重たい荷物を持つと首が痛くなる原因と対策
最近引っ越しの手伝いをして重たいモノを運んだせいなのか、なんだか首が痛くなってしまったけれど、これってやっぱり荷物を持ち運びしたのが原因?と、疑問に思っていませんか?
上記のように重たい荷物を運んでからなんだか首の調子が良くない…なんて方がたまにいらっしゃいます。
パソコン作業やスマホ又はタブレット端末の操作がなんとなく首に良くないというのは最近言われることもありますし、実際に感じている人も多いでしょう。
ですが重たい荷物の持ち運びというと腰痛が起こることがあっても、首とは関係なさそうに思いますよね。
そこで今回は重たい荷物を持つことと、首との関係についてお伝えしていきます。
重たい荷物を持つと首の痛みが起こる?
重たい荷物と首とは一見するとあまり関係ないように思いますが、実は重たい荷物を持つことで首に痛みがでてしまうことがあるんです。
これは体というのは全身つながっているため、重たい荷物を持つときには腰だけの筋肉が使われるわけでなく、腕や背中の筋肉など筋肉も共に働くため首にも影響を与えるためです。
ここからはもう少し詳しく、重たい荷物を持つときに首に痛みが出てしまう原因についてお伝えしていきます。
腕を使うと首の筋肉にまで影響する
重たい荷物を持ち運びする時には、腰だけを使うのでなく、腕の筋肉もかなり酷使することになります。
構造的に手の筋肉は肘あたりにまでつながり、肘から上の腕の筋肉は肩甲骨へとつながってるため、重たい荷物を持ち運びする時に腕にかかる負担は、筋肉や関節を通じて肩や肩甲骨まで伝わっていきます。
そして肩甲骨には首につながる筋肉も多数あるため、肩甲骨周囲の筋肉に負担がかかると言うことは、首の筋肉も緊張し硬くなってしまうということです。
実際に重たい荷物を持った時に首周りに注目してもらうと、力が入っていることがわかると思います。
これが重たい荷物を長時間持って運んだり、何度も繰り返し運ぶことによって、首の筋肉の緊張はどんどんと強くなり、柔軟性を失っていくことで痛みが出てしまうことがあります。
肩甲骨の動きが制限されていく
また、重たい荷物を持ち運ぶする時には、背中の筋肉が腕を支えるために働きます。
そして重たい荷物を持ち続けたり、繰り返す運ぶことで腕の筋肉と同じように背中の筋肉も疲労して段々と柔軟性を失ってしまいます。
背中の筋肉が硬くなってしまうと肩甲骨の動きが制限されてしまい、肩甲骨の動きが悪いと肩こりになるといったことは最近たまに言われることがあり、首の筋肉も肩甲骨についているモノがいくつかあるため、肩甲骨の動きが制限されると、同時に肩甲骨につく首の筋肉も動くことが減ってしまい、血液の巡りが悪くなることで、疲労物質や老廃物などが溜まって首の痛みを起こしやすくなります。
鎖骨を介して首筋が硬くなる
天使の羽の骨とも言われることの有る肩甲骨は、宙に浮いてるわけではなく、体とは鎖骨を介してつながっています。
つまり、重たい荷物を持つときには、肩甲骨や腕を支えるために鎖骨につく筋肉が緊張します。
鎖骨には胸鎖乳突筋と呼ばれる首の筋肉がついていて、重たい荷物を持つたびにこの首の筋肉が緊張することで段々と柔軟性を失い、首に痛みを起こしやすくなってしまうんです。
さらに胸鎖乳突筋が緊張し硬くなると、段々と頭を前に引っ張ってしまいます。
頭の位置は首の筋肉に大きく影響を与えていて、2,5cm前に出ると首にかかる負担は4kg増すと言われとり、胸鎖乳突筋によって頭が前に引っ張られると、それだけ首に負担がかかりやすくなるため、首の痛みを出しやすくなってしまいます。
腰の負担が首に影響を与える
重たい荷物を持ち運びした時には、当然腰には負担がかかってしまいます。
そして腰周りの筋肉が重たい荷物の持ち運びを繰り返し疲労して柔軟性を失っていくと、段々と骨盤を支えたり、背骨を本来の位置で支えられなくなり、背中を丸めたような姿勢になりやすくなっていきます。
このような姿勢になると、腰椎(腰の骨)が本来描いている前弯のカーブが減少してしまいます。
首の骨と腰の骨とは関連が深く、腰椎の前弯のカーブが減少すると、バランスをとるために頚椎の本来持つ前弯のカーブが減少してしまうんです。
頚椎(首の骨)の前弯のカーブは頭の重たさなどが直接首にかからないようにするための、クッションの役割を担ってくれているんですが、この頚椎のカーブが減少することで、首にかかる負担が増えてしまい、首の痛みを起こしやすくなるんです。
重たい荷物を運んだ時に首痛予防の対策
上記のように重た荷物を持ち運びすることで首の痛みが起こることがあり、ここからはその対策や予防方法についてお伝えしていきます。
●できるだけ荷物に近づく
持ち上げたり運んだりする荷物に対して体が離れれば離れるほど、腰や腕、首にかかる負担は大きくなります。
なのでできるだけ荷物に体を近づけるようにし、床にある荷物であればしっかり膝を曲げて体を近づけてください。
●腰のカーブをたもつ
上記でお伝えしたように、腰椎(腰の骨)のカーブと頚椎(首の骨)のカーブは連動していて、背中を丸めたりして腰椎のカーブが崩れることで、結果的に首にかかる負担は大きくなってしまいます。
そのため、荷物を持ち上げたり運ぶ際には腰のカーブを崩さないようにすることが大切です。
さらに荷物を持ち上げるときには、腰や腕だけの力で持ち上げるのでなく、しっかりと足に力を入れて、足を使うことを心がけてください。
●背中のストレッチ
重たい荷物を持ち運びして背中の筋肉が疲労し硬くなってしまうと、肩甲骨の動きが制限されることによって首の痛みが起こりやすくなります。
なので疲労した背中の筋肉のケアをおこない、肩甲骨の動きを制限させないことが首の痛みの改善や予防に必要になります。
●両足を肩幅に広げて立ちます。片手を頭の上に持っていき肘を曲げ、手のひらを背中につけてください。
反対の手で肘をつかみ、体をゆっくりと肘をつかんだ手の方へ倒してください。
背中につけた腕側の脇から腰にかけての部分にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
ポイントは、体を横に倒していく時に、上半身が前に倒れると効果が落ちるため、上半身は真横に倒すようにすることです。
●腕のストレッチ
重たい荷物を持つときに酷使される腕の筋肉ですが、腕の筋肉が疲労したままだと肩甲骨の動きを制限したり、腕の代わりに背中の筋肉が必要以上に働くことになるため、首の痛みを起こしやすくなります。
なので疲労して硬くなった腕の筋肉のケアをおこない、本来の働きをとり戻してあげることが首の痛みの改善や予防に役立ちます。
●手のひらを上にして片腕を前に伸ばして、反対の手で伸ばした腕の手をつかみ、自分のほうに手首を曲げていってください。
腕にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
●手のひらを下にして片腕を前に伸ばして、反対の手で伸ばした腕の手をつかみ、自分のほうに手首を曲げていってください。
腕にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
●首のストレッチ
痛みを感じるようになった首の筋肉も、重たい荷物を持つことで硬くなってしまっているため、ゆっくり体操やストレッチで緩めてあげて、血液の巡りを良くして自然治癒力を高めることも大切です。
●片手を背中に回し、反対の手で頭をつかみます。頭をつかんだ手で、頭をゆっくり斜め前に倒してください。
首にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
●片手で鎖骨を押さえて、顔を鎖骨を押さえた方とは反対の斜め後ろに倒していきます。
首筋全面にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互におこなってください。
まとめ
引っ越し作業を手伝ったり、重たい荷物を持ち運びした後に首が痛くなった…なんて人もいることでしょう。
これは一見すると、荷物を持つことと首とは関係なさそうですが、腕を酷使したり、鎖骨を介して首にも負担が伝わったり、背中が疲労することで肩甲骨の動きが制限されるなど、荷物を持つことが原因で首の筋肉に負担がかかってしまうからです。
なので繰り返し重たい荷物を持ち運びする時には、できるだけ荷物に近づいたり腰椎のカーブを崩さないなど荷物の持ち方に気を付けて、作業後には首の筋肉のストレッチや、それだけでなく腕や背中の筋肉も一緒にケアしてあげることで、首の痛みを予防できたり、改善することができます。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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