危ない首の痛みの原因⁉狭心症とは?
首の痛みの原因の多くは筋肉の緊張によるもので、それによって頭痛や吐き気を起こすことはあるものの命にかかわるようなモノではありません。
ですが中にはそうでなく、危ない首の痛みの原因が隠れていることがあり、狭心症もその一つです。
心臓の疾患であるのに首に痛みを出してしまうことのある狭心症。今回はそんな狭心症についてあれこれお伝えしていきます。
自分では「こり」で首の痛みが起こっておると思っていても、実はそうでなく心臓の問題のサインとして起こっている場合もあるため、お伝えすることを参考に、もし当てはまる症状がある場合は一度病院で検査を受けてみてくださいね。
狭心症とは?
そもそも危ない首の痛みの原因となる狭心症とはどのような病気なのか?まずはそれについてお伝えしていきます。
心臓が私たちが生きていくうえで大切な働きをしていることは多くの方がご存知のことでしょう。
実際にどんな働きをしてくれているのか?というと、心臓は筋肉の固まりのような内臓で、休むことなく収縮と拡張を繰り返し、それによって血液を押し出してくれています。
その押し出された血液が全身をめぐることで、全身の細胞は生きていくために必要不可欠である酸素と栄養素を得られます。さらに全身の臓器から排出された二酸化炭素と老廃物は血液によって再び心臓に戻され、それぞれ二酸化炭素は肺へ、老廃物は腎臓や肝臓へと再び送られて処理されます。
さてこの生きていくために酸素や栄養素が必要なのは心臓の細胞自体も同じで、その心臓自体に酸素と栄養を与えている大切な血管が冠動脈と呼ばれるモノです。
大切な心筋に血液を供給している冠動脈が、動脈硬化などで細くなると、うまく血液を流せなくなるため心筋の血液が不足します。
この冠動脈が細くなることが「狭心症」で、その際に心臓の血液不足で胸に痛みを感じたりするのが「狭心症の発作」です。
狭心症の症状
それでは狭心症の時にはどのような症状がみられるのか?というと、突然、胸の中央からみぞおちにかけてが締め付けられる、圧迫されるような、痛みが起こります。
また胸だけでなく放散痛といって問題の起こっている心臓だけでなく、左肩や左腕、奥歯、時には首にも痛みを感じることもあり、痛みの範囲や感じ方は人によって異なります。
ただし狭心症の場合ではその痛みの持続時間は短く、安静にすることで軽快していきます。
もし階段を上がる時や、急いで歩いた時などに、数分間の胸の痛みが起こる 。痛みで目がさめたり、夜明け方トイレに立った時や洗面の時に胸の痛みが起こる。こういった症状がある時には一度病院で検査を受けてみてくださいね。
狭心症の発症の予防
狭心症を発症しないためには、動脈硬化の進行を予防することが大切です。
そのためには、動脈硬化の危険因子を極力除去していくことが必要です。
ここからは危ない首の痛みの原因となる、狭心症の発症に大きくかかわる動脈硬化の危険因子についてお伝えしていきます。
●喫煙
タバコの煙にはニコチンや一酸化炭素、タールなどが含まれていることは、ご存知の方も多いでしょう。
ただそれだけでなく喫煙習慣は、体内に過剰に活性酸素を発生させてしまいます。そしてその過剰に増えた活性酸素は正常な細胞や遺伝子を攻撃してしまいます。
喫煙によって増えた活性酸素が動脈硬化を促進してしまうんですが、血液中に増えた活性酸素は血管の内壁にある内皮細胞を傷つけます。
その傷口に血液中を流れているLDLコレステロールが入り込んできます。
LDLは活性酸素によって酸化され、酸化LDLになり、すると白血球由来の細菌など異物を取り込んで排除するマクロファージという細胞が集まってきて、酸化LDLを異物として認識し、どんどんと取り込みはじめます。
酸化LDLでふくれあがったマクロファージは泡沫細胞となり、厚いコレステロールの層をつくり、血管内腔を狭めていきます。
これらのメカニズムによって喫煙習慣により、動脈硬化が促進されてしまうんです。
●食生活の乱れ
食生活の乱れも動脈硬化を促進させる危険因子です。
例えば食べすぎによるエネルギ-の取り過ぎは肥満を招き、肥満は糖尿病や高血圧の要因になるだけでなく、血液中の中性脂肪やコレステロ-ルを上昇させ動脈硬化を促進させます。
ほかにも脂質には動物性脂肪と植物性脂肪がありますが、肉類や牛乳・乳製品、卵、ラ-ドといった魚類の脂質を除く動物性脂肪はコレステロ-ルを増加させる働きがあり、動脈硬化を促進させてしまいます。
また塩分の摂りすぎも高血圧の原因となるため、動脈硬化を起こしやすくなります。
そのため、食べすぎには気を付けバランスのよい食事を摂ることが大切です。
●運動不足
運動不足は肥満や高血圧、糖尿病などの要因となるため、動脈硬化の危険因子の一つです。
運動習慣がある場合、そうでない場合に比べて加齢による血管の老化を抑えられ、その進行の度合いは3分の1以下になるといわれています。
とくに有酸素運動は動脈硬化を抑えるために有効で、有酸素性運動による動脈硬化の抑制効果が最大になるのは、活発なウォーキングやジョギングなどを週に4~5日、それを30~60分程度おこなった時だと言われています。
また短期間ではなく、毎日の積み重ねによる継続的に行うことが必要です。
●ストレス
ストレスもまた動脈硬化の危険因子で、精神的・肉体的ストレスがかかると、血液中のコレステロールが上昇して動脈硬化が進行しやすくなります。
またストレスによって血中の交感神経系ホルモンが増え、血圧が上昇すると冠動脈内皮の傷害が生じやすくなり心疾患の引き金にもなります。
何かとストレスを感じやすい時代でもありますが、何事も思いつめ過ぎず、焦らず、ストレスをため込まないよう発散させたり、何もしない時間を作ったり、ストレスとうまく付き合っていけるよう意識を向けてみてください。
まとめ
首の痛みの原因となるものは多くの場合、特に命にかかわることのない筋肉の問題です。
ですが中にはそうでなく、内臓の病気で首の痛みが起こっている時もあり、そんな危ない首の痛みの原因の一つが狭心症です。
狭心症は心臓の血管が細くなって血液の巡りが悪くなり、酸素や栄養が届かなくなって起こるものなんですが、放散痛によって首に痛みを感じることもまれにあります。
そんな狭心症ですが、その発症には動脈硬化が大きくかかわっていて、予防するためには動脈硬化の危険因子を生活から排除していくことが重要になります。
特に危険因子としてよく知られているのが、「喫煙」「食生活の乱れ」「運動不足」「ストレス」です。
このように首の痛みが心臓の問題で起こることもあるため、首だけでなく胸にも痛みを感じる時には一度病院で検査を受けてくださいね。
記事提供者プロフィール
かんばし まさとし
奈良県御所市からすぐ神橋筋整体院の院長
お客さんの8割以上が腰痛・首痛で病院や整骨院など、どこに行っても治らなかったという悩みを持ち来店される。
その多くの方が痛いところだけ揉んだり電気を当てたりといったその場だけの治療ではなく、姿勢や痛みの原因となる根本から整えていく独自の施術法で改善し支持を得ている。
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