肩こりで上を向けない時の原因は?
対処法をお伝え!
パソコン作業などのデスクワークが多くて肩こりで以前から悩んでいたけれど、最近はしっかりと上を向くことができなくなってきている…これってどうしてなの?と、疑問に思っていませんか?
最近ではスマホが普及し、パソコン作業などのデスクワークの人も多いため、肩こりで悩んでいる人も少なくないでしょう。
肩こりが出てくるとそれと同時に首にもコリやツッパリを感じることは珍しくありませんが、それがひどくなってくると当店に来店されるお客様の中にも「痛みやツッパリで上を向けません」と話される方がいらっしゃいます。
そこで今回は肩こりで上を向けなくなる原因やその対処法などについてお伝えしていきます。
どうして肩こりで上を向けなくなるのか?
まず、肩こりが悪化してくるとどうして上を向けなくなってしまうのか?なんですが、これはもちろんいろいろな原因があるんですが、よく見かけるのが「頚椎のカーブの減少」「首の筋肉の緊張」「肩の位置が前に出ている」の3つです。
●頚椎のカーブの減少
まず肩こりや上を向く時の首の制限に大きくかかわってくるのが頚椎(首の骨)のカーブの減少です。
頚椎を含め背骨というのは、椎骨が積み木のように積み重なってできていますが、これは真っ直ぐに積み重なっているわけでなく、S字カーブを描いています。そして頚椎の部分は前弯のカーブを描いているんです。
このカーブがクッションのような役割を担い、頭の重たさを吸収・分散してくれているため、首や肩の筋肉にかかる負担が少なくなるんです。
言い換えれば、この頚椎のカーブがなくなってしまうと首や肩の筋肉にかかる負担が大きくなるため、肩こりを発生させやすくなってしまいます。
そして頚椎の前弯のカーブが減少し一般的に言われるストレートネックの状態になってしまうと、上を向こうとすると頚椎(首の骨)自体がつっかえとなってしまって頭とぶつかるため、上を向けなくなってしまうんです。
(上のイラストの左のように、いくら上をしっかりと向きたくても骨が邪魔になってしまいます)
●対処法
このように頚椎の前弯のカーブが減少してしまい肩こりが出たり、上を向けないときの対処法は、やはり頚椎の本来もつ前弯のカーブを取り戻してあげることです。
でも骨の問題ならどうしようもないんじゃ…と思うかもしれませんが、確かに実際に骨自体が生まれつき真っ直ぐの人もいるんですが、多くの人は姿勢の悪さから頭を前に突き出した状態になってしまうことで、頚椎の前弯のカーブが後天的に失われてしまっているんです。
簡単に言ってしまうと、姿勢を正してあげることで頚椎の前弯のカーブが元に戻る人が多いということです。
なので最近では顎を突き出さずに引いたり、頭が前に出ないようにと言われることがあるんですが、確かにこれで頚椎のカーブが戻る人もいるものの、経験上それだけでは頚椎のカーブが戻らない人も少なくありません。
頚椎のカーブを戻すためには首の骨のことなんですが、首だけに意識を向けないで、もう少し全体の姿勢に意識を向けることが大切です。
人の頭や首は宙に浮いているわけではありませんよね。足から骨盤、胴体とつながりその上に首や頭があるんです。
それなのに頭から下の姿勢が悪いのに、首や頭だけを正そうとすると非常に難しくなってしまうんです。
きちんと背骨の土台となる骨盤を正して、腰椎、胸椎とただすからこそ、その上にある頚椎や頭も正されるんです。
骨盤や体の歪みを正すと言っても、その歪み方などは人それぞれなので、なかなかここで改善方法を的確にアドバイスすることは難しいですが、姿勢を正すためのポイントをお伝えしますので参考にしてください。
その正した姿勢を習慣化するだけで、肩こりが改善したり上を向けるようになることも非常に多いですので。
●足裏にかける重心をかかとや足裏の真ん中でなく、土踏まずのやや後ろ、脛(すね)の骨の下に持ってくる
●お腹を少しひっこめて、お尻の穴を閉めるように意識する
●肩が丸まらないように胸を開き、肩甲骨を少し内下方に下げる(ただし偉そうに胸を張って背中を反らしすぎないよう気を付けてください)
●頭は前に突き出さずに肩の上に乗せるイメージで
●首の筋肉の緊張
首の筋肉が緊張し硬くなってしまうことも、肩こりや上を向けなくなる原因になります。
これは単純に首の筋肉が緊張し硬くなれば、いくら上を向こうとしても硬くなった筋肉が伸びにくくなって制限がかかるため、思うように上を向けなくなります。
もちろん首の筋肉は肩の筋肉と関係が深く、首のこりは肩甲骨や鎖骨を通じて肩にまで波及してしまうことが少なくありません。
●対処法
首の筋肉の緊張によって肩こりや頭の動きの制限がある時には、やはりその硬くなった筋肉を和らげる必要があります。
ここでは筋肉を和らげる方法としてストレッチをお伝えしていきます。
●片手を背中にまわし、反対の手で頭をつかみます。つかんだ手で頭を斜め前に倒して首にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●片手を背中にまわし、反対の手で頭をつかみます。つかんだ手で頭を横に倒していき、首にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●両手を頭の後ろにまわして手を組み、背すじを丸めないで伸ばしたまま、頭を前に倒してください。首から背中にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。
●片手で反対の鎖骨を押さえ、そのまま頭を押さえた鎖骨とは反対の斜め後ろに倒してください。
首にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●肩の位置が前に出ている
他にも肩こりや上を向けなくなる原因に、肩の位置が目に出ていることがあります。
先ほどもお伝えしたように、頭は独立して宙に浮いているわけでないため、体の他の部分と連動しています。
肩の位置が前に出てしまうと、それに体や頭は引っ張られ猫背や頭が前に出やすくなるため、結果的に頚椎の前弯のカーブが減少してしまい上を向こうとすると制限がかかってしまうんです。
さらに肩が前に出た状態は「巻き肩」とも言われることがあり、肩甲骨は外側に歪み動きが制限されてしまうため、肩甲骨につく筋肉の動きも減って段々と緊張していくことで肩こりも起こりやすくなります。
●対処法
巻き肩になり肩こりになったり、上を向くことに制限がかかってしまっている時には、肩を開いてあげることが大切です。
先ほど姿勢のところでお伝えしたように、肩甲骨を内下方に下げるように普段から意識するとともに、肩甲骨を前に引っ張る胸の筋肉や肩甲骨周囲の筋肉の緊張を和らげることが大切です。
ここでは、巻き肩の原因となっている胸の筋肉や肩甲骨周囲の筋肉のストレッチをお伝えします。
●片手を上げて軽く肘を曲げ壁に手をあてます。そのまま腕を上げた方とは反対に体をひねっていき、胸にツッパリを感じたところで15~20秒キープ。左右交互に行ってください。
●両足を肩幅程に開き、つま先は外側に軽く向け立ちます。
息を吸いながらゆっくりと両腕を上げ、頭の上で手のひらを合わせます。
そこから息をはきながら、手のひらを外側に向け、ひじを少し後ろに引い腕を胸の位置まで下ろしていき、胸の位置で止めます。
腕を下していく時は、左右の肩甲骨を中央に寄せるよう意識してください。
頚椎椎間板ヘルニアが原因
上記でお伝えした原因以外にも、肩こりを感じ、上を向けなくなる原因に頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアがあります。
これは頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアは椎間板の突出や骨棘などの骨の変形、靭帯の肥厚などによって神経が圧迫されることで発症しますが、上を向くことで狭くなった神経の通り道がさらに狭くなり、神経圧迫が起こることで痛みや痺れなどの症状が発症してしまうため、上を向くのに制限がかかってしまうんです。
さらに頚椎の神経が圧迫されることで、肩周りの筋肉への信号の伝達に異常が起こり、筋肉は緊張しやすくなるためひどい肩こりを感じる人もいらっしゃいます。
上を向こうとしたときに腕や背中、もしくは下半身に電気の走るような痛みや痺れが起こる場合には、頚椎症や頚椎ヘルニアが原因の可能性がありますので注意してください。
●対処法
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアが原因で上を向けないときには、対処法は手術しかないのか?というと決してそうでもありません。
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアを発症させる原因も多々あるため、改善方法も変わってきますが、頚椎の前弯のカーブが減少し肩が前に出てしまうことで、頚椎周辺に負荷がかかりすぎて椎間板の突出や骨の変形が起こってしまった人も多いため、上記でお伝えした対処法を行うことである程度症状が軽減していく人もいらっしゃいます。
それ以外にも症状に合わせて運動を行ったり、生活習慣を見直したりする必要もありますが、必ずしも手術しか方法がないわけでなく、当院でも手術なしに症状が改善した人も沢山いらっしゃいます。(当院のお客様の声)
ただ、反対に手術をしたほうがいいという人ももちろんいらっしゃいます。
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアでは腕や肩の症状だけでなく下半身にも症状が出ることがあり、握力の極端な低下や歩行が困難、耐え難い痛みがいつまでも続く、排泄に問題が生じる、こういった時には手術を視野に入れた対策が必要になると考えられます。
寝違いが原因
普段から肩こりを感じていて肩周りの筋肉が緊張状態にある人で、急に強い痛みが出て上を向けなくなった時には、頚椎捻挫(いわゆる寝違いなど)が原因かもしれません。
これは経験されたことがある人も多いと思いますが、寝違いを起こした時には痛みで首をほとんど動かせなくなってしまいますよね。
その他にもくしゃみをしたときに急に首に激痛が出たり、不意に後ろを振り向いた時に痛みが出ることもあります。
この時は肩や首周囲の靭帯や筋肉に炎症が起こり強い可動域制限や痛みが起こってしまっています。
●対処法
寝違えの時など、急に首に可動域制限を伴う痛みが発生した時には、まずは安静にするようにしてください。
痛みの強い時にストレッチや体操、マッサージなどを行うと、炎症が悪化してしまい痛みが悪化してしまうことも珍しくないからです。そしてできれば、あまり患部を温めないほうがいいです。
そして安静の時にも、最近であればスマホ操作やパソコン作業、読書などは首に負担がかかりやすいため避けて、あまり同じ姿勢が長時間続くと血液の巡りが悪くなるため、合間合間に少しだけ体を動かすようにしてください。
人によって安静の期間も異なりますが、少し痛みが軽減してくれば、上記でお伝えしたストレッチなどをまずはゆっくりと軽い力で行ってみてください。ただしくれぐれもいきなり思いっきりグイグイと伸ばしたり、強く揉み解すのはやめてくださいね。
まとめ
肩こりを感じていて、いつの間にか上を向けない…と、悩んでいる人もいるでしょう。
肩こりで上を向けなくなる原因で多いのが、「頚椎のカーブの減少」「首の筋肉の緊張」「肩の位置が前に出ている」の3つです。
なのでお伝えした対処法を参考に、普段から姿勢を正したり、首周りの筋肉の緊張を和らげたり、肩が前に出てこないように注意してみてください。
他にも頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの時にも肩こりや上を向くのに制限が出てしまうことがあり、この場合は必ずしも手術でなく上記と同じように頚椎の前弯のカーブを戻したり、首や肩の筋肉を整えることで症状が改善するケースも少なくありません。
ただし場合によってはやはり手術が必要なこともあるため、一度専門の方に見てもらうことをお勧めします。
他にも寝違いなどの頚椎捻挫の時にも上を向けなくなることがあり、この場合はマッサージや体操、ストレッチを行うことで症状が悪化してしまうことがあるため注意してください。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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