風邪の時に悪化する腰椎椎間板ヘルニア
最近急に夜が肌寒くなってきたと思っていたら風邪をひいてしまい、すると最近はそれほど痛みや痺れを感じていなかった腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してきた…と、悩んでいませんか?
腰痛やお尻から足に痺れや痛みがあって、病院で検査を受けると腰椎椎間板ヘルニアと診断された人の中にも、手術をしなくて何とか生活できているという人も多いでしょう。
そんな人が風邪をひいてしまった時に腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまった…なんてことをたまに聞くことがあります。
風邪と腰椎椎間板ヘルニアとはあまり関係しなさそうに思えるかもしれませんが、実は風邪をひくことによって腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうことがあるんです。今回はそのあたりのことについてお伝えしていきます。
どうして風邪をひくと腰椎ヘルニアが悪化する?
ではどうして風邪をひくと腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまう時があるのか?ここからはその原因についてお伝えしていきます。
●炎症が原因で悪化する
風邪の時のようにウイルスが体内に侵入して、それを免疫細胞が感知すると、ウイルスという異物が侵入したことを各細胞に知らせるために身体は、サイトカインという情報を伝えるための物質をだします。
そのサイトカインによって作り出されるのが、プロスタグランジンと呼ばれる血管を拡張させ血流を増加させたりウイルスと戦うために発熱する物質です。さらにこのプロスタグランジンは痛みの原因にもなる物質です。
腰には痛みや炎症が発症しやすいリンパ節が存在しているため、ウイルスの侵入に伴い腰にあるリンパ節が反応しプロスタグランジンを出すことで、腰椎椎間板ヘルニアの腰痛が悪化しやすくなります。
●咳やくしゃみが原因で悪化する
風邪をひいたときには、肺や気管などの呼吸器を守るためにウイルスを気道から取り除こうと、咳やくしゃみが起こります。これは風邪をひいたときに多くの人が経験していることでしょう。
この咳やくしゃみが曲者で、思いのほか咳やくしゃみは身体に負担をかけます。
咳やくしゃみというのはほんの一瞬のことですが、その瞬間口から勢いよく空気を出すためにお腹にものすごい力が入り、それによって腹圧が急速に高まることで、腰の関節や椎間板に強い衝撃が加わるため、腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまうことがあります。
また、急速に高まる腹圧の抵抗を少なくしようと咳やくしゃみをするときには瞬間的に前かがみになりますよね。
この急な前かがみによって腰の筋肉が伸ばされ傷つけられ、それが何度も繰り返されることで、傷が大きくなり腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまいます。
●安静がふえることが原因で悪化する
風邪にかかってしんどい時に無茶苦茶身体を動かすなんて人は少ないでしょう。
多くの人は身体を休めるために安静の時間がふえることでしょう。風邪に対してはそれ自体悪いことではないものの、長時間同じ姿勢で横になったり寝て安静にしていると、腰周辺の同じ部分に圧がかかって負担が蓄積して腰椎椎間板ヘルニアの醜状が悪化してしまうことがあります。
また本来は身体を動かすことで筋肉が血液を巡らせるポンプのような働きを担っていますが、風邪で安静がふえるとそれだけ筋肉が動くことが減るため、血液の巡りが悪くなって腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまうこともあります。
●姿勢がわるくなって悪化する
風邪をひいて咳やくしゃみが頻繁に出るようになると、自然とそれに対して身体を丸めた姿勢をとったり、エネルギーを回復に回すためにも消費を少なくしようと背中が丸まりやすくなります。
すると、背骨が本来持つS字のカーブがくずれ、腰椎(腰の骨)が描いている前弯のカーブが減少します。
本来であれば腰椎の前弯のカーブが、上半身の重たさなど腰にかかる負担を分散してくれているんですが、そのカーブが姿勢が崩れて減少ずると、腰に負担がかかりやすくなるため、腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させてしまいます。
また姿勢が悪くなると呼吸のときにしっかりと胸が広がらないため、呼吸が浅くなってしまい、取り込まれる酸素が減るとブドウ糖や脂肪の代謝がうまくできず筋肉が疲れやすくなり、腰周りの筋肉に疲労物質が蓄積することで腰椎椎間板ヘルニアが悪化してしまうこともあります。
風邪の時に悪化した腰椎ヘルニアの対策
上記のように風邪をひいたときには腰痛や足の痛みしびれといった症状が悪化してしまうことのある腰椎椎間板ヘルニアですが、ここからはそんな時の対策についてお伝えしていきます。
●安静にし過ぎない
風邪の時にはできるだけ体力を回復させるためにも安静にすることが大切なんですが、時々身体を動かすように意識してください。
といっても熱があるのに走ったり、トレーニングをしましょうと言うことではなく、じっとし過ぎると上記のように筋肉が動かないため血液の巡りが滞り腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化しやすくなるので、家の中でも少し身体を起こして動く時間を設けたり、寝たままでも合間でストレッチを行うなど、風邪が悪化しない程度に筋肉を動かしてください。
●横向きで寝るようにする
風邪で熱が出ている時などはゆっくりと寝ている時間も多くなることでしょう。
その時に仰向けやうつ伏せで長時間寝ていると、腰に負担がかかりやすくなるため、横向きで膝を軽く曲げ、膝と膝の間にタオルやクッションを挟んで寝るようにしてみてください。
●しっかりと風邪を治す
もちろん風邪で腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまっている時には、風邪自体を治すことが何よりも大切です。
そのためにも体力をつけて抵抗力を高める「タンパク質」、免疫細胞を活性化させる「ビタミンC」、鼻やのどの粘膜を保護する「ビタミンA」、新陳代謝を活発にする「亜鉛」など栄養のあるモノをしっかりと取り入れ、できれば身体を冷やさないように暖かい食事を心がけてください。
高熱が出ると家でゆっくりと休んでも、微熱位の風邪だと普段通りに仕事にいったり家事を頑張ったりといった人も多いでしょう。ですがそんな時でもしっかりと睡眠時間は確保するように心がけてください。
睡眠はやはり風邪を含め自然治癒力を高めるためにとても重要なもので、就寝の3時間前には食事を済ませておき、お風呂も就寝の90分前までに済ませ、睡眠の質を上げるようにしてください。
●水分補給を忘れないようにする
風邪をひいて発熱がある時には、体の中の水分の消費量が増えてしまいます。
そして体温が1℃上がると15%程度、体内の水分排出量が増加すると言われており、体内の水分が減ってしまうと血液の巡りが滞りやすくなったり、代謝機能が落ちて免疫力が下がり風邪を長引かせたりして、腰椎椎間板ヘルニアの悪化した症状が改善しにくくなってしまいます。
なのでスポーツ飲料など、意識的に水分補給を行うように気を付けてください。
●風邪の治りかけの時に無理をしない
風邪の時には知らず知らず筋力が弱っていたり、柔軟性が低下してしまっていることが少なくありません。
そんな筋肉の働きが低下した状態の身体で、風邪の治りかけの時や病み上がりの時に、風邪をひく前と同じようにいきなり身体を動かすと、筋肉を傷めてしまい腰椎椎間板ヘルニアの悪化した症状が長引いてしまうことがあります。
なので風邪の治りかけの時や、病み上がりの時には今までよりも慎重に身体を動かすように心がけてください。
普段の生活から風邪をひかない対策を
上記でお伝えしたように風邪をひいた時の対策も大切ですが、何よりもそもそも風邪をひかないように普段の生活から気を付けることがもっと大切です。
普段から外出した時や多くの人と話した後などに、うがいを習慣づけると何もしない場合より約40%も風邪の発症率が低くなると言われています。
水道水でもいいので口の中をグチュグチュと綺麗にし、喉の奥の方まで洗浄するようなイメージで行ってください。
また免疫力は体温が1度下がると30%減少すると言われているため、普段から代謝を落とさないためにも適度な運動を心がけたり、体温を保つために服装を気を付けたり、ストールやマフラーを上手に活用してください。
他にもストレスをため込まないようにすることも、自律神経を整え免疫力を高めることに効果的です。
そのためにも趣味に没頭する時間を確保したり、旅行に出かけたり、好きなものを食べるなど、適度に欲求を満たすよう心掛けてください。
後は普段から風邪をひかないためにも、腰椎椎間板ヘルニアの症状は筋肉の状態にも大きく関係しているので、個々の細胞の免疫機能や再生機能を活発にするために、セルフストレッチやセルフマッサージを習慣付け、固くなっている筋肉の柔軟性をを取り戻してあげましょう。
まとめ
風邪をひいてしまった時に、以前に病院で言われたことのある腰椎椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまった…と、悩んでいる人もいるでしょう。
これは風邪をひくことで炎症が起こったり、咳やくしゃみを繰り返したり、安静にする時間が多くなったり、姿勢が悪くなってしまうことが関係しています。
なので上記の対策を参考に、筋肉の柔軟性を失わせないようにしたり、血液の巡りを滞らせないよう心掛け、しっかりと風邪を治すようにしてください。
そして何よりも、普段の生活から風邪をひかないように、また腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させないよう、心がけ行動することが大切です。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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