首の痛みに温泉は良い?悪い?
最近は肩こりもひどくて首に痛みを感じる時も少なくない…こんな時って温泉に入ると痛みが減ったりするものなのかな?と疑問に思っていませんか?
温泉は肩こりを含め疲労をとるために有効だといったことは昔から言われていますよね。
ですが実際には首に痛みがある時に、温泉につかって温めることって本当に大丈夫なの?それよりも冷やした方がいいんじゃないの?と疑問に思っている人もいるでしょう。実際に当店でも「首が痛いんですが、こんな時に温泉につかりに行ってもいいですか?」なんて質問を受けることもあります。
そこで今回は首の痛みに温泉ってどうなのか?などについてお伝えしていきます。
温泉がもたらす首の痛みへの効能
首の痛みに温泉ってどうなのか?というと、基本的には温泉で体を温めることは首の痛みの緩和に効果的であると考えています。
その理由として、細かいことを言い出すときりがありませんが、主に「筋肉の血行が良くなる」「ストレスの緩和作用」「睡眠の質が高まる」の3つの効能が得られることが首の痛みの緩和に大きな影響を与えます。
●筋肉の血行がよくなる
肩こりや首の痛みの原因で多いのは、椎間板ヘルニアなどの神経疾患よりも圧倒的に筋肉の異常な緊張によって起こっているものが多いんです。
肩こりや首の痛みの簡単な仕組みを言えば、血液の巡りが悪くなることで疲労物質などの老廃物が溜り、それによって筋肉は柔軟性を失って硬くなり、さらに硬くなった筋肉がその中を通る血管を圧迫し一層血液の巡りが悪くなるといった悪循環によって痛みやこりが発生します。
温泉に入って体を温めることで血流がよくなるというのは、なんとなくご存知の人も多いでしょうが、温めることで血流が良くなり老廃物が流され、筋肉に酸素がいきわたり栄養成分が患部にも巡ると、筋肉の自然治癒力が高まり柔軟性を取り戻し痛みが減少しやすくなります。
また体が温まる以外にも、温泉に入ることで身体の表面に静水圧がかかるよって全身に圧力が加わり、天然マッサージのような効能が得られ、血液が心臓に向かって押し上げられるポンプ効果によって静脈の流れが改善することも、血液の巡りが良くなり結果的に首の痛みや肩こりの解消に役立ちます。
●ストレスの緩和作用
温泉に入るとリラックスできてストレスの緩和に役立つなんて人も多いでしょう。
私自身も疲れたと感じている時には、休みに温泉地まではなかなか行けませんが、近くのスーパー銭湯で心身共にリラックスをしに行くこともよくあります。
このように普段の家のお風呂ではなく、日常と違う環境に行って温泉につかることは基本的に、心身にリラックス効果をもたらしストレスを緩和させてくれます。
ストレスが肩こりに悪いということはよく言われることがありますが、首の痛みにも悪影響を与えます。
これはストレスが蓄積していると、自立神経が乱れ交感神経が優位になってしまい血液の巡りを悪くしてしまったり、ドーパミンと呼ばれる痛みを緩和してくれる物質が脳から出されにくくなることで痛みに敏感になってしまうためです。
他にもストレスが蓄積してしまうと自然治癒力が低下することも、首の痛みを発生させたり、治りにくくする要因になります。
このように様々な悪影響を首の痛みにも与えるストレスですが、温泉に入ることでこのストレスが緩和されれば、それだけ首の痛みも改善しやすくなるということです。
●睡眠の質が高まる
痛みを治したり、体の不調を改善するためには睡眠というのはとても大切なモノです。
しっかりとした睡眠は体を修復するためのホルモンを分泌し自然治癒力が高まるからです。
そして人の体は、温泉を含めたお風呂で温めて上がった体温が下がってくるときに眠気を感じるようになっています。
つまり温泉やお風呂に入ることで眠気を促し、その時にしっかり体を休めることで睡眠の質が高まって、自然治癒力を高めることができるため、首の痛みの改善に役立つというわけです。
首の痛みに効果的な温泉の泉質とは?
上記のように首の痛みや肩こりの改善に役立つと考えられる温泉ですが、温泉と言ってもその泉質は様々なモノがあり、それぞれ効能があれこれ書かれていますよね?
それじゃあ首の痛みの改善に役立つ泉質って何なのか?基本的にはどの泉質であっても肩こりや首の痛みの改善に役立ちますが、ここでは特に効果的と考えられる泉質をお伝えしていきます。
●単純泉
お湯の中に含まれる成分が一定量以下の温泉のことを「単純温泉」と呼び、日本で一番多いのがこの単純泉です。
成分が薄いため底刺激がで肌にやさしいのが特徴で、肌に刺激が少なくいためゆったり入浴することができ、身体の芯まで温めることができるため、血行の促進につながり肩こりや首の痛みの改善に期待できます。
●アルカリ性単純泉
pH値8.5以上の単純温泉のことを「アルカリ性単純温泉」と言い、単純泉と同じで含有成分が一定量に達していないので肌に優しくゆったりと入浴でき、身体の芯まで温めることができます。
さらに自律神経に効くと言われているため、ストレスによる筋肉の緊張で起こる首の痛みの改善に期待できます。
●塩化物泉
塩化物泉は海水に似た食塩を含み、塩辛く無色透明の湯で、掘削技術が進む前は日本で一番多い泉質だったようです。
塩化物泉は入浴することで、皮膚に塩分が付着して汗の発汗を防ぐため、保温効果が高く湯冷めしにくいため、血行が良くなり首の痛みの改善に期待できます。
温泉でなくお風呂もそれなりに効果的
温泉が首の痛みの改善に効果があるとお伝えしてきましたが、ここまでお伝えしてきて「これって温泉じゃなくてお風呂でもよくない?」と思われた人もいるでしょう。
言ってしまうと、温泉でなくてもお風呂でもある程度同じような効果を得ることができます。
例えばお風呂でも身体が温まれば血液の巡りは良くなりますし、静水圧も身体にかかります。ストレスも湯船につかることでリラックス効果を得られることで緩和されますし、睡眠の質もお風呂で体温が上がるため高めることができます。
このように必ずしも温泉でなくても、家のお風呂であっても首の痛みの改善のために似たような効果を得られます。
ただしやはり普段の家のお風呂ではなく、日常と違う環境で温泉に入ることはリラックス効果を高めてくれるでしょうし、泉質による効果も温泉ならではでしょう。
なので家のお風呂でも全く同じとは言いません。その効果がどれほどのモノかは置いといて、やはり温泉ならではの効果はあるということです。
普段から毎日温泉に入るというのも難しいでしょうし、首の痛みの改善のためには、お風呂や温泉を併用してうまく利用してもらうことがいいと思います。
なかには温泉で悪化してしまうこともある
ただしなんでもかんでも首の痛みに温泉が良いというわけではありません。
首の痛みを持つ人の中には温泉に入ることで痛みが悪化してしまう人もいます。
特に気を付けなければいけないのが、急に首の痛みが起こった時や、痛みが急に強くなった時です。こういった場合、首の患部で炎症が起こっていることがあるからです。
「炎症」というのは字のごとく簡単に言えば患部が熱を持っている状態で、炎症があるために痛みは強くなりやすいため、その状態の時に温泉でしっかり身体を温めてしまうと、熱に熱を加えることになるため炎症が悪化してしまい、首の痛みも強くなることがあります。
なので痛みが強かったり、急に痛くなった時には温泉に入ることは避けるほうがよいでしょう。
他にも、風邪の時など身体にウイルスが入り込み悪さをしている時には、温泉で身体を温めることで症状が悪化してしまうこともあるので気をつけてください。
温泉に入っていいのか?の判断方法
上記のように必ずしも温泉に入ることは首の痛みの改善につながるわけでなく、時には痛みを悪化させてしまうこともあるため、きちんと見極める必要があります。
それじゃあ温泉に入っていいのか?悪いのか?の判断はどうするの?っていうと、ちょっと無責任な答えになりますが、一度お風呂に入ってもらって、そのあと首の痛みがどうなのか?を見てもらうのが一番だと考えています。
首の痛みが多少強くても、身体を温めることで痛みが緩和する人もいらっしゃいますし、反対に痛みが弱くてもお風呂につかっていると症状が悪化してしまう人もいます。
このようになかなか一概に良いか?悪いのか?を判断することはできないため、まずは家でお風呂に入ってみて、大丈夫であれば温泉に入っても問題ないことがほとんどでしょうし、反対にお風呂で悪化してしまうのであれば、温泉でも悪化してしまう可能性は高いでしょう。
あとは、長時間の入浴やあまり高温の湯船につかっていると交感神経が高まり痛みが増しやすくなったり、眠りが浅くなることがあるため、首の痛みがあって温泉に入る時にはこれらにも注意してください。
効果の持続性はあるのか?
他にも温泉で得られる効果に持続性はあるのか?というと、残念ながらないと考えられます。なので一度温泉に入っただけで首の痛みがすべて解決するということはなかなか難しいでしょう。
それにもし温泉に継続して通ったとしても、首の痛みの原因となっているモノを改善していかない限り、少し症状は緩和してもすべて解決することはまれでしょう。
例えば姿勢が悪く頚椎(首の骨)の前弯のカーブが減少していたり、頭が前に出て首の筋肉に日常的に負担が大きくかかっていれば、温泉で血液の巡りが一時的に良くなってもすぐにまた筋肉は硬くなってしまいます。
他にも運動不足になっていれば、いくら温泉の時だけ身体を温め血液を巡らせても、他の時間は血液の流れが滞りがちになるため首の痛みは起こりやすくなります。
温泉で身体を温めたとしても、それ以外で薄着になっていたり、冷房に直接あたっていたり、身体を冷やしていればこれも思うような効果を得られないでしょう。
このように首の痛みの改善を望むのであれば、温泉に入るだけでなく、もう少し根本的な原因を取り除いていくことが必要になります。
まとめ
温泉て疲労をとるのに良いと言われているし、首の痛みの時にも入って大丈夫なのかな?と疑問に思っている人もいるでしょう。
温泉で身体を温めることは肩こりや首の痛みの緩和に効果があると考えられます。
これは温泉に入ることで、「筋肉の血行が良くなる」「ストレスの緩和作用」「睡眠の質が高まる」などの効果が期待できるからです。
そして首の痛みにお勧めの泉質が単純泉やアルカリ単純泉、塩化物泉です。
ただしどんな首の痛みでも温泉に入ってもいいわけでなく、場合によっては温泉に入ることで痛みが悪化してしまうこともあります。
特に痛みが急に出たり、強くなった時には炎症を起こしている可能性が高いため、そんな場合には入らないほうが無難です。
実際は一度お風呂に入ってみて、首の痛みがどう変化するのか?を確認するようにしてみてください。
あと、温泉というのは首の痛みを改善させるための、あくまで補助的なものだと考えていただき、もう少し根本的な原因の改善を一緒に行っていくことが大切です。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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