おじぎの時に出る腰痛の改善方法
サービス業をしていて、お客様が来店された時にお辞儀であいさつするけれど、そのたびに腰が痛くて痛くて…どうにかならないかな?と、悩んでいませんか?
おじぎなど前かがみの時に腰痛がでて辛い…と悩まれている人は少なくなく、仕事柄などおじぎをする機会が多くてそのたびに腰痛が出てたのではやってられませんよね。それもお客様の前なら顔を痛みでゆがめるわけにもいきませんし。
そこで今回はおじぎの時に出る腰痛の改善方法についてお伝えしていきます。
体の後面の筋肉を柔軟にする
おじぎの時に腰痛が出る原因で多いのが、体の後面の筋肉が硬くなってしまっていることです。
これは何となくイメージできると思いますが、おじぎをしようと体を前に倒す時に、体の後ろ側のがカチコチで伸びてくれなかったら、体を前に倒すことができないですよね。
実際におじぎの時に腰が痛くなる方は、体の後面側の筋肉が硬くなってしまっているため、その硬くなった筋肉が急に伸ばされることで痛みを出してしまいます。
そして、体の後面の筋肉の中でもお辞儀の時の腰痛と特に関わりが深いのが、お尻の筋肉や太もも後面の筋肉、ふくらはぎの筋肉にです。
●腰とつながっている
腰痛なのにお尻や足の筋肉?と不思議に思うかもしれませんが、お尻や太もも裏やふくらはぎの筋肉は、筋肉の膜を通して腰の筋肉とつながっているため、これらの筋肉が急に伸ばされた時には膜を通じて腰の部分に痛みを出してしまうことがあるんです。
●骨盤の動きを制限する
またお尻の筋肉や太もも裏、ふくらはぎの筋肉は骨盤の動きに大きく関わっています。
おじぎをする時というのは、本来であれば骨盤が前に傾いてくれます。
このように骨盤が前に傾いてくれるからこそ、スムーズに体を前に倒すことができるんです。
ですが、お尻の筋肉や太もも後面、ふくらはぎの筋肉が硬くなってきちんと伸びなくなってしまうと、骨盤を後ろに引っ張ることで骨盤の動きに制限をかけて、骨盤が前に傾けなくなります。
すると骨盤が前に傾けない分を、骨盤の上につながる背骨の腰骨の部分が過剰に前に折れ曲がって体を前に倒すことで、なんとかおじぎをおこなえるようにします。
本来であればそれほど折れ曲がらなくていい腰骨が、骨盤の動きが制限されていることで無理に折れ曲がるので腰にはもちろんものすごく負荷がかかります。
この必要以上の負荷によっておじぎをする時に腰痛が出てしまうわけです。
●日常生活で腰に負担がかかりやすくなる
他にも、お尻や太もも裏、ふくらはぎの筋肉は、普段の生活で上半身の重たさや、地面からの反発力が直接腰にかからないようにするためのクッションやサスペンションのような働きを担っています。
この働きのおかげで、普段の生活で腰に過剰な負担がかかることが抑えられています。
これがお尻や太もも裏、ふくらはぎの筋肉が硬くなってしまうと、クッションやサスペンションの働きができなくなり、吸収できなくなった負荷が腰に過剰にのしかかることになるため、腰の筋肉はおじぎを含め様々な場面で痛みを起こしやすくなってしまいます。
●血液の巡りが悪くなる
ふくらはぎの筋肉なんかは第二の心臓と呼ばれることがあるくらい、血液の巡りと密接に関わっています。
本来であれば、柔軟なふくらはぎの筋肉が伸び縮みすることでポンプのような働きを担い、末端の血液をしっかりと心臓に送り返すことで血液の巡りが良くなります。
これが太もも裏やふくらはぎの筋肉が硬くなって柔軟性を失ってしまうと、ポンプの働きが低下して、血液の巡りが低下してしまいます。
体は血液によって新鮮な酸素や栄養を受け取り、疲労物質などの老廃物を流していますが、その血液の巡りが悪くなることで、新鮮な酸素や栄養を受け取れず、老廃物が溜まることで痛みを出したり自然治癒力が低下します。
もちろんこれは腰の筋肉も例外でなく、血液の巡りが悪くなることでおじぎを含め腰痛が出やすい状態になってしまうんです。
お辞儀の時の腰痛を改善するストレッチ
ここでは、お辞儀の時に腰痛をだす原因となるお尻や太もも裏、ふくらはぎの筋肉の柔軟性を取り戻す改善方法として、ストレッチをお伝えしていきます。
●ふくらはぎのストレッチ
●片足を伸ばして足首をしっかり立てて、反対の足をあぐらをかくようにまげて座ります。
そのままゆっくりと体を前に倒してください。ふくらはぎにツッパリを感じたところで20~30秒キープ。左右交互におこなってください。
●太もも後面のストレッチ
●ふくらはぎの時のストレッチに似ていますが、太もも後面のストレッチをおこなう時には、足首に力を入れないで足首を立てないで座ります。
そして同じように体を前に倒していき、足の後面にツッパリを感じたところで20~30秒キープ。左右交互におこなってください。
●体が硬すぎる人の足のストレッチ
おじぎをする時に腰痛が出る人の中には、体が硬くて床に座って足を伸ばした時点で腰が痛い…なんて人もいます。
そんなときには下の写真のように椅子に浅く座り、片足だけを伸ばして体を前に倒してください。
この時、足首をしっかり立ててと、立てずにおこなう2種類をおこなってください。
●お尻のストレッチ
●椅子に座り片足を曲げ、曲げた足の足首を反対の太ももあたりにのせます。
片手で軽く曲げた足の膝を下に押し、反対の手で曲げた足の足首を保持します。
そのまま背すじを伸ばし、体を前に倒してください。お尻にツッパリを感じたところで20~30秒キープ。左右交互におこなってください。
●椅子に座り、片足を曲げて上の写真のように足を組んで両手で曲げた足を保持します。
両手で保持した足を自分の体に寄せてください。お尻の部分にツッパリを感じたところで20秒~30秒キープ。左右交互におこなってください。
お辞儀の時の腰椎のカーブを保つ
おじぎの時に腰痛が出る人の特徴として、体を前に屈めるときに腰椎(腰の骨)の前弯のカーブが減少してしまっている人が少なくありません。
上記でもお伝えしたように、体を前に倒す時には本来であれば骨盤が前に倒れて、腰椎の前弯のカーブはほとんど保たれたままになるため、腰にかかる負担が少なくて済みます。
これがおじぎの時に腰椎の前弯のカーブが減少するということは、腰を丸めておじぎをしてしまっているため、腰にかかる負担が大きく腰痛を起こしてしまいます。
なのでおじぎの時には股関節から体を前に倒すことを意識して、腰椎の前弯のカーブを保つようにすることで、腰にかかる負担が減って腰痛を起こしくくなります。
股関節から体を前に倒す方法がいまいちわからない方は、コマネチのように足の付け根の部分に手を当てて、足の付け根をチョップするように手で足の付け根を後方に押しながら体を前に倒してみてください。
また、お腹を少しへっこめるように力を入れ、お尻の穴を閉めるように意識してもらうことで、腹圧が安定して腰椎の前弯のカーブを保ちやすくなるため、おじぎの際にはお腹やお尻にも意識を向けてみてください。
腸腰筋を緩める
これは今までいろいろな腰痛のお客様を見せていただいてきた私の経験なんですが、おじぎの時に腰痛が出る方で、腸腰筋と呼ばれる腰や骨盤からお腹を通って足につく筋肉が硬くなっている人が少なくありません。
この腸腰筋が硬くなってしまうと、硬くなった腸腰筋が体を前に倒す時につっかえ棒のように働き、体を前に倒す動作に制限をかけることで腰にかかる負担が増えて腰痛を起こしやすくなるからだと考えられます。
なのでこの腸腰筋も柔軟に保つことがおじぎの時の腰痛を改善するのに大切です。ここではケアの方法としてストレッチをお伝えします。
●両足を前後に開いて立ち、後ろの足の膝を床につけ前後の膝を90度前後に曲げます。後ろ足の太もも裏に同じ側の手を当てます。
太もも裏に当てた手で体を押すようにお尻を前に突き出し、股関節の付け根にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
普段の生活で腰に負担をかけない
おじぎの時に腰痛が出てしまう人は、もちろん腰の筋肉の柔軟性が低下していることも少なくありません。
腰の筋肉が硬くなっているということは、それだけわずかな負荷であっても腰痛を起こしやすくなるということです。
なので普段の生活から、適度に体を動かして筋肉を伸び縮みさせて血液の巡りを良くしたり、姿勢を正して腰にかかる負担を軽減したり、座るときにも背すじを伸ばしたり、しっかり睡眠をとって疲れた筋肉を癒して挙げるなど、当たり前ですがこういったことを心がけて生活を見直すことで、おじぎをした時の負担位では腰痛が出なくなっていきます。
まとめ
おじぎをするたびに腰が痛い…なんてことに悩んでいる人もいるでしょう。
おじぎをする時に腰が痛くなる原因として多いのが、お尻や太もも裏、ふくらはぎなど体の後面の筋肉が硬くなっていることです。
体の後面の筋肉がカチコチになっているため、体を前に倒した時に筋肉が急に伸ばされて痛みを出してしまいます。なので上記の改善方法を参考に後面の筋肉を柔軟に保つようにしてください。
他にも大腰筋が硬くなっている人も多々見かけるため、大腰筋のケアも一緒におこなうことをおススメします。
さらにおじぎの時に腰椎のカーブが崩れている人も腰痛を起こしやすいので注意してください。
そしてやはり普段の生活で腰の筋肉に負担がかかり柔軟性を失っていると、おじぎの時に腰痛を起こしやすくなってしまうため、おじぎだけに注目するのでなく、他の生活習慣も見直すようにしてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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