腰痛の時は冷えピタを貼れば治る?
なんだか腰が最近痛いし、病院へ行っても特に骨などには異常なしって言われたし、こんな時は腰に冷えピタでも貼ってればいいかな?と、疑問に思っていませんか?
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と病院で診断され、じっとしていても激痛が常に感じて動けない…なんて時なら、入院を考えたり手術を検討したりするでしょうが、そうでなく腰だけが痛いという時には、湿布を貼ったり冷えピタなどを貼って様子を見ている人も多いでしょう。
実際に当店に来られる腰痛のお客様にも、「冷えピタを貼っててもいいですか?」といった質問を受けることがあります。
ですが実際に腰痛の時に冷えピタを貼っていてもいいものなのか?効果ってあるのかな?など、今回は腰痛の時に使用する冷えピタについてあれこれお伝えしていきます。
腰痛の時に冷えピタってのはなぜ?
そもそも「腰痛の時に冷えピタ」という考えはどのようにしてうまれるのか?
だって別に何も貼らないという選択肢もあるのに、それよりも冷えピタを貼っておいたほうが腰痛が治りやすそうとイメージされている人もいます。
これは多分、腰痛の時に腰にある熱、つまり炎症をとってあげるために、冷えピタで冷やすというイメージがわくためのものだと思います。
実際に腰を捻ったりして急に強い腰痛が起こった時、ぎっくり腰の時などは腰の部分に炎症が起こっています。
炎症というのは 許容量を超える負荷がかかったことによって、通常とは違う状態になった組織を修復する為になくてはならない生体反応です。
つまり体を治癒させるためには不可欠な能力であるこの炎症反応ですが、 ほったらかして過剰に反応が起こると、今度は痛みを増強したり、腫れを起こし可動域を制限したり、治癒を妨げ症状を長引かせてしまったりと、人体に有害な影響を与えてしまいます。
この過剰に反応が起こり靭帯に有害な影響を与えることを少なくして、本来の組織の修復のための生体反応の恩恵を受けようというのが「冷やす」という行為です。
なので腰痛を含め痛みがあるときには「冷やしましょう」ということが言われ、それに対して「冷えピタを貼る」といったイメージがわくんだと考えられます。
ちょっとややこしい話になりましたが、要はぎっくり腰などの時には炎症が起こるので、その部分を冷やしましょう。
冷やすんなら冷えピタでもいいんじゃないの?ってことですね。
冷えピタを過信しすぎない
実際にぎっくり腰などの急な腰痛の時には、約72時間は急性期と呼ばれており、この急性期には炎症が強く発症するために冷やすという考えが、治療業界でも一般的です。
それじゃあやっぱり腰痛の時には冷えピタを貼っといてもいいの?と言われると、知っておいてほしいのが冷えピタを過信しないでくださいということです。
というのも、冷えピタのような冷却シートは気化熱により皮膚表面が少し涼しく感じるだけなので、炎症部分まで冷やしてくれる効果は残念ながらないんです。
つまり腰痛によって起こる炎症を抑えたいのに、冷えピタでは炎症を抑えるのに不十分なんです。
これは冷えピタを批判するわけではなく、貼ってもいいのか?と聞かれれば、もちろん腰痛の時に冷えピタを貼ってもらっても問題はありませんし、冷たくて気持ちいという体への刺激はストレスを和らげ自然治癒力を高めてくれると考えられます。
なんですが、もし腰痛の時に発症する炎症に対して、その炎症を抑えるために使用するというのであれば、ちょっと効果は期待できませんよということです。
何を目的に冷えピタを貼るの?
なので腰痛の時に冷えピタを貼ることは別にいいんですが、ポイントは何のために貼るのか?の部分です。
少しでも早く腰痛を治せる可能性があるのなら…というのであれば、確実ではありませんが上記のようにストレスを軽減して自然治癒力を高める可能性があるので、気持ち良ければ貼ってください。
もし本当に患部を冷やそうと考えているのであれば、冷えピタでなくしっかりとアイシングを行うべきです。(もちろんアイシング以外の時間に冷えピタを使用しても問題ありません。
炎症を抑えるアイシングはどんな方法がいい?
それでは炎症を抑えるためのアイシングはどのような方法がいいのか?なんですが、昔ながらというか、水と氷で患部を冷やしてあげることをおススメします。
もう少し詳しくおススメの簡単な方法をお伝えすると、ビニール袋又はアイシング専用の容器などに水と氷を入れて、患部に直接それを当ててください。
このとき、氷だけを袋に入れてアイシングを行うと、氷の表面に霜がついていることがあり、凍傷を起こす可能性が低いですがあるので、水を一緒に入れる方が無難です。
そして患部に当てる時にはタオルなどの上から当てると、これも冷えピタのように炎症を抑える程、アイシングの効果を期待できなくなるので、直接肌に当てるのが好ましいです。
また最近では、保冷剤が簡単に手に入り手軽ではありますが、保冷剤も直接肌に当てていると凍傷を起こしてしまうことがあるので気を付けてください。
時間はどれくらい?
アイシングを行う時間は関節や部分によって変わってきますが、腰であれば15分~20を目安に行ってください。
この時、アイシングをして3~7分位の時に段々と痛みや灼けるような感覚を感じてきて、このままやってても大丈夫?とアイシングを中断してしまう方が結構いらっしゃるんですが、その時ではまだ不十分であると考えられます。
その後、痛みや灼けるような感覚を感じてもそのままアイシングを行っていると、段々と患部の無感覚になって行きます。
患部が無感覚になったことがはっきりと自覚できたら、血管が収縮して、血液の循環や関節の炎症を弱めている事を意味します。
なので、感覚がなくなる前にアイシングをやめてしまうと効果が落ちてしまうんです。
ただしアイシングの時間が長ければ長いほどいいのか?というとそうでもなく、アイシングを長時間行うことで患部の体温が下がりすぎると今度は逆に血管が拡張して腰痛が悪化する恐れがあります。
もし腰部をしっかりと冷やしたいのであれば、一回のアイシングの時間を長くするのでなく、一度アイシングを行った後に1時間ほどあけてまたアイシングを繰り返す…といったように回数を増やすようにしてください。
慢性期にアイシングは逆効果の時もある
上記でアイシングについてお伝えしてきましたが、それじゃあとりあえず腰痛は冷やせばいいのか?というと、決してそんなことはありません。
一般的に炎症が起こるのは急性期であり、慢性期などは冷やすことによって血液の巡りが悪くなり、自然治癒力が落ちるという考えもあります。
これも一概には言えず、慢性期でも急に腰痛が悪化した時などは炎症を起こしていることがあり、冷やすことで自然治癒力が高まることもありますが、反対に痛みを長引かせる原因になることもあります。
なのでなんでも間でも腰痛は冷やせばいいというわけではありませんので。
ただし冷えピタの話になると炎症を抑える程の効力があるわけでなく、気化熱により皮膚表面が少し涼しく感じるだけなので、特に慢性期であっても気持ちよければ使用してもらっても問題ないでしょう。
もちろん上記でお伝えしたように急性期に使用することも問題はないです。
まとめ
腰痛が出た時には冷えピタを貼っておいたらいいのかな?と、疑問に思っている人もいるでしょう。
結論からいってしまうと、冷えピタを貼っても特に問題はありません。
じゃあそれで腰痛が治るのか?というと、それはなかなかそうであるとは言い切れません。
というのも、ぎっくり腰などの急な腰痛の時には炎症が起こっている可能性があり、その炎症を抑えるために冷やしてあげる方がいいんですが、冷えピタでは、気化熱により皮膚表面が少し涼しく感じるだけなので、炎症を抑えるほどの効果は期待できません。
ただし、冷えピタを貼ると気持ちいと感じ、それによって少しでも腰痛というストレスが軽減するのであれば、それは自然治癒力を高める可能性があると考えられます。
このように冷えピタを何の目的で貼るのか?が大切になり、もし炎症を抑えるためであるのなら、それよりも氷水等でしっかりとアイシングを行う方がいいです。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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