肥満で肩こりになる?その関係について
健康診断に行くと肥満気味と言われるようになり、さらに最近では肩こりも感じるようになってきたけれど、肩こりと肥満て関係があるの?と疑問に思っていませんか?
なんとなく痩せているよりも肥満の方が、体によくなさそうなイメージがあり、肩こりについても肥満が影響しているんじゃ?と思っている人もいるでしょう。
ただ冷静に考えてみると肩こりと肥満はそれほど関係なさそうにも思えますし、実際はどうなのか?今回は肩こりと肥満との関係についてお伝えしていきます。
肥満は肩こりに悪影響を与える
では早速、肥満は肩こりに影響を与えるのか?なんですが、これは影響を与えるものだと考えています。
といっても、「肥満=肩こり」といった必ずしも起こることではなく、肩こりを発症させる様々な要因の中の一つに肥満があるという考えです。
つまり肩こりを発生させる要因として、運動習慣の有無、パソコン作業などの長時間のデスクワーク、スマホやタブレット端末の仕様、イスでなく床に座る生活、冷え性、生活リズムの乱れなど多々ありますが、肥満はその多々ある要因の一つだということです。
なので肥満を解消すれば必ずしも肩こりが改善するというわけではありませんが、肩こりの改善には少なからず役立つと考えられます。
肥満がどうして肩こりに関係するの?
ですが一見すると、肥満が肩こりにそれほど影響を与えるように思えないですよね。ここからは肥満が肩こりに与える影響やその関係についてお伝えしていきます。
●体の重心の位置が変わる
肥満というのは一般的に体脂肪が過剰に蓄積した状態のことを指しますよね。
中には正常な状態に比べて体重が多いときにも肥満と言うことがあり、この場合は肥満と言っても体脂肪だけが筋肉量が多くて体重が重たいなんてこともありますが、基本的には肥満の人は体脂肪が過剰に蓄積した状態なので、お腹にも脂肪が溜りポッコリと前方に出ている人が多いですよね。
するとポッコリと出たお腹の脂肪に引っ張られてしまい、おなかを突き出したような姿勢になりやすくなってしまいます。
お腹の部分が前に出てしまうと、バランスをとるために頭は本来の位置よりも前に出てしまいます。
頭の位置は2,5cm前に出ただけで首には4キロの負担が増えて、7,5cm前に出ると12キロもの負担が首にのしかかると言われています。
肥満によってお腹が出て、そのお腹の脂肪に体が引っ張られてしまうことで、首への負担も大きくなるため、首の痛みや肩こりが起こしやすくなってしまいます。
●脂肪の重たさによって
肥満になるということは、それだけ体には脂肪が蓄積されてしまうということです。
脂肪というのは言い換えれば体についている余計な錘のようなもので、膝関節なんかがよく言われますが、肥満によって脂肪が溜り体重が増えることで、体を支える膝関節に負荷が余計にかかるように、脂肪をため込んだからだはあちこちに錘を付けているようなものです。
もちろんこれは膝だけに限らず、上半身についた脂肪が肩の筋肉に対して過剰な負荷をかけてしまうことで、肩周りの筋肉が疲労を起こしてしまい、肩こりの原因になってしまうと考えられます。
肩周辺にある筋肉は、頭と腕という複数の部分を支える構造になっているため、ただでさえ負荷がかかりやすい部分です。
ここにさらに肥満が加わると、当然肩に大きな負荷がかかってしまうので、肩こりが生じるのも仕方ありませんよね。
●腹圧を安定させにくい
人の体は肋骨の下のお腹の部分には骨がなく、腰の部分の背骨だけで上半身を支えるような構造になっているため、もともと姿勢が崩れやすい構造になっています。
なので本来は腹圧を高めて、その腹圧によって腰の部分の背骨だけでなく、お腹側を一緒に支えて姿勢を保ちやすくしています。
つまり言い換えると、腹圧をうまく高められなければ姿勢が崩れやすいということです。
姿勢が崩れるということは、背骨の本来描いているS字カーブが崩れるということで、S字カーブが崩れて頚椎の前弯のカーブが減少してしまい、頭の重たさを分散できなくなり、首や肩の筋肉にかかる負担が大きくなります。
なので肥満になってお腹に脂肪が溜り、腹圧をうまく高めにくくなると、頚椎のカーブが崩れやすくなり、首や肩周りの筋肉にかかる負担が大きくなって、肩こりを起こしやすくなります。
●肥満になる生活
肥満によってというか、肥満になってしまう生活は肩こりと大きく関係しています。
肥満になってしまうような人は、やはり普段から食べ過ぎたり、飲みすぎだったり、運動不足だったりといった生活になっていることが多いでしょう。(もちろん肥満の人の中には遺伝的な原因の人もいますが)
特に運動不足や体を動かさないような生活は肩こりに大きく関係しています。
運動習慣がなかったり、体をあまり動かさないということは、それだけ血液の巡りが悪くなっており、血液の巡りが悪くなると疲労物質などの老廃物が溜まることで「こり」が作られてしまいます。
食べすぎや飲みすぎなんかも、胃腸に負担をかけたり、肝臓を働かせすぎることになるため、血液が内臓に集中することで筋肉の血液の循環が悪くなれば、やはり「こり」が起こりやすくなります。
こういった肥満になるような生活で自律神経が乱れてしまうことも、肩こりを起こしやすくなる要因になります。
このように、肥満になる生活というのは肩こりと大きく関係しているんです。
肥満を解消するダイエットの注意点
上記のように肥満と肩こりとは関係があるんですが、それじゃあダイエットをすれば肩こりが治るのか?と言われれば必ずしもそうではないでしょう。
ですが痩せるために日常生活を見直したり、体重を減らして脂肪を減らすことは肩こり改善にとってプラスに働くことでしょう。
ただしダイエットの仕方によっては肩こりが全然治らないこともあるので注意が必要です。
ここからは、肩こりが治りにくいダイエットのポイントについてお伝えしていきます。
●栄養が偏ったダイエット
野菜しか食べない、果物を少しだけしか食べないなど、低カロリーを意識して、栄養が偏りタンパク質をしっかりと摂取しないダイエットは注意が必要です。
そのまま続けていくと、筋肉のもととなるタンパク質が足りなくて、筋肉の量が減ってきてしまいます。
すると、頭や腕を支える首の筋肉が疲労し易くなり、もし体重が落ちて肥満から脱出しても、肩こりが治らないことも起こってしまいます。
●激しい運動でのダイエット
ダイエットの時に運動習慣を身につけることは、良いことだと思います。
ただし激しい運動だけで体重を落とそうとすると、肩こりが思うように治らないことがあります。
激しい運動は、汗とともにミネラルが体から出ていきやすいため、肩こりに関係するミネラルである、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど、これが激しい運動で不足すると筋肉の働きが低下してしまい、疲労しやすく肩こりが起こりやすくなるからです。
また運動自体、身体にとっては負担であるため、あまりに激しい運動=身体に大きな負担をかけてしまうことで、肩周りの筋肉も疲労し「こり」を作りやすくなります。
●運動はしないで食事制限だけのダイエット
肩こりを起こしてしまう原因として、そもそも運動不足によって血液の巡りが悪くなることがあげられます。
そのため、ダイエットを行う時に食事制限のみで運動を全く取り入れなければ、筋肉は伸び縮することが少なく、肥満を解消できたとしても、血液の巡りは悪いため、肩こりが治らないことが考えられます。
まとめ
肥満って肩こりに関係があるのかな?と、疑問に思っている人もいるでしょう。
これは肥満だけが肩こりの原因になるわけではありませんが、肥満と肩こりとは関係があり、肥満は肩こりを発症させる一つの要因になると考えられます。
というのも脂肪が身体につけばそれだけ身体にかかる負担は大きくなり、さらにポッコリと出たお腹によって姿勢が崩れることで、肩や首の筋肉にかかる負担が増加してしまうからです。
さらに肥満を発症してしまう運動不足や食べ過ぎ、飲みすぎなどの生活習慣は、肩こりを発症させやすい生活でもあります。
なのでダイエットなど肥満を解消することは肩こりのためにもプラスになると考えられますが、「栄養の偏ったダイエット」「激しい運動のダイエット」「食事制限だけのダイエット」などは、例え肥満を解消できたとしても肩こりが治らないことがあるので注意してください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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