ストレスのせいで首の痛みがでるの?
最近仕事が忙しくてなかなか思うように休みも取れないし、ストレスで肩こりになりやすいって聞くけれど、この首の痛みもストレスが原因なの?と、疑問に思っていませんか?
ストレスをため込んでしまうと、免疫力が下がったり、内臓に不調が出たりと体に様々な悪影響を与えてしまいますよね。肩こりなんかもストレスと関係があるということはちょくちょく言われます。
それなら首の痛みもストレスが原因で起こるのかな?と疑問に思っている人もいるでしょう。そこで今回はストレスと首の痛みの関係についてお伝えしていきます。
ストレスと首の筋肉の関係
ストレスが原因で首の痛みが起こるのか?なんですが、これは起こることがあると考えられます。
というのも、首すじには胸鎖乳突筋と言われる筋肉があるんですが、この筋肉はちょっと特殊な部分があり、筋肉の緊張状態が心的な不調にも反映されやすいと言われているからです。
これは胸鎖乳突筋を収縮させる脳からの命令を伝えているのは「副神経」という神経の枝で、副神経は自律神経の働きと密接に関わる迷走神経の一部であり、自律神経とストレスの関係はなんとなく聞いたことがある人も多いと思いますが、ストレスをため込むことで自律神経の働きは乱れてしまいます。
つまりストレスによって自律神経が乱れることで迷走神経の一部である副神経にも影響を与え、精神的なストレス等で体内の調子が狂っていると胸鎖乳突筋も過剰緊張となりやすくなるため首の痛みが起こりやすくなるということです。
上の写真の部分にあるのが胸鎖乳突筋です。
さらに背中や肩から首へとつながる僧帽筋と呼ばれる筋肉も一部副神経の枝があるため、この筋肉もストレスなどの精神的な状態で筋肉が過緊張を起こしやすくなると考えられます。(下の写真が僧帽筋です。)
このように首には自律神経と密接に関係する筋肉があることから、ストレスが原因となり首に痛みを出すことがあると考えられます。
ストレスで自律神経が乱れる
先ほど少し触れた自律神経ですが、もう少し詳しく話すと、自律神経には交感神経と副交感神経があり、両者がバランスを取り合って働くことで、身体の機能が自動的にコントロールされる仕組みになっています。
その自律神経ですがストレスを過度にため込むと、交感神経の働きが強くなってしまうため 血液の巡りが抑制されてしまい、それによって首周りの筋肉も血液の巡りが悪くなってしまうと、疲労物質などの老廃物が流されずに溜り、筋肉が過緊張を起こしてしまうことで首の痛みを起こしてしまいます。
また血液の巡りが悪くなってしまうと、栄養や新鮮な酸素が運ばれにくくなることで自然治癒力も低下してしまいます。
首の筋肉は重たい頭を支えるために常に働いてくれていますが、それによってできた微少な筋肉のダメージが自然治癒力の低下で治りきらずに翌日へと持ち越してしまい、それが続くことで首の痛みが起こりやすくなるとも考えられます。
このようにストレスによって血液の巡りが影響を受けてしまうことも、首の痛みを起こす原因になると考えられます。
ドーパミンが分泌されにくくなる
人は痛みを感じるとドーパミンという物質を脳から出して、痛みを和らげようと働きます。
このドーパミンはストレスによって自律神経が乱れてしまうと、分泌されにくくなってしまうため、痛みに敏感になってしまいます。
つまりドーパミンの減少によって本来であればそれほど感じることのない首の痛みであっても、ストレスをため込んだ時には敏感に感じてしまうということです。
頚椎椎間板ヘルニアを発症しやすくなる
ストレスをため込むことで交感神経が優位になると、疲労物質が溜まってしまいます。
疲労物質は肝臓で処理されるんですが、肝臓が疲労物質の処理におわれるとその他の肝臓の機能が低下してしまいます。
すると肝臓の働きの一つである新たな細胞を作ることが行われにくくなることで、新陳代謝が低下し椎間板にも影響が及び、繊維輪が劣化し弾力性を失ってしまうことで、頚椎椎間板ヘルニアを発症しやすくなってしまいます。
このようにストレスによって肝機能の働きが落ちると、椎間板に影響を与え、それによって頚椎椎間板ヘルニアが発症してしまうことで首の痛みが起こることがあります。
ストレスの解消法
ここまでお伝えしたように、ストレスは首の痛みと関係しているため、できるだけため込まないようにすることが必要です。
ここからは実際に研究結果でストレス解消に効果があると言われているものをいくつか紹介していきます。
●ガムを噛む
ストレスがたまると副腎皮質から放出されるステロイドホルモンでコルチゾールというホルモンが分泌されますが、ガムを噛むことでこのコルチゾールが減ると言われています。
●かぼちゃの種を食べる
かぼちゃの種は、人間の体にとって重要なマグネシウムが豊富で、そのマグネシウムによって気分が向上したり、ストレス解消に役立つ利点があると言われています。
●柑橘系委のにおいをかぐ
オレンジやグレープフルーツ、ライム、レモン、ゆずなど、柑橘系の香には不安をやわらげストレスを軽減する効果があると言われています。
●植物を置く
植物はマイナスな気分の改善を促しストレスの解消に役立つと言われており、小さな植物でもデスクや身近なところに置くことでストレスを軽減できるようです。
●眉間をマッサージする
緊張を和らげるために眉と眉の間を30秒〜1分、ここを指で押したり小さな円を描くようにマッサージしてあげることでストレスを和らげる効果があるようです。
ストレスだけが原因ではない
上記のように首の筋肉は自律神経との関係も深く、ストレスによって痛みを起こしやすくなりますが、ストレスが首の痛みのすべての原因であることは少ないと考えられます。
というのも、ストレスが首を選ぶのはどうしてなんでしょう?
ストレスが関係すると言われる部分は一般的には腰や肩、首などがよくあげられますが、別に太ももや二の腕に痛みを出してもいいはずですよね。
それなのにわざわざストレスは首や肩、腰ばかりを選んで痛みやコリを起こします。これってどうしてなのか?
たぶん、ストレスは首の痛みを引き起こす一つの要因にはなるものの、ストレスだけで首の痛みが出ているのではないからです。
肩や首、腰といった部分は、体の中でも特に負担のかかりやすい部分であり、そういった痛みを出す下地のあるところに、ストレスという痛みを出す原因がさらに重なることで、実際に痛みを出してしまっているんです。
なのでストレスをため込まないことは大切だと思いますが、首の痛みの改善を目指すのであれば、ストレスを0にすることだけを目指すのでなく、その他の痛みを起こす下地の原因となるものも取り除いていくことが大切です。
例えば姿勢が日ごろから悪ければ、それだけで頚椎には何倍もの負担がかかることになるため、言い換えると姿勢を正すことで多少のストレスがあっても首の痛みを起こさないようにすることができます。
その他にもストレッチなどで日ごろから首や肩周りのケアを行ってあげることでも、多少のストレスがあったとしても首の痛みを予防することができるでしょう。
このようにストレスだけに目を向けるのでなく、その他の原因にも目を向けることが必要になります。
まとめ
仕事や人間関係でストレスが溜まってしまっていて首にも痛みがあり、この首の痛みはストレスが原因?と疑問に思っている人もいるでしょう。
首には自律神経と関係の深い胸鎖乳突筋や僧帽筋といった筋肉があるため、ストレスで自律神経が乱れてしまうと、これらの筋肉も過緊張を起こして首の痛みを起こしやすくなると考えられます。
他にも、自律神経が乱れて自然治癒力が低下したり、ドーパミンの分泌が低下したり、肝機能が落ちてしまうことも首に痛みを出しやすくなる要因です。
なので普段からストレスをため込まないようにすることは大切ですが、だからと言ってすべてがすべて、首の痛みの原因がストレスによるものとも考えにくいです。
姿勢や運動習慣の有無など首に負担をかけてしまう原因があり、そこにストレスが加わることでより首の痛みが起こりやすくなると考えられるからです。
ストレスをため込まないようにするとともに、首の痛みを改善させたい時には、それ以外の原因にも目を向けてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
コメントをお書きください