じている場合に首にヘルニアがあればそれとの関連を疑う人もいるでしょう。
そこで今回は頚椎椎間板ヘルニアと疲れやすさとの関係について考察していきます。
頚椎椎間板ヘルニアで疲れやすくなるのか?
正直、頚椎椎間板ヘルニアで疲れやすくなるのか?と言われと、「なることも考えられる」位のあやふやな答えになってしまいます。
というのも疲れとは非特異的症状であり、単純にこれが原因で起こるといった症状でなく、多くの考えられる原因があり、多くの異なる状態を伴う症状であるため「頚椎椎間板ヘルニア=疲れ」と安直に言えないんです。
ですが疲れやすくなるというのは、多くの考えられる原因があるわけで、その原因のいくつかを頚椎椎間板ヘルニアが作り出すことは考えられるため、無関係であるとも簡単には言えません。
特に頚椎椎間板ヘルニアは様々な症状を起こすことがあるため、それらによって疲れやすくなってしまう人も中にはいると考えられます。
頚椎椎間板ヘルニアで疲れやすくなる理由
ここからは頚椎椎間板ヘルニアを発症することで疲れやすくなってしまう理由について、考えられるものをお伝えしていきます。(少し無理やりなこじつけもあるかもしれませんが)
●信号がうまく伝わらなくなるため
頚椎椎間板ヘルニアというのはご存知の人も多いように、頚椎(首の骨)の部分にあるクッションの働きを担う椎間板と呼ばれる組織が飛び出し、それによって頚椎を通る神経を圧迫し起こる疾患です。
頸椎には首から下の筋肉に司令を送るたくさんの神経が通っているため、その神経が圧迫されてしまうと、筋肉へ送られる信号が適切に送られない伝達障害が発生することがあります。
すると信号が適切に送られなくなった筋肉というのは、うまく思うように働かせず力を発揮できなくなってしまいます。
これがひどくなると麻痺の状態でまったく動かせなくなりますが、そこまでひどくない場合、動かせはするものの思うように動かせない状態になります。
すると、うまく力が伝わらない分、必要以上に今までよりも力を入れて体を動かしたり、動かしにくい筋肉を他の筋肉がかばい、余計に働かないといけない部分が出てくることでいつもよりも疲労して疲れやすくなると考えられます。
●痛みで眠りが浅くなる
頚椎椎間板ヘルニアの症状に悩む人の中には、夜間痛と言われる症状が起こる人もいて、夜中に首や肩から腕の痛みが強く出る人もいます。
このような夜間痛の症状が起こると、夜寝ることが妨げられたり、眠りが浅くなってしまうことで、自然治癒力が低下してしまい、疲労が取れずに疲れやすくなることも考えられます。
●痛みのストレスによって
頚椎椎間板ヘルニアを発症すると、首の痛みや肩から腕の強い痛み、痺れに悩む人が多く、痛みというのは体にとってはストレスとなります。
つまり頚椎椎間板ヘルニアで強い痛みを感じるようになると、ストレスをため込むことになり、ストレスをため込むことで交感神経が活発になり自律神経が乱れてしまうと、血液の巡りが悪くなってしまうため、老廃物や疲労物質がうまく流されずに滞ることで、疲れを感じやすくなってしまいます。
●むくみによって
頚椎椎間板ヘルニアを発症すると「むくみ」が起こることがあります。
むくみとは体の中に余分な水分が溜まってしまう状態ですが、むくみの発生した部分がむくみによって血管やリンパが圧迫されてしまうと、その部分は血液の巡りが悪くなり老廃物などがうまく流されなくなります。
そうなるとさらにむくみが悪化するといった悪循環に陥りますが、このようにむくみによって疲労物質なども流されにくくなるため、疲れを感じやすくなることも考えられます。
そもそも頚椎ヘルニアを発症する体は疲れやすい
また、頚椎椎間板ヘルニアによって疲れやすくなったというよりは、頚椎椎間板ヘルニアを発症させてしまう体の状態と言うのは、疲れも感じやすいと考えられます。
どういうことか?っていうと、頚椎椎間板ヘルニアの症状の発症には筋肉の状態が大きく関係しており、もともと肩や首周りの筋肉が疲労していたり、硬くなっている状態で働きが低下してしまい、背骨を正常な位置で支えることができなくなったため、頚椎椎間板ヘルニアを発症することも有ります。
この場合、首や肩周り、背中の筋肉はすでに疲労していたり、筋肉が硬くなっているため、血液の巡りが悪くなり疲労物質が蓄積し疲れやすくなった状態です。
胃腸の不調も姿勢などが崩れやすくなったり、自律神経を乱すことで頚椎椎間板ヘルニアを発症しやすくなりますが、この場合も、胃腸の不調で栄養をしっかり吸収できなかったり、姿勢が崩れることで疲れを感じやすくなったり、自律神経の乱れで血液の流れが悪くなって疲れやすくなります。
他にも運動不足などによって筋力が低下していたり、筋肉の伸び縮みが減って柔軟性が低下した状態も頚椎椎間板ヘルニアを発症させやすくなりますし、もちろん運動不足で筋力低下で筋肉の働きが低下したり、心肺機能が落ちてしまったり、柔軟性の減少で疲労物質が溜まりやすくなれば疲れも感じやすくなります。
このように頚椎椎間板ヘルニアで疲れやすくなったというよりも、頚椎椎間板ヘルニアを発症させてしまう体は疲れを感じやすい状態であると言えます。
効率的に疲れをとるポイント
ここからは効率的に疲れを摂る方法についてお伝えしていきます。
当たり前のことが多くなりますが、頚椎椎間板ヘルニアと疲れのどちらの改善にも役立つものをお伝えしていきますので。
●姿勢を正す
●休養を摂る
体を休ませることなく働くと、もちろん疲れはとれませんし頚椎にも悪影響です。しっかりと休養を取り入れるようにしてください。
ただし休養というのは必ずしもゴロゴロ横になって過ごすことでは有りません。心と身体をリフレッシュする時間を持つことが大切なんです。
そのためにも適度に運動して血液の巡りを良くしたり、趣味などに打ち込みストレスを発散させたり、お風呂は浮力・水圧・水温の働きで筋肉を緩ませ、血液循環をよくしてくれるため、ぬるめのお風呂にのんびり入ってリラックスするのもおすすめですね。
●睡眠をしっかりとる
睡眠は脳や身体を休めるとともに、成長ホルモンが分泌されて細胞が活発になり自然治癒力が高まったり、食べた物が消化吸収されて栄養が体に蓄えらる時間です。
もちろん睡眠不足になると、体や脳を休める時間が短くなるため、疲労が取れず疲れやすくなり、日中に頭を支え続けてくれた首や肩の筋肉も休めることができないため、頚椎椎間板ヘルニアにも悪影響になってしまいます。
なので疲れやすいと感じた時には、しっかりと睡眠時間を確保するようにしてください。
その際には、寝る間際までパソコンやスマホを使用することをやめ、食べてからも時間を空けて、寝室の照明や枕の高さを工夫して睡眠の質を高めることもお忘れなく。
●適度に体を動かす
上記でもお伝えしたように、疲れやすいからといってゴロゴロ過ごしていたのでは、かえって筋肉を使用しないため、代謝が落ちたり血液の巡りが悪くなって乳酸の排出が遅くなって回復力が低下してしまいます。
適度な運動は、筋肉や内臓の働きを活発にし、血液の循環を良くするうえ、疲れにくい元気な身体を作ることにも役立ちます。
もちろん首や肩周りの筋肉にも血液が巡れば、背骨を正しい位置で支えやすくなるため頚椎椎間板ヘルニアの改善にも効果的です。
ただし頚椎椎間板ヘルニアの首の痛みや腕の痺れなど強く出ている時には、炎症が発生している可能性があるため、こんな時には安静にすごしてください。
●食事に気をつかう
ミネラルやビタミン類などの微量栄養素が不足してしまうと疲れやすくなるため、疲れやすい時には食事に気を使うことも大切です。
筋肉をスムーズに働かせるために必要なカルシウムや、体内の酸素を各細胞に運ぶ役目のある鉄などを意識的に摂るようにしてみてください。
そのほかにも豚肉などの疲労回復に役立つビタミンB1や、タンパク質や脂質・糖質の代謝に関与するビタミンB2などもおすすめです。
食べるときに早食いやかむ回数が少ないと、消化不良を起こし胃腸が疲れやすくなるので、ゆっくりと時間をかけてしっかりとかむことを意識してください。
もちろん食べすぎも胃腸が休まずに働き続けることになるため、気を付けてください。
疲れやすい原因が病気の時もある
もちろん疲れやすくなっている原因は、頚椎椎間板ヘルニアでなく、病気の場合も考えられます。
精神性疾患である鬱病や心身症の時にはやはり自律神経の乱れなどによって体自体の働きがうまくいかずに疲れやすくなります。
貧血なんかのように栄養失調型疾患は疲れを感じやすくなる代表ですね。
他にも胃腸の病気も栄養をうまく取り込めなかったり、血液が臓器に集中することで疲れやすくなると考えられます。
そして生命活動を行うのに不可欠な働きをする肝臓に問題があるときにも、疲れを感じやすくなってしまいます。
もちろん肺や心臓なんかの疾患は疲れを感じやすくなるでしょうね。
このように疲れを感じやすくなったのは病気によるものの時もあるため、疲れやすい以外に他の症状が見られる場合は、一度病院を受診してくださいね。
まとめ
頚椎椎間板ヘルニアになると、疲れやすくなってしまうのかな?と疑問に思う人もいるでしょう。
実際に頚椎椎間板ヘルニアが原因で疲れやすくなることは考えられます。
これは「筋肉に信号がうまく伝わらなくなる」「痛みで睡眠不足やストレスをため込むため」「むくみによって」などが関係することがあるからです。
ただし、頚椎椎間板ヘルニアが原因で疲れやすくなったというよりも、頚椎椎間板ヘルニアを発症しやすい体の状態というのは、疲れを感じやくなっていることもあります。
このように「頚椎椎間板ヘルニア=疲れやすい」とは必ずしも言えませんが、疲れやすくなった体の状態というのはやはり万全の体調ではないため、上記の対策を参考に疲れをしっかりととることを心がけてください。
もちろん中には病気や内臓の問題などによって疲れやすくなっている時もあるため、それ以外に気になる症状が同時に見られるときには、病院を受診することをお勧めします。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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